村上知行
略歴
編集福岡県博多生まれ[1]。幼少時に父親と死別[1]。商家の店員となるが、13歳の時、病気のため右脚を切断[1]。九州日報記者、旅回りの新派劇団の座付き作者などを務めながら、独学で中国語を学ぶ[1]。
1928年上海に渡る。1930年から北京に住み、中国に関する評論やルポルタージュを刊行。一時期読売新聞特派員を務めたが、1937年の盧溝橋事件を機に辞職[1]。日本の戦争政策への協力を拒否し、著作を通して反戦の立場を示した[1]。
1946年5月に妻子とともに日本へ引き揚げ[1]。戦後は四大奇書を中心に翻訳、抄訳を行い、佐藤 春夫名義での翻訳も行った。
著書
編集翻訳
編集- 『三国志物語』(中央公論社) 1939
- 『魔法の壺』(プースンリン、光文社、少年文庫) 1947
- 『聊斎志異』(蒲松齢、東西出版社、もだん・らいぶらりい) 1949
- 『剪灯新話 美女と妖鬼の譚 全訳』(瞿佑、中央公論社) 1954
- 『水滸伝 新中国定本普及版』全9巻(修道社) 1955 - 1956、のち角川書店、現代教養文庫 - 七十回本の翻訳
- 『私たちの東洋古典文学選』(三十書房、少年少女名作ライブラリー) 1957
- 『新三国志物語』第1巻(抄訳、河出書房) 1957
- 『歴史』(韓雪野、くろしお出版) 1960
- 『ある母の回想 わたしの一家』(欧陽陶承、理論社) 1961
- 『三国志』(羅貫中、講談社、少年少女世界名作全集) 1963
- 『肉蒲団(ろうぷうとあん) 中国奇書』(日本文芸社) 1963
- 『三国志』全3巻(河出書房) 1968、のち全5巻:角川書店、現代教養文庫、光文社文庫、角川文庫
- 『金瓶梅』全4巻(抄訳、角川書店) 1973 - 1974、のち現代教養文庫、ちくま文庫
- 『西遊記』全3冊(編訳、呉承恩、社会思想社、現代教養文庫) 1976 - 1977、のち光文社文庫