東北学院中学校・高等学校

宮城県仙台市にある中高一貫校

東北学院中学校・高等学校(とうほくがくいんちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、宮城県仙台市宮城野区小鶴字高野にある私立中学校高等学校。通称は「学院」、「TG」。

東北学院中学校・高等学校
地図北緯38度16分35.8秒 東経140度56分36.5秒 / 北緯38.276611度 東経140.943472度 / 38.276611; 140.943472座標: 北緯38度16分35.8秒 東経140度56分36.5秒 / 北緯38.276611度 東経140.943472度 / 38.276611; 140.943472
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人東北学院
校訓 LIFE LIGHT LOVE
設立年月日 1886年
創立記念日 5月15日
創立者 押川方義
W・Eホーイ
D・Bシュネーダー
共学・別学 男女共学
中高一貫教育 併設型
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
学期 2学期制
学校コード C104391020017 ウィキデータを編集(中学校)
D104391020015 ウィキデータを編集(高等学校)
高校コード 04503K
所在地 983-8565 
宮城県仙台市宮城野区小鶴字高野123番1
外部リンク 公式ウェブサイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
テンプレートを表示

キリスト教プロテスタント福音主義日本基督教団)系の学校(キリスト教主義学校、ミッションスクール)である。学校法人東北学院によって設置され、東北学院大学東北学院榴ケ岡高の系列校である。

2005年4月、老朽化が進んだ一番町校舎から宮城野区小鶴の新校舎に移転し現在に至る。宮城県内で唯一残っていた男子校だったが2022年4月から男女共学となった。[1]

2019年4月からのスローガンは「日本一ポジティブな学校」である。

概要

編集

ミッションスクールとしてキリスト教による全人教育を行っている。学校の標語は、第2代院長D.B.シュネーダー聖書より引用し、制定した「LIFE LIGHT LOVE」(3L精神)。また「地の塩、世の光」として社会に貢献する人であれ、との人格教育を行っている。前身の仙台神学校の創立以来、毎朝の礼拝がある[2]。現在のキャンパスの一角には2000人を収容できる礼拝堂があり、賛美歌・聖書朗読などからなる礼拝の場となっている[2]。年間の行事として、イースター、創立記念、ペンテコステ、クリスマスなどで礼拝がある[2]

中学校入学者は地元の富裕層や祖父代からの東北学院出身者の子弟が入学することが多い。高等学校は中学校内部進学者と高校受験による新規入学者の比率が半々である。

特待生制度、準特待生制度があり、通年の定期試験の成績で3位以内でかつ平均点が90点以上の者は特待生とされ学費が全額免除される。さらに、平均点85点以上の者も準特待生とされ図書券が進呈される(6位まで)。また、卒業生の総代(首席卒業者)は進学クラスの最優秀生徒が選ばれる慣行となっている。

その他、アメリカオレゴン州方面の海外研修制度も用意されている。以前は50名の定員に60名を超える希望者があり、選抜テストを行なって参加者を決めていたが、ここ10年以上は参加者が激減し、在校中に複数回参加できるよう規定を改めても毎年12〜15名の参加者にとどまっている。なお、現在は海外研修の場所が東海岸のボストンへと変更され、研修内容も大幅に変わった。また、中学生に限りニュージーランドへ交換留学する制度も新設された。

かつての校舎は仙台市都心部一番町に位置し、仙台駅より徒歩10分と交通至便であったが、都市計画により用地を市道へ供出したため、敷地面積は狭かった。そこで、2005年4月に宮城野区小鶴にキャンパスを移転した。なお、跡地はのちに仙台トラストシティとして再開発された。

現在の校舎は東京ドーム約2個分の敷地面積に、冷暖房完備の校舎・礼拝堂、屋内練習場付きの野球場、人工芝のサッカー場、全天候型陸上競技トラック、テニスコートなどがある。一方で交通に関しては仙台駅から仙石線で約10分の小鶴新田駅からさらに徒歩10分ほどの距離となった。

男女共学化

編集

宮城県内で最後まで残っていた男子校だったが、少子化により生徒数の確保が難しくなり定員割れが続いたことから、2020年10月22日の理事会で2022年4月から男女共学に移行することが決定された[1]。詰襟の学ランが制服だったが、制服についても2021年春から廃止となる(新入生については制服を廃止、在校生については制服か私服かを選択可能とする)[1]

