朝日作曲賞(あさひさっきょくしょう、Asahi Composition Award for Chorus)は、朝日新聞社社団法人全日本合唱連盟が主催する1971年から開催されている作曲コンクール。(1971年〜1989年は「創作合唱曲公募」という名称) 新しい合唱曲の開発を目指すとともに、全日本合唱コンクール(朝日新聞社・社団法人全日本合唱連盟主催)で使用する課題曲の公募として開催されている。(課題曲に選出されるようになったのは1979年から)

朝日作曲賞
受賞対象無伴奏またはピアノ伴奏の合唱曲
日本
主催社団法人全日本合唱連盟
初回1979年
最新回2017年
公式サイトhttps://jcanet.or.jp/

概要

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募集作品は演奏時間10〜20分程度の合唱組曲(1979年〜1998年は4分程度の単曲)で、無伴奏またはピアノ伴奏の曲。尚、朝日作曲賞を受賞した組曲から選ばれた一曲が、翌年度の合唱名曲シリーズに掲載され、全日本合唱コンクール課題曲として用いられる。無伴奏またはピアノ伴奏に限定する理由は、全日本合唱コンクールにおいて主催者が用意する伴奏楽器がピアノ1台のみ(全日本合唱コンクール参加規程第8条)という事情による。

創作合唱曲公募受賞作品一覧

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回・年 曲  名 作 曲 者
1
1971
入賞 受賞作品無し
佳作 サトウハチローの詩による混声合唱曲」 瀬戸口重利
2
1972[1]
入賞 「潮風のうた」 平野淳一
佳作 「潮風のうた」 鶴田耕一
佳作 「潮風のうた」 水野勉
佳作 「潮風のうた」 田原碩
3
1973
入賞 「女声合唱のための三つのソネット」 加藤學
佳作 「三つの抒情女声合唱」 瀬戸口重利
4
1974
入賞 女声合唱組曲「早池峰の四季」 平野淳一
佳作 「ソナチネ№1」-女声合唱のために- 加藤學
5
1975
入賞 「わらべうた」-女声合唱とピアノの為に- 新実徳英
佳作 混声合唱組曲「在りし日に寄せて」 遠藤雅夫
佳作 「優しき歌」-女声合唱のために- 加藤學
佳作 やなせたかしの詩による女声合唱」 瀬戸口重利
佳作 混声合唱組曲「富岡多恵子の詩による4つの歌」 藤沢道雄
6
1976
入賞 合唱組曲「ぼくの日記から」 高山惇
佳作 「転調するラブソング」-無伴奏男声合唱のために- 遠藤雅夫
佳作 「荒野序章」 高山惇
7
1977
入賞 女声合唱曲「少年二題」 甲賀一宏
佳作 「ことばあそびうた」-無伴奏混声四部合唱のための- 高山惇
佳作 「ポプラの歌」 谷川健
8
1978
入賞 ルイス・キャロルによる「不思議な国の言葉たち」 藤沢道雄
佳作 「二つのバラード」 熊谷賢一
佳作 「百日紅」 中西秀樹
9
1979
入賞 「愛の日に」 平野正宏
佳作 混声合唱のための「ひとだまひとつ」 遠藤雅夫
10
1980
入賞 「憩らい -薊の好きな子に- 」 尾形敏幸
佳作 「大和行」 松岡貴史
11
1981
入賞 「女の子のマーチ」 瑞木薫
佳作 「ばっぷくどん」 近藤春恵
12
1982
入賞 「草に寝て…六月の或る日曜日に」 加藤學
佳作 「風に寄せて」 小林雅一
14
1983
入賞 「風のうたったうた その1」 石原真
佳作 「フルートの音に」 後藤丹
佳作 「冬が来ます」 平野聖子
14
1984
入賞 「しゃっくり」 瑞木薫
佳作 該当作品なし
15
1985
入賞 「朝に」 鈴木明美
佳作 「夏のおもいに」 山岸徹
16
1986
入賞 「風」 佐藤智睦
佳作 該当作品なし
17
1987
入賞 「うたひとつ」 村雲あや子
佳作 「名まえ」 秋間ゆう子
18
1988
入賞 「はる」 伴剛一
佳作 「虹とひとと」 加藤學
19
1989
入賞 枕草子による「春」 松崎泰治
佳作 「モビール」 信長貴富
佳作 「祝誕歌」 近藤直己

