望月惇志
望月 惇志(もちづき あつし、1997年8月2日 - )は、神奈川県横浜市港南区出身の元プロ野球選手(投手)。右投右打。
2016年7月7日 ナゴヤ球場 | |
基本情報 | |
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国籍 | 日本 |
出身地 | 神奈川県横浜市港南区 |
生年月日 | 1997年8月2日(27歳) |
身長 体重 |
190 cm 93 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2015年 ドラフト4位 |
初出場 | 2016年10月1日 |
最終出場 | 2020年10月3日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
この表について
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経歴
編集プロ入り前
編集5歳で野球を始めると、横浜市立芹が谷小学校時代は「東芹が谷ジュニアフェニックス」に、横浜市立芹が谷中学校時代は「横浜南ボーイズ」にそれぞれ所属。
横浜創学館高校に進学すると、2年春からベンチ入り[1]。3年時にはストレートで最速148km/hを計測した[2]が、在学中には春夏とも甲子園大会へは出場できなかった[1]。1学年先輩に福田俊がいる。
2015年10月22日に行われたドラフト会議では、阪神タイガースから4位指名を受け[1]、契約金4000万円、年俸500万円(金額は推定)という条件で入団した。背番号は61[3]。
プロ入り後
編集2016年、春季キャンプから二軍で育成。6月9日にオリックス・バファローズとのウエスタン・リーグ公式戦(阪神鳴尾浜球場)で先発投手として実戦デビューを果たすと、5回無失点の好投でプロ初勝利を挙げるとともに、ストレートで151km/h(当時の自己最速記録)を計測[4]。同リーグ公式戦14試合の登板で、5勝3敗(1完投)、防御率3.84という成績を残した。9月30日にプロ入り後初の出場選手登録を果たすと、翌10月1日の対読売ジャイアンツ(巨人)戦(阪神甲子園球場)で、6点リードの9回表に4番手投手として一軍公式戦にデビュー。最初の対戦打者ギャレット・ジョーンズに投げ込んだストレートで、自己最速記録を153km/hにまで更新。結局、1回を無失点に抑え、福原忍の引退試合でもあったチームのレギュラーシーズン最終戦を継投による完封勝利で締めくくった[5]。シーズン終了後の秋季キャンプでは蓄積疲労によって右肘を負傷[6]。ノースローによる調整を余儀なくされた。
2017年、教育リーグ中にストレートで155km/hを計測したものの[7]、レギュラーシーズン開幕後の4月に腰痛を発症。長期にわたる療養を強いられ[6]、8月に実戦へ復帰すると、ウエスタン・リーグ公式戦で14試合に登板。5勝(1完投勝利)3敗、防御率3.84という成績を残した。一軍公式戦への登板機会はなかった。シーズン終了後に参加したフェニックスリーグでは155km/hを計測[7][8]。フェニックスリーグ終了後に秋季キャンプへ参加したが、再び腰痛を訴えたため[9]、12月19日に腰部ヘルニアの手術を受けた[10]。
2018年、前年に受けたヘルニア手術の影響で、春季キャンプから6月末までは、二軍での調整に専念していた[11]。7月3日の対中日ドラゴンズ戦(甲子園)8回表から2年ぶりの一軍公式戦登板を果たすと、5者連続奪三振を記録[12]。同リーグ選抜の一員として初出場した7月13日のフレッシュオールスターゲーム(はるか夢球場)では、9回表の救援登板で155km/hを2度計測し、イースタン・リーグ選抜の高卒新人クリーンアップ(清宮幸太郎・村上宗隆・安田尚憲)を三者凡退に抑えた[13]。後半戦は一軍の救援陣に定着。一軍公式戦全体では、37試合に登板して防御率4.20を記録したが、初勝利や初セーブを挙げるまでには至らなかった。シーズン終了後の秋季キャンプでは、才木浩人・浜地真澄とともにMVPへ選ばれた[14]。
2019年、プロ入り後初めて一軍の沖縄春季キャンプに参加すると、主に先発で実戦登板を重ねた[15]、オープン戦ではストレートで自己最速の159km/hを計測したものの、制球難を露呈した[16]ため、開幕一軍入りには至らなかった[17]。4月4日の対巨人戦(東京ドーム)に救援投手として一軍公式戦でのシーズン初登板をしたが、3回を投げて2被本塁打3失点という内容で、翌5日に出場選手登録を抹消された[18]。抹消後には、7月中旬の時点でウエスタン・リーグトップの防御率2.43を記録するなど先発で好投[17]。7月17日の対中日戦(豊橋市民球場)で一軍公式戦の先発マウンドを初めて経験[19]すると、先発と救援で併用されながら、8月22日の対DeNA戦(京セラドーム大阪)で一軍公式戦での初勝利を先発で記録した[20]。レギュラーシーズンでは一軍公式戦8試合の登板で1勝を挙げただけだったが、チームがシーズン3位で迎えたクライマックスシリーズ(CS)では、10月9日に巨人とのファイナルステージ第1戦(東京ドーム)で先発に抜擢された。1回裏に2者連続で本塁打を打たれるなど、2回5失点という内容で降板した末に黒星を喫したが、一軍監督の矢野燿大は「望月に(大一番での)経験を積ませられるなど、ある意味でチームにとって必要な負け」と前向きに評価した[21](その後チームはCSで敗退)。
2021年は、2017年以来4年ぶりに一軍登板はなく、二軍でも17試合の登板で0勝3敗、防御率9.25であった[22]。12月2日に自由契約となり[23]、12月10日に育成選手として再契約[24]。550万減となる推定年俸600万円となり[25]、背番号も124に変更された[25]。
