本川公衆便所

日本の広島県広島市にある便所、被爆建物

本川公衆便所(ほんかわこうしゅうべんじょ)は、広島県広島市中区土橋町にある便所。現存する被爆建物の一つであり、便所としては唯一、被爆建物リスト入りしている[1]旧太田川(本川)沿いにあり広島平和記念公園の対岸に位置する。

2019年
被爆後。米軍撮影。

概要

編集

建築年、施工者ともに不明[2]。鉄筋造11.57m2 [2]爆心地から約480mに位置した[3]

原爆の絵に、被災した裸姿の子どもたちが手洗い場を求めて集まり、水を飲んで亡くなったという記録がある[4]

1965年には市が所有していた記録が残る[2]。そもそも、この便所は被爆建物であると認識されていなかった[2]。2015年、市民団体が米軍が撮影した映像の中に似た建物があることに気づき調査を開始し確定、広島市に被爆建物登録を要請した[2]。同年12月、市は被爆建物に登録した[3]

国土交通省は高潮・洪水対策のため、太田川水系の河川整備計画を2011年に策定し、一部で着工もしているが、この付近の護岸は工期や工事概要は定まっていない(2017年9月時点)。工事の影響について国土交通省太田川河川事務所は「影響は設計してみないとわからない」としたうえで、移設や一時移動を管理者に求める可能性もあることを2017年9月にコメントしている[5]

ギャラリー

編集

脚注

編集
  1. ^ 被爆建物リスト”. 広島市. 2018年12月12日閲覧。
  2. ^ a b c d e 本川西岸 被爆トイレか 管理の市、登録へ調査 市民有志の会が突き止め 広島市中区”. 中国新聞 (2015年7月14日). 2018年12月12日閲覧。
  3. ^ a b 本川西岸トイレを被爆建物に登録 広島市中区”. 中国新聞 (2015年11月24日). 2018年12月12日閲覧。
  4. ^ [被爆建物を歩く] 本川公衆便所(広島市中区) 市民調査で特定 近年リスト入り”. 中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター. 2023年7月18日閲覧。
  5. ^ 広島市街地 堤防計画区域に30基 護岸の原爆慰霊碑 岐路 移設迫られる可能性”. 中国新聞 (2017年9月4日). 2018年12月12日閲覧。

関連項目

編集

座標: 北緯34度23分35秒 東経132度26分59秒 / 北緯34.39314度 東経132.44964度 / 34.39314; 132.44964