コース制

編集

設置コース

編集
  • 中学校
    • 特別選抜コース
    • 総合コース
  • 高等学校
    • 特別選抜コース
    • 特別進学コース
    • TG総合進学コース(高校1年次のみ存在)
    • 総合進学コース(高校2年次より)
    • TGコース(高校2年次より)

高等学校における現在のコース制

編集

特別選抜コース・特別進学コース(通称:特選進)

編集

特別選抜コースとは主に中学入学生のみで編成された難関大学進学を目標とするコースである。また、特別進学コースという高校入学生によって大部分が編成されるコースも存在する。この両コースはカリキュラムの相似や授業を共に受ける機会があることなどから「特選進」とも呼ばれている。両コースともに在籍者に対しては指定校・協定校推薦や東北学院大学への推薦をしない[3]

東北学院高校では首都圏中高一貫校のような6年カリキュラムを組まないといわれているが、中学入学生によって編成される特別選抜コースに限り中学過程で一部の教科(主に数学英語)で中学時に高校範囲の一部を学習する。そのようなカリキュラムに追いつかせるために高校入学生によって編成される特別進学コースは一年次における数学や英語授業のスピード化が図られることもある。例として授業だけではなく後述する講習にてカリキュラムを完結させる場合などが挙げられる[3]

特選進では他コースに比べて生徒の拘束時間が長いという特徴がある。平日は基本的に毎日7時間授業(総合進学コース・TG進学コース・TG総合進学コースは6校時限の日が存在する)あり、7時間目終了後に放課後講習というものが存在する。講習は毎日16:40から18:00まで行われており、行われる教科は主に英語・数学・国語の三科目であるが、授業や講習の振り返りを行うための自習時間を設けることもある。部活動は禁止されていないものの、講習に参加せずに部活動んい参加することは原則禁止とされているため、部活動に所属していても平日の活動の大半には参加できない。

TG総合進学コース

編集

1年次のみ存在するコース。2年進級時にコース選択があり、在籍生徒は後述する総合進学コースまたはTGコースへ進むことになる。尚、一定の成績をおさめた上でカリキュラムを合わせるための特別講習を受講した場合には特別進学コースへの編入を許可される場合もある。[3]

総合進学コース

編集

2年時のコース選択時において選択肢の一つとなるコース。文武両道を掲げるコースであり、在籍する生徒は部活動に取り組みながら主に指定校・協定校推薦を利用した私立大学への進学を希望する生徒や国公立大学への進学を希望する生徒が大半を占めている。尚、東北学院高校において指定校推薦の条件の一つがこのコースに在籍していることである。[3]

TGコース

編集

2年時のコース選択時において選択肢の一つとなるコース。総合進学コース同様こちらも文武両道を掲げており、部活動に取り組みながら東北学院大学への進学を希望する生徒が多く在籍する。所謂エスカレーター制のコースであり、例年は東北学院大学への進学を希望生徒全員が推薦・入学している。しかし、東北学院推薦には評定と一定の条件(主に英語外部試験における資格の取得)が課せられている。[3]

旧コース制

編集

ここでは、上記のコース制を導入する前の旧コース制について説明する。

1993年度まで高校1年生のクラスは中学からの内部進学者、高校からの入学者を混合したクラスであったが、1994年度以降高1のクラスは中学からの内部進学者と高校からの入学者を分けてクラス編成にするようになった。しかし、これは高校からの入学者を中学内部進学者に追いつかせたり、6年一貫のカリキュラムに合わせるための区別ではない。

高1では自然学級であるが、高2で文Iコース(私立大学文系、主に東北学院大学文系への推薦進学クラス。いわゆるエスカレーター進学を目指すコース。)、文IIコース(国公立・私立大学文系への受験を目指すクラス)、理コース(国公立・私立大学理系への受験を目指すクラス)にそれぞれの進学目標や成績によってクラスが分けられる。高3では、文系クラスは変わらないが、理コースが理I(私立大理系、主に東北学院大学工学部への推薦進学クラス。いわゆるエスカレーター進学を目指すクラス)、理II(国公立・私立大学理系への受験を目指すクラス)に分かれる。高2以降の推薦クラス(エスカレーター進学クラス)と受験クラスでは当然、教育内容が異なる。高2以降は中学内部進学者・高校からの入学者で混合クラスとなり、両者の違いで区別されたクラス編成とはならない。

