朝鮮総督府鉄道マテニ形蒸気機関車
朝鮮総督府鉄道マテニ形蒸気機関車は、かつて日本統治時代の朝鮮で朝鮮総督府鉄道が使用した旅客用テンダー式蒸気機関車である。形式称号の「マテニ」とは、ホワイト式車輪配置4-8-2(日本式2D1、アメリカ式「マウンテン」)の第2形式であることを意味する。
戦時中に旅客輸送が急増した京元線・咸鏡線の勾配線区で用いるため製造された。これらの線区ではテホでは力が足りず、従前貨物用のミカサが旅客用にも用いられていた。北部朝鮮で用いられるために密閉キャブとなっている。また京釜線の普通列車でも用いられた。
1943年から1945年にかけて川崎重工業で33両が製造されたとされるが、下記「鉄道ジャーナル」では終戦時点で20両在籍としている。南北分断後の正確な両数は不明である。朝鮮戦争末期、中国軍の攻勢によって南へ退却する国連軍とともに南下してきたマテニ23号が、長湍駅構内で戦闘に巻き込まれて破壊されその後も長らく放置されていた。この車両は現在屋根が架けられて臨津閣に展示されている。 北朝鮮では2003年まで現役で走っていたことが確認されている
主要諸元
編集- 車輪配列 : 2D1(4-8-2)
- 使用圧力 : 14.0kg/cm2
- 最大気筒牽引力 : 20010kg
- 機関車重量(運転整備時) : 112.82t
- 最大長 : 23,422mm
- 最大高 : 4,600mm
- 動輪直径 : 1,520mm
- 許容最高速度 : 90km/h
参考文献
編集- 鉄道記録映画社『鉄道ジャーナル』1969年8月号 No.25 特集 : 韓国の鉄道