朝日作曲賞受賞作品一覧

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回・年 曲  名 作 曲 者 課 題 曲
1
1990
入賞 「八月」 菅原真理子
入賞 「イタリアの女が教えてくれたこと」 熊谷賢一
佳作 「月の光にあたえて」 林達也
2
1991
入賞 「おじいちゃんの詩」 来栖誠
入賞 「忘れもの」 石島正博
佳作 「冬陽の中で」 猪間道明
3
1992
入賞 「木馬」 山岸徹
入賞 「ばっぷくどん」[2] 小山順子
佳作 「まるい空」 山口哲人
4
1993
入賞 「火」 山口哲人
入賞 「走る子供」 松崎泰治
佳作 「蛇祭り行進」 矢内弘子
5
1994
入賞 「もし鳥だったなら」[3] 信長貴富
入賞 「ちっぽけな象がやってきた」 中島睦明
佳作 「斑雪」 信長貴富
6
1995
入賞 「春愁三首」 信長貴富
入賞 「風が吹き風が吹き」 藤井喬梓
佳作 「やさしく春は」 久行敏彦
7
1996
入賞 「子守唄」 草野次郎
入賞 「ゆあみする蛇」 鈴木明美
佳作 「夜の狐」 高山惇
8
1997
入賞 「雪」 古寺七重
入賞 「風のまち」 真島圭
佳作 「港」 大橋美智子
9
1998
入賞 「だるまさんがころんだ」より 長谷部雅彦
入賞 「Voice of the Air」 内野裕樹
佳作 「雨」 福島弘和
10
1999
入賞 男声合唱とピアノのための「うたうべき詩」 信長貴富 消息
佳作 無伴奏混声合唱のための「五つの「クリック」」 小林佳子
11
2000
入賞 混声合唱組曲「ふたたび私も…」 伴剛一 起てよお前は朽葉ではない
佳作 女声合唱組曲 立原道造による「十四行の歌」 山内雅弘
12
2001
入賞 混声合唱のための「五つの映像」 坂田雅弘 少年の頃
佳作 混声合唱組曲「野菜畑のソクラテス」 堀内貴晃
13
2002
入賞 受賞作品なし
佳作 無伴奏混声合唱のための「青空について」 森山至貴
14
2003
入賞 混声合唱とピアノのための組曲「風の満ちる日」 大橋美智子 遠くはるかな子守りうた
佳作 混声合唱組曲「街のしじまに」 川崎智徳
15
2004
入賞 混声合唱組曲「キリンの洗濯」 堀内貴晃 象の鼻
佳作 男声合唱組曲「ウショロ鰊漁師連祷歌」 加納明洋
16
2005
入賞 混声合唱組曲「子どもの肖像」 山内雅弘 いなくなる
佳作 混声合唱組曲「E=mc2 長谷部雅彦
17
2006
入賞 混声合唱のための「五つの母音の冒険」 長谷部雅彦 “U”:孤独の迷宮
佳作 女声合唱のための「紀伊の国のうた拍子」 石黒晶
18
2007
入賞 混声合唱とピアノのための組曲「鎮魂の賦 上田真樹 家居に
佳作 無伴奏混声合唱のための「たべもののうた?」 森山至貴
19
2008
入賞 混声合唱とピアノの為の組曲「百歳になって」 広瀬正憲 歩く
佳作 混声合唱とピアノのための組曲「夏の断崖」 田中達也
20
2009
入賞 混声合唱組曲「秋の瞳」 富士原裕章 こころの船出
佳作 男声合唱とピアノのための「どうぶつのうた?」 森山至貴
21
2010
入賞 女声合唱とピアノのための「夢のうちそと」 土田豊貴 けれども大地は……
佳作 混声合唱とピアノのための組曲「21世紀の人類に捧げる3つの歌」 後藤真希子
22
2011
入賞 混声合唱とピアノのための「さよなら、ロレンス」 森山至貴 受付
佳作 「ハウリングする思考」~男声合唱とピアノのための~ 仁平秋弘
23
2012
入賞 「幻想小曲集」(宮沢賢治の詩による) 旭井翔一 屈折率
佳作 女声合唱とピアノのための「水の物語」 池本詩穂
24
2013
入賞 混声合唱とピアノのための組曲「青い小径」 森田花央里
佳作 女声合唱とピアノのための「青春のうた」 面川倫一
25
2014
入賞 混声合唱組曲「ねむりのもりのはなし」 山下祐加 ねむりのもりのはなし
佳作 女声合唱組曲「あなたへの詩」 面川倫一
26
2015
入賞 混声合唱とピアノのための 印象 市原俊明 角を吹け
佳作 4 Compositions by Poetry of Rabindranath Tagore(タゴールの詩による四つの作品) 濱﨑晋
27
2016
入賞 混声合唱とピアノのための組曲「自戒」 面川倫一 まぶしい朝
佳作 混声合唱とピアノのための「ソナタ」~八木重吉の詩による~ 首藤健太郎
28
2017
入賞 混声合唱とピアノのための組曲「草の上」~測量船より~ 首藤健太郎
佳作 混声合唱組曲「死にたまふ母」 鈴木有理
29
2018
入賞 混声合唱とピアノのための組曲「甃のうへ」 川浦義広
佳作 大手拓次の詩による混声合唱のための「七色の薔薇」 西田直嗣
30
2019
入賞 混声合唱とピアノのための「4つの追憶の曲」 山口龍彦
佳作 混声合唱とピアノのための組曲「よひやみ」 五十嵐琴未
31
2020
入賞 混声合唱とピアノのための組曲「遠望」 根岸宏輔 智慧の湖
佳作 男声合唱とピアノのための組曲「わたしの生きざま」 屋嘉比芝光

脚注

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  1. ^ この年は、合唱組曲の歌詞が指定されていた。5篇から成る中村千栄子の「潮風のうた」は、全日本合唱連盟の依頼により作られたもの。数年後に多田武彦が混声合唱組曲として作曲。
  2. ^ 後にこれを元にした同名の男声合唱組曲が作られ、メロス楽譜から出版された。
  3. ^ 数年後に3曲を加えて混声合唱とピアノのための「もし鳥だったなら」とし、カワイ出版から刊行。

関連項目

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外部リンク

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