2022年は、ウエスタン・リーグでの登板数は2試合のみに留まり[26]、9月8日には「右肩関節唇修復術」を受けた[27]。
2023年は、6月14日に術後初めてシート打撃に登板すると[28]、7月22日に行われた石川ミリオンスターズとの練習試合で実戦に復帰[29]。ウエスタン・リーグでは13試合に登板したが、0勝1敗、防御率8.74に終わり[30]、10月3日に戦力外通告を受けた[31]。その後、11月9日までに現役引退を決断した[32]。
現役引退後
編集選手としての特徴・人物
編集190cmの長身から繰り出す角度のある最速159km/h[15]のストレートが持ち味で、スライダー、スプリットを投げ分ける[34]が、変化球の精度と直球の質が安定していないこと[35]や、制球力とフィールディングが課題[36]となっている。
目標の選手は藤川球児で、ストレートの質と投球フォームを参考とし[37]、プロ入り後は藤川と同じくザナックスのグラブを使用[38]。高校時代には、自由研究のテーマに、藤川が投じるストレートの回転数を選んでいた[36]。
2021年1月13日、一般女性と結婚[42]。
詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016 | 阪神 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 4 | 1.0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 | 1.00 |
2018 | 37 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 190 | 44.0 | 46 | 7 | 17 | 0 | 2 | 40 | 2 | 0 | 24 | 21 | 4.30 | 1.43 | |
2019 | 8 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 142 | 31.1 | 33 | 4 | 16 | 2 | 3 | 26 | 3 | 0 | 15 | 14 | 4.02 | 1.56 | |
2020 | 16 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 81 | 19.0 | 18 | 2 | 8 | 0 | 0 | 18 | 3 | 0 | 11 | 11 | 5.21 | 1.37 | |
通算:4年 | 62 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 417 | 95.1 | 98 | 13 | 41 | 2 | 5 | 85 | 8 | 0 | 50 | 46 | 4.34 | 1.46 |
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2016 | 阪神 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- |
2018 | 37 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
2019 | 8 | 2 | 5 | 0 | 3 | 1.000 | |
2020 | 16 | 1 | 2 | 1 | 0 | .750 | |
通算 | 62 | 5 | 8 | 1 | 3 | .929 |
記録
編集- 初記録
- 初登板:2016年10月1日、対読売ジャイアンツ25回戦(阪神甲子園球場)、9回表に4番手で救援登板、1回無失点
- 初奪三振:同上、9回表にギャレットから空振り三振
- 初先発:2019年7月17日、対中日ドラゴンズ14回戦(豊橋市民球場)、5回4失点で勝敗付かず
- 初勝利・初先発勝利:2019年8月22日、対横浜DeNAベイスターズ21回戦(京セラドーム大阪)、6回無失点
背番号
編集- 61(2016年 - 2021年)
- 124(2022年 - 2023年)
登場曲
編集- 「One Thing」One Direction(2016年)
- 「ヒカレ」ゆず(2017年 - 2018年)
- 「ライオン(2018 New Ver.)」ベリーグッドマン(2019年 - 2020年)
- 「EndlessSky」平井大(2021年、2023年 - )
- 「Fanfare」Mr.Children(2022年)
脚注
編集出典
編集- ^ a b c 阪神ドラ4望月、甲子園V腕中日ドラ1小笠原に勝つ 日刊スポーツ 2015年12月6日閲覧
- ^ “火の玉”マニアや!阪神D4・望月、球児に弟子入り志願 サンケイスポーツ 2015年12月6日閲覧
- ^ 阪神のドラ1・高山は背番号「9」 デイリースポーツ 2015年12月7日閲覧
- ^ 自己最速151キロ!阪神D4・望月、5回0封で初先発初勝利 デイリースポーツ 2016年10月2日閲覧
- ^ 阪神ドラフト4位望月、プロ初登板153キロで巨人斬り日刊スポーツ 2016年10月2日閲覧
- ^ a b 望月、今季最長の4回投げた 度重なるケガを克服デイリースポーツ 2017年9月21日
- ^ a b 望月155キロ出た!4カ月ぶり登板で自己最速2キロ更新 デイリースポーツ 2017年3月8日
- ^ 阪神がフェニックスリーグ優勝無敗締め!望月、自己最速タイ155キロで4回0封 SANSPO.COM 2017年10月31日
- ^ 望月が帰阪 腰の張りを訴え… デイリースポーツ 2017年11月7日
- ^ 望月惇志選手手術終了について 阪神タイガース公式サイト 2017年12月21日閲覧
