普久原恒勇

日本の作曲家 (1932-2022)

普久原 恒勇(ふくはら つねお、1932年11月14日 - 2022年11月1日[1][2])は、日本作曲家音楽プロデューサー

普久原 恒勇ふくはら つねお
生誕 1932年11月14日
出身地 日本の旗 日本大阪府大阪市西淀川区
死没 (2022-11-01) 2022年11月1日(89歳没)[1]
日本の旗 日本沖縄県
ジャンル 沖縄民謡
職業 作曲家音楽プロデューサー
活動期間 1961年 - 2022年

戦後沖縄を代表する作曲家の一人で、普久原が生み出した名曲の数々は「普久原メロディー」と呼ばれ、沖縄県内外で親しまれている[3]。特に「芭蕉布」は沖縄県民歌とも称される[2]

略歴

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1932年(昭和7年)大阪西淀川で父・朝山、母・カメの間に生まれる。生後間もなく普久原朝喜の養子となる。1934年(昭和9年)弟で後に作詞家となる朝比呂志(本名・普久原朝弘)誕生。1935年(昭和10年)養母鉄子(朝喜の妻)が死去。1938年(昭和13年)実父母の暮らす沖縄へ渡り、越来国民学校に入学。その後、沖縄戦を経験する。1940年(昭和15年)朝喜が赤嶺京子と再婚。

1949年(昭和24年)再び大阪へ戻り、朝喜の経営するマルフクレコードを手伝う傍ら、クラシック音楽を学ぶ[2]1959年(昭和34年)沖縄へ帰郷。この際、朝喜から引き継いだマルフクレコードの拠点も沖縄に移し、沖縄民謡を主とした音楽プロデュースを始める。1961年(昭和36年)処女作「月眺み(ちちながみ)」を発表し、作曲活動を始める[4]1965年(昭和40年)RBCラジオの新番組「ホームソング」に参画し、「芭蕉布」を作曲[2]1968年(昭和43年)「沖縄歌謡詞集団」を結成し、「あたらしい沖縄のうた」運動を推進。

1975年(昭和50年)「沖縄の心をうたう若者たち」LP盤ビクター音楽産業KKより全国発売。1978年(昭和53年)「芭蕉布」がNHK名曲アルバムにて全国放送され、大反響を呼ぶ。1981年(昭和56年)琉球民族楽器を主とした詩曲民族音楽「響(とよむ)」を初演。この年、京子・朝喜が相次いで死去。1983年(昭和58年)琉球放送創立30周年記念「史劇・琉球戦国史」で音楽を担当。

1993年(平成5年)沖縄県文化功労表彰。1996年(平成8年)第18回琉球新報活動賞および島袋光裕芸術文化賞受賞。2000年(平成12年)第44回沖縄タイムス文化賞受賞。2003年(平成15年)第1回宮良長包音楽賞受賞。2007年(平成19年)マルフクレコード初期音源144曲を収録したCD12枚組「沖縄民謡大全集」を監修。同年、弟・朝比呂志死去。2018年(平成30年)キャンパスレコード代表取締役備瀬善勝(ビセカツ)と共に第5回JASRAC音楽文化賞受賞。

2022年(令和4年)11月1日、沖縄県沖縄市内の自宅で倒れているのが見つかり、病院に搬送されたが、大動脈狭窄症のため死去[2]。89歳没[1]

一族

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養父はマルフクレコードの創始者にして近代沖縄音楽の祖・普久原朝喜で、弟の朝弘(ちょうこう)は朝比呂志のペンネームで「ウーマクカマデー」や「ちんぬくじゅうしい」などのヒット曲を作詞した。また、息子にミュージシャンローリー(本名・普久原朝教)がいる。

主な作品

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普久原の作品は、クラシックやボサノバ、リズム&ブルースなど、様々な音楽要素を沖縄音楽に取り入れた点に特徴がある[2]。沖縄の民族楽器を用いた「響(とよむ)」「尚円」などの革新的な試みで沖縄民謡の世界を広げる試みも行っていた[2]

普久原が作曲したおもな作品を以下に挙げる。()内はそれぞれの歌の作詞者。

参考文献

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  • 磯田健一郎『芭蕉布―普久原恒勇が語る沖縄・島の音と光』、ボーダーインク、2009年
  • 大城學『沖縄新民謡の系譜』、ひるぎ社、1994年
  • 「芭蕉布・普久原恒勇の世界」公演パンフレット

脚注

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出典

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  1. ^ a b c “「芭蕉布」作曲、普久原恒勇さん死去 89歳 「娘ジントーヨー」など500曲 沖縄の心を歌に”. 琉球新報DIGITAL. 琉球新報社. (2022年11月2日). https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1609316.html 2022年11月2日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f g 普久原恒勇さん死去 「芭蕉布」手がけた戦後の沖縄を代表する作曲家:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年11月2日). 2024年1月5日閲覧。
  3. ^ 普久原 恒勇 | プロフィール”. ビクターエンタテインメント. ビクターエンタテインメント. 2024年1月5日閲覧。
  4. ^ 普久原恒勇さん死去 「芭蕉布」作曲”. 東京新聞 TOKYO Web. 東京新聞. 2024年1月5日閲覧。