次に A と B の系がなぜ上述のように言えるのかを、形式的な証明によって示す。証明するために、第二の定義(系が時不変であるとき、その系のブロックは任意の遅延について可換である)を利用する。
系 A:
- 遅延のある入力 を与えると、次のようになる。
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- ここで出力を のぶんだけ遅延させる。
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- であることは明らかであり、従ってこの系は時不変ではない。
系 B:
- 遅延のある入力 を与えると、次のようになる。
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- ここで出力を のぶんだけ遅延させる。
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- であることは明らかであり、従ってこの系は時不変である。他にも証明方法はあるが、これが最も容易である。
シフト作用素を と表す。ここで、 はベクトルの添え字群がシフトされるべき量である。例えば、"advance-by-1" 系
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は、ここでの抽象的記法では次のようになる。
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ここで、 は次の式で与えられる関数である。
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シフトされた出力となる系は次のようになる。
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従って は入力ベクトルを 1 だけ進める作用素である。
ここで、系を作用素 で表す。この系が時不変であるのは、この作用素とシフト作用素の間で交換法則が成り立つ場合である。すなわち、
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系の方程式が次のようであるとする。
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この系が時不変であるとは、系の作用素 を に適用してからシフト作用素 を適用した場合と、シフト作用素 を適用してから系の作用素 を適用した場合で、結果が等価となる場合である。
系の作用素を先に適用すると、次のようになる。
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シフト作用素を先に適用すると、次のようになる。
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従って、系が時不変なら次が成り立つ。
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