- ^ 阪神望月が二軍戦で好投、ヘルニアからの復活順調 日刊スポーツ 2018年4月3日22時11分
- ^ 阪神・望月 5連続K斬り 640日ぶり一軍登板、腰部手術から復活スポーツニッポン 2018年7月4日
- ^ 阪神望月“155キロ”でイ選抜クリーンアップ圧倒日刊スポーツ 2018年7月13日
- ^ 阪神矢野監督、若虎三銃士MVPで投手王国へ手応え 日刊スポーツ 2018年11月19日
- ^ a b 望月は4回7失点 ローテ入りアピールならず デイリースポーツonline 2019年3月8日
- ^ 阪神望月159キロも4回7失点 5四球ばらつきも 日刊スポーツ 2019年3月8日
- ^ a b 逆襲ローテ決定!阪神・矢野監督、望月に期待「メッセに帰ってくる場所を与えない活躍を」 SANSPO.COM 2019年7月13日
- ^ 阪神、浜地と望月が二軍落ち 守屋と尾仲が昇格 SANSPO.COM 2019年4月5日
- ^ プロ初先発の阪神望月は初勝利ならず「申し訳ない」 日刊スポーツ 2019年7月17日
- ^ 阪神4年目・望月がプロ初勝利 故障乗り越えつかんだ1勝「本当に感謝」 スポーツニッポン 2019年8月23日
- ^ 矢野監督、プロ1勝望月抜てき「経験積ませられる」 スポーツニッポン 2019年8月23日
- ^ “阪神の望月&川原が保留者名簿外れる 球団は育成契約を打診している模様”. デイリースポーツ online. 株式会社デイリースポーツ (2021年12月2日). 2021年12月3日閲覧。
- ^ “阪神望月惇志と川原陸 契約保留者名簿から外れ自由契約に 育成契約を提示”. 日刊スポーツ (2021年12月2日). 2021年12月15日閲覧。
- ^ “阪神 望月惇志と育成契約締結「1軍で活躍することだけ考えてオフ過ごす」”. 日刊スポーツ (2021年12月10日). 2021年12月15日閲覧。
- ^ a b “阪神・望月が育成契約で再出発「1軍で活躍するためにこのオフを過ごさないと」”. デイリースポーツ online (2021年12月10日). 2021年12月10日閲覧。
- ^ “2022年度 阪神タイガース 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2023年11月9日閲覧。
- ^ “【阪神】育成望月惇志「右肩関節唇修復術」8日手術、9日退院 全治は約3カ月ほど”. 日刊スポーツ. (2022年9月13日) 2023年11月9日閲覧。
- ^ “【鳴尾浜通信】復活目指す阪神・望月惇志 育成契約から右肩手術を経て剛球取り戻す!”. サンケイスポーツ. (2023年6月22日) 2023年11月9日閲覧。
- ^ “おかえり、モッチー! 望月惇志(阪神タイガース)がマウンドに帰ってきた”. Yahoo!ニュース. (2023年7月26日) 2023年11月9日閲覧。
- ^ “2023年度 阪神タイガース 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2023年11月9日閲覧。
- ^ “【阪神】育成の望月惇志が戦力外に「いろんな人に助けてもらった」18年には37登板”. 日刊スポーツ. (2023年10月3日) 2023年11月9日閲覧。
- ^ “阪神戦力外の望月 現役引退を決断「イメージしているボールが投げられなくなった」”. スポーツニッポン. (2023年11月10日) 2023年11月10日閲覧。
- ^ “【阪神】今オフ戦力外の望月惇志、来季アカデミーコーチ就任へ「学んできたこと伝えていけたら」”. 日刊スポーツ. (2023年12月19日) 2023年12月20日閲覧。
- ^ 阪神ドラフト4位望月がローテ浮上 藤浪以来高卒ルーキー日刊スポーツ 2016年10月2日閲覧
- ^ 阪神望月「能力上げないと」先発、中継ぎ二投流備え日刊スポーツ 2018年10月22日閲覧
- ^ a b “ローテーションの柱になるべき逸材!望月惇志に寄せる金本監督の期待”. Baseball Crix (2016年9月17日). 2018年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月18日閲覧。
- ^ 阪神4位望月 憧れ藤川球児の火の玉ストレート目標 日刊スポーツ 2015年10月23日
- ^ 阪神ドラ4望月、藤川球児“愛用グラブ”で勝負 日刊スポーツ 2015年12月31日
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2020年2月14日). “阪神・望月、153キロズバッ!矢野監督絶賛「モッチーすごくいい」”. サンスポ. 2022年3月31日閲覧。
- ^ “藤川球児さん、阪神の後輩・望月の結婚を祝福「モッチー!! おめでとう」 自主トレ仲間にもエール:中日スポーツ・東京中日スポーツ”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2022年3月31日閲覧。
- ^ 阪神タイガース・望月惇志投手のルーキーイヤー 自己採点は30点 Yahoo! Japanニュース 2016年12月24日
- ^ "【阪神】望月惇志の結婚発表". スポーツ報知. 報知新聞社. 13 January 2021. 2021年1月13日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 個人年度別成績 望月惇志 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 望月惇志 (@a.mochizuki61) - Instagram