晩産化
晩産化(ばんさんか)とは、子持ち女性における平均初産年齢(第1子出産年齢)があがること。女性フルタイムワーカー増加という社会の変化があり、主に既婚女性の初出産する年齢が高くなっていたこと、卵子老化といった妊娠適齢期の不認知が背景にある[1][2]。
概要
編集2009年の東京都による調査によると、30代後半で出産した人数が20代後半で出産した人数を上回っていた。全国の都道府県の多くで見られる出来事であり、約半数の都道府県は30代前半の方が20代後半よりも出生率が高くなっている。これは昔ならば高齢出産とされていたような「30歳以上での出産」が現代では激増したということである。晩産化が起きている要因としては、結婚の時期が遅い(晩婚化)、夫(特に若年男性)の収入が少なくてそれが子育てをするのには厳しい状態であったり、社会問題ともなっている保育所の不足や、女性は以前よりもフルタイムワークをする割合の高まっているなどといった様々な事柄が存在している[3]。
妊娠適齢期の認知普及による歯止め
編集日本では、晩産化や高齢出産の増加に伴って卵子の老化、妊娠適齢期、加齢由来の不妊症などが、マスコミで取り上げられるようになった[2]。そのため、妊娠の年齢由来のリミットについての認知度向上など、「望ましい第1子の出産年齢」には遅くても30代前半、出来れば20代という価値観普及のお陰で2014年には、それ以前まで右肩上がりを続けていた日本における「晩産化」には歯止めがかかった[1]。
世界ランキング
編集国際連合経済社会局の世界人口予測(World Population Prospects 2022)による初産の中央値年齢(2021年版)[4]。都市国家、小国家と自治領を除く。
国と領土 | 初産中央値 (歳) |
---|---|
韓国 | 32.5 |
アイルランド | 32.2 |
ルクセンブルク | 32.2 |
スペイン | 32.1 |
スイス | 32.0 |
イタリア | 32.0 |
リビア | 31.9 |
ギリシャ | 31.5 |
オランダ | 31.5 |
台湾 | 31.5 |
日本 | 31.4 |
デンマーク | 31.4 |
アラブ首長国連邦 | 31.4 |
アルジェリア | 31.4 |
ポルトガル | 31.4 |
オマーン | 31.4 |
オーストラリア | 31.2 |
ノルウェー | 31.2 |
スウェーデン | 31.2 |
ドイツ | 31.1 |
カナダ | 31.1 |
フィンランド | 31.0 |
チュニジア | 31.0 |
モナコ | 31.0 |
マレーシア | 31.0 |
オーストリア | 30.9 |
サウジアラビア | 30.9 |
ベルギー | 30.8 |
アイスランド | 30.7 |
ルワンダ | 30.7 |
イスラエル | 30.7 |
ブルンジ | 30.7 |
ニュージーランド | 30.6 |
フランス | 30.6 |
イギリス | 30.6 |
エストニア | 30.5 |
ブルネイ | 30.5 |
クロアチア | 30.4 |
トンガ | 30.4 |
ガンビア | 30.4 |
スロベニア | 30.4 |
モロッコ | 30.3 |
ジブラルタル | 30.2 |
カタール | 30.2 |
リトアニア | 30.1 |
セネガル | 30.1 |
チェコ | 30.1 |
西サハラ | 30.1 |
モンテネグロ | 30.0 |
コソボ | 30.0 |
ラトビア | 29.9 |
コンゴ民主共和国 | 29.9 |
モーリタニア | 29.9 |
バーレーン | 29.9 |
イエメン | 29.9 |
ミクロネシア連邦 | 29.8 |
モルディブ | 29.8 |
ハンガリー | 29.7 |
南スーダン | 29.7 |
ヨルダン | 29.6 |
ポーランド | 29.6 |
スーダン | 29.6 |
アメリカ | 29.6 |
ガーナ | 29.6 |
東ティモール | 29.6 |
エチオピア | 29.5 |
トケラウ | 29.5 |
ギニアビサウ | 29.5 |
クウェート | 29.5 |
ハイチ | 29.5 |
ナイジェリア | 29.5 |
セルビア | 29.5 |
アルバ | 29.5 |
スリランカ | 29.5 |
エリトリア | 29.5 |
レバノン | 29.4 |
サモア | 29.4 |