東京都の国立・私立中高一貫校のように、6年で学ぶ内容を5年で終わらせ、残り1年を受験勉強や進路選択の考慮などにあてるといった教育カリキュラムの中高一貫校ではなく、むしろ中学、高校の教育は一般の公立中学・高校と同じように独立に近い。教育カリキュラムの実体は6年一貫ではなく、そのため、高校からの入学者を自校の6年一貫の教育内容に追いつかせたり、合わせたりするための特別な教育カリキュラムは必要なく、そのようなカリキュラムは存在しない。本校の中高一貫の実態は教育内容が6年一貫ということではなく、内部進学者は高校への入学試験がなくエスカレーター式進学ができるため、中学・高校を同じ学校で学ぶことができるといった程度である。高1段階での中学内部進学者と高校からの入学者のクラス編成の区別は別目的であり、教育内容が中学内部進学者クラスと高校からの入学者のクラスで異なるわけではない。

なお、進学せずに就職する生徒は無に等しい。

中学校の志願者減少に対処し定員を確保するため、2015年度から入試科目を現在の4教科(国語・算数・社会・理科)から2教科(国語・算数)に減らすことになっている。(2013年6月27日 教員会議決定)

文一、理一コースのものは系列の東北学院大学への進学が主となるが、成績優秀者は首都圏の私大などへの指定校推薦での入学も可能である。文二、理二コースの進学実績は国公立大に関しては100人程度、旧帝大である東北大には平均11人程度進学する[4][5]。しかし、東大京大、旧帝大レベルへの進学者はほんの一握りであり、本校の卒業生のうち7割以上の者は下位・中堅大学へ進学する[4][5][6]。 1990年代中頃には東北大学に現役・浪人合わせて45名代の合格者を輩出したこともあったが、2015年3月の東北大学合格者は9名(うち現役は6名)にまで減少している。 また、受験指導としての主力として放課後又は朝に受験科目の演習を行う講習が設置されている。

部活動

編集

部活動は所属自由である。文化部と運動部があり、各1つずつ兼部することが可能である。(生徒手帳には兼部可と書いてあるが、実際はほぼ不可能)

  • 文化部
    • 科学部(天文班・生物班・園芸班に分かれる)
    • 囲碁・将棋部
    • 写真部
    • 吹奏楽部
    • 音楽部
    • 軽音楽部
    • 美術部
    • 歴史部
    • 放送部
    • 英語部
    • ディベート部
    • 鉄道研究会(2024度から鉄道研究部)
  • 運動部
    • 軟式野球部
    • 硬式野球部
    • ソフトテニス部
    • 硬式テニス部
    • サッカー部
    • ラグビー部
    • バレーボール部
    • スキー部(2024年度末で活動停止)[7]
    • バスケットボール部
    • 陸上競技部
    • 水泳部
    • バドミントン部
    • 空手道部
    • 卓球部
    • 山岳部
    • 剣道部
    • 弓道部
    • 柔道部
    • 体操部(2025年度末で活動停止)[7]
  • 青年会
    • キリスト教青年会

沿革

編集
 
中学部赤レンガ校舎

交通アクセス

編集

著名な卒業生

編集

縁のある人物

編集

脚注

編集
  1. ^ a b c 東北学院中・高、少子化で共学へ 「自然な流れ」制服廃止も”. 河北新報. 2020年10月26日閲覧。
  2. ^ a b c 東北学院宗教センター・編「キリスト教活動のしおり」、2021年4月1日発行。
  3. ^ a b c d e 東北学院中学校・高等学校”. www.jhs.tohoku-gakuin.ac.jp. 2024年6月14日閲覧。
  4. ^ a b 東北学院中学・高等学校HP進学実績
  5. ^ a b 東北学院中学・高等学校HP大学合格状況
  6. ^ 東北学院中学・高等学校HP生徒数
  7. ^ a b 生徒会・部活動|東北学院中学校・高等学校”. www.jhs.tohoku-gakuin.ac.jp. 2021年7月29日閲覧。
  8. ^ 猛攻12得点、東北学院初Ⅴ 高校野球宮城大会”. 河北新報オンラインニュース (2021年7月24日). 2021年7月30日閲覧。
  9. ^ 交通アクセス|東北学院中学校・高等学校”. www.jhs.tohoku-gakuin.ac.jp. 2020年2月19日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集