本田 喜代治(ほんだ きよじ、1896年10月15日 - 1972年10月22日)は、日本社会学者

兵庫県揖保郡旭陽村高田(現姫路市網干区高田)生まれ。兵庫県立第一神戸中学校第三高等学校一部丁類卒業。1918年東京帝国大学文学部文学科(フランス文学専攻)に入学するが、一年で社会学科に転科し、1922年卒業。卒業論文は『犯罪と刑罰』。1924年法政大学予科講師。文部省、司法省嘱託。1932年大阪高等学校教授。1933年反軍国主義的言動を理由に大阪高等学校を辞職させられる[1]1946年立教大学講師のち教授、1949年名古屋大学文学部教授、文学部長、1960年法政大学社会学部教授、1967年和光大学教授。

著書

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単著

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  • コント研究 その生涯と学説』(芝書店 1935年
  • 『フランス学派中心哲学及び社会学研究』泰山房 1937
  • 『フランス革命史』小石川書房 1948 のち法政大学出版局 
  • 『近代フランス社会思想の成立』日本評論社 1949
  • 『社会思想史 あるいは思想の社会史』培風館 1951
  • 『新しい人間像の探求 ヒウマニズムの歴史的理解をとおして』培風館 1955 黎明叢書
  • 『社会学入門―史的唯物論による基礎づけ』(培風館, 1958年
  • 『社会学史入門―社会史的考察』(培風館 1962年
  • 『本田喜代治フランス社会思想研究』全3巻 法政大学出版局 1968-70 
  • 旃陀羅の子―ある心の遍歴』(法政大学出版局 1970年
  • 『科学的認識へのあゆみ 社会学とわたし』新日本選書 1973

 

共著

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共編

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翻訳

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  • セー・ブーグレ『平等思想の社会学的考察 附録・分業論』木村健助共訳 叢文閣 1927
  • ブーグレ『社会学入門』牧野巽共訳 刀江書院 1929
  • ジャン・ジャック・ルソー『人間不平等起原論』岩波文庫 1933(のち平岡昇共訳) 
  • ディドロオ『ラモオの甥』芝書店 1935 のち岩波文庫(のち平岡昇共訳)   
  • 『バルザツク全集 セラフィタ』辰野隆共訳 河出書房 1935(のち弘文堂・世界文庫)
  • モリス・バレス『コレット・ボドッシュ』白水社 1940 
  • ガストン・セレル『独仏関係一千年史』白水社 1941 
  • ベルナール・ファイ『アメリカ文明の批判』筑摩書房 1943
  • ジョン・デュウィ『單一世界社會への道』綜合アメリカ研究所 1947 アメリカ研究叢書
  • 『先駆者の言葉 ルッソー珠玉集』訳編 小石川書房 1948
  • ジョルジュ・コニヨ『民族問題 プロレタリヤ国際主義とブルジョワ世界主義』大月書店 1952
  • アンリ・ルフェーヴル『弁証法的唯物論』新評論社 1953
  • 『アジア的生産様式の問題』編訳 岩波書店 1966

その他

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  • 『日々の糧』(本田喜代治追悼文集刊行会, 1973年
  • 芥川集一「本田喜代治先生を偲ぶ」『社会学評論』第24巻第3号、(1973年、通巻95号)

論文

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  • 「社会意識に関する学説」『我等』第4巻 8号 1922
  • 「酒精飯用の社会心理」『我等』第4巻 10号 1922
  • 「犯罪現象の精神分析」『我等』第5巻 5号 1923
  • 「社会的事実の精神分析的説明に就て」『我等』第8巻 1号 1926
  • 「心理学の新しい方向に就て」『思想』第143号 - 147号 1934
  • 「実証哲学に於ける心理学の位置」『(年報) 社会学』第2輯 1934

脚注

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  1. ^ 大泉溥 編『日本心理学者事典』クレス出版、2003年、970頁。ISBN 4-87733-171-9