朝霞少女監禁事件
朝霞少女監禁事件(あさかしょうじょかんきんじけん)は、千葉大学に通う大学生によって少女が誘拐され2年間に渡って監禁されていた事件。
概要
編集行方不明と捜索
編集2014年3月10日に朝霞市立朝霞第三中学校に通う当時13歳の中学1年生の少女(2001年1月15日生まれ[1])が行方不明となる。自宅には探さないでと書かれたメモが残されていた。それから10日後には、迷惑をかけてごめんなさいと書かれた手紙が自宅に届けられた。行方不明の前には自宅前で若い男と話す姿が目撃されていた[2]。
行方不明から丸1年を迎える2015年3月15日には、埼玉県警察は北朝霞駅と志木駅と上尾駅で警察官が8000枚のチラシを配布して情報提供を呼びかけた。これには行方不明になった少女の父親も参加した。このときの父親は一年も捜索活動が続くとは思っていなかった[3]。
発見と保護
編集少女は2016年3月27日に警視庁に保護される。少女はそれまで男に監禁されており、男が長時間いなくなりそうな日に隙を見て逃げ出してきていた。少女は東中野駅の公衆電話から母親に助けを求める電話をかけて、そこで母親は110番通報するように伝えて自らも通報した。それから駆けつけてきた警察官に保護された[4]。
翌3月28日、男は静岡県伊東市で「死のうと思ったが死に切れなかった、警察を呼んでほしい」と通りがかりの新聞配達員に救助を求めた[5]。発見されたときの男は全身血だらけで、首をカッターナイフで切り自殺を図っていた[6]。埼玉県警察は未成年誘拐の疑いで指名手配していた男の身柄を確保した[6]。
その男は同年3月に千葉大学を卒業して就職先も決まっていたが[6]、3月29日千葉大学は男の卒業を取り消した[注釈 1][8]。
裁判
編集2016年9月26日にこの事件の初公判がさいたま地方裁判所で開かれる。そこでは少女には誘拐から約1ヵ月後に逃げ出したものの、助けを求めた人々には話を聞いてもらえずに男の部屋に戻っていたと語られた[9]。
2017年8月29日に判決公判が開かれた。そこでは男は奇声をあげながら入廷して、質問に対して実際とは違った返答をしたり、日本語が分からないなどと答えた。このことから裁判長は言い渡しの延期を宣言した[10]。2018年3月12日にさいたま地方裁判所で延期をされた判決公判が開かれ、懲役9年が言い渡された[11]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “14歳になった○○○○さんは今どこに…テレビ大捜索SP”. 産経新聞 (産経新聞社). (2015年1月15日). オリジナルの2021年10月25日時点におけるアーカイブ。 2021年10月25日閲覧。
- ^ “埼玉の女子中学生、3月から不明 捜す両親に支援の輪”. 日本経済新聞. 共同通信社 (日本経済新聞社). (2014年9月6日) 2021年6月7日閲覧。
- ^ “朝霞中2女子、行方不明から1年 駅で情報提供呼びかけ”. 埼玉新聞 (埼玉新聞社). (2015年1月15日). オリジナルの2015年4月13日時点におけるアーカイブ。 2021年11月3日閲覧。
- ^ “【埼玉朝霞市】不明少女を2年ぶりに無事保護も警察には”厳しい意見””. デイリーニュースオンライン (メディアシンク). (2016年3月26日) 2021年6月7日閲覧。
- ^ “千葉大生が女子中学生を2年間監禁… ムショ仲間が語る「○○○○」受刑者の異常性”. デイリー新潮 (2021年6月7日). 2022年7月22日閲覧。
- ^ a b c “【埼玉失踪少女保護】15歳少女誘拐容疑の男、身柄確保 全身血だらけ「自殺しようとした」”. 産経新聞 (産経新聞社). (2016年3月29日) 2021年6月7日閲覧。
- ^ “女子中生誘拐事件で千葉大生を襲い始めた「風評被害」 大学は○○容疑者の卒業「留保」を決めた”. J-CAST ニュース (2016年3月31日). 2022年7月22日閲覧。
- ^ “千葉大卒業取り消し 事実上の留年、処分検討 埼玉少女誘拐容疑者”. 千葉日報 (千葉日報社). (2016年4月1日) 2021年6月7日閲覧。
- ^ “アサガオ種の薬で洗脳、少女は一時脱出も話聞いてもらえず絶望…被告の法廷で明かされた監禁の日々”. 産経新聞 (産経新聞社). (2016年9月27日) 2021年6月7日閲覧。
- ^ “「職業は森の妖精」「今なら、からあげクン増量」 被告が奇声上げ判決公判休廷→延期”. 産経新聞 (産経新聞社). (2016年9月27日) 2021年6月7日閲覧。
- ^ “朝霞の少女を2年監禁、被告に懲役9年判決 地裁”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2018年3月12日) 2021年6月7日閲覧。
- ^ “埼玉少女誘拐、2審は懲役12年「洗脳で心理的に拘束」”. 産経新聞 (産経新聞社). (2019年2月20日) 2021年6月7日閲覧。