チリ | 29.4 |
パプアニューギニア | 29.4 |
シリア | 29.3 |
チャド | 29.3 |
ソマリア | 29.3 |
モンゴル | 29.2 |
ベナン | 29.1 |
ニジェール | 29.1 |
ナミビア | 29.1 |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | 29.1 |
トーゴ | 29.1 |
グレナダ | 29.0 |
トルコ | 29.0 |
ミャンマー | 29.0 |
マリ | 28.9 |
イラン | 28.9 |
ギニア | 28.9 |
コートジボワール | 28.9 |
アフガニスタン | 28.9 |
ブルキナファソ | 28.9 |
アルバニア | 28.9 |
アンゴラ | 28.9 |
コンゴ共和国 | 28.8 |
イラク | 28.8 |
中央アフリカ共和国 | 28.8 |
朝鮮民主主義人民共和国 | 28.8 |
スロバキア | 28.8 |
タンザニア | 28.8 |
中国 | 28.8 |
モーリシャス | 28.8 |
ウガンダ | 28.8 |
パレスチナ | 28.7 |
サントメ・プリンシペ | 28.7 |
ブータン | 28.7 |
アルゼンチン | 28.7 |
フィジー | 28.7 |
北マケドニア | 28.7 |
シエラレオネ | 28.7 |
カザフスタン | 28.7 |
ロシア | 28.7 |
バヌアツ | 28.7 |
フィリピン | 28.7 |
パキスタン | 28.6 |
インドネシア | 28.6 |
ベラルーシ | 28.6 |
パラオ | 28.6 |
ザンビア | 28.5 |
バハマ | 28.5 |
リベリア | 28.5 |
ケニア | 28.5 |
ガボン | 28.5 |
ボツワナ | 28.5 |
カメルーン | 28.4 |
ボリビア | 28.3 |
ペルー | 28.3 |
ウルグアイ | 28.3 |
モザンビーク | 28.2 |
ドミニカ国 | 28.1 |
ルーマニア | 28.1 |
ジョージア | 28.1 |
タイ | 28.1 |
ウクライナ | 28.0 |
キルギス | 28.0 |
スワジランド | 28.0 |
マラウイ | 28.0 |
マダガスカル | 28.0 |
パラグアイ | 27.9 |
ジンバブエ | 27.9 |
コスタリカ | 27.9 |
グアテマラ | 27.9 |
インド | 27.9 |
ジャマイカ | 27.9 |
レソト | 27.9 |
モルドバ | 27.9 |
バルバドス | 27.9 |
トルクメニスタン | 27.9 |
スリナム | 27.8 |
セーシェル | 27.7 |
エジプト | 27.7 |
トリニダード・トバゴ | 27.7 |
ブルガリア | 27.7 |
南アフリカ | 27.7 |
ブラジル | 27.7 |
セントクリストファー・ネイビス | 27.6 |
カーボベルデ | 27.6 |
カンボジア | 27.5 |
エクアドル | 27.4 |
ナウル | 27.4 |
ウズベキスタン | 27.4 |
ベトナム | 27.4 |
アルメニア | 27.3 |
ガイアナ | 27.2 |
ホンジュラス | 27.2 |
プエルトリコ | 27.1 |
エルサルバドル | 27.1 |
パナマ | 27.0 |
メキシコ | 27.0 |
コロンビア | 26.9 |
ラオス | 26.9 |
ドミニカ共和国 | 26.8 |
ニカラグア | 26.6 |
タジキスタン | 26.5 |
ベネズエラ | 26.3 |
キューバ | 26.1 |
ネパール | 25.8 |
アゼルバイジャン | 25.7 |
バングラデシュ | 25.7 |
脚注
編集- ^ a b “キャリアのために「早く産む」という選択、晩産化傾向ストップした日本社会の変化とは”. ダイヤモンド・オンライン (2024年5月11日). 2024年5月11日閲覧。
- ^ a b NHKスペシャル 産みたいのに 産めない~卵子老化の衝撃~
- ^ 晩産化とは?
- ^ “World Population Prospects - Population Division - United Nations”. population.un.org. 2023年12月12日閲覧。