春の歌 (シベリウス)
概要
編集本作は元来、ニ長調の『管弦楽のための即興曲』として作曲されたものだった。シベリウスは1895年にこれをヘ長調へ移調してタイトルを付けなおし、「春の悲しみ」という副題を付すもののこの版は未出版のままとなる。その後、1902年の出版前の改訂で最終版としている[1]。
楽曲はシベリウス作品には珍しい楽観性を有している。曲の終わりにベル(グロッケン)が目立った使われ方をすることが知られている[2]。
楽器編成
編集フルート2(ピッコロ持ち替え2)、オーボエ2、クラリネット2(B♭)、ファゴット2、ホルン4(F)、トランペット3(F)、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、グロッケン(D♭ E♭ G♭)、弦五部[3]。
楽曲構成
編集弦楽器のピッツィカートに開始し、クラリネットが主題を奏でる(譜例)。
譜例
大きく盛り上がる中間部分を超えて主題が弦楽器で再現され、最後にベルの音が響くと肯定的な気分のうちに幕を下ろす。
脚注
編集- ^ Erik Tawaststjerna (19 April 2012). Sibelius Volume I: 1865-1905. Faber & Faber. pp. 142. ISBN 978-0-571-28717-8
- ^ Barnett, Andrew (2007). Sibelius. Yale University Press. p. 89. ISBN 9780300111590
- ^ Score, Sibelius: Vårsång (Frühlingslied), Breitkopf und Härtel, Leipzig, 1903
参考文献
編集- 楽譜 Sibelius: Vårsång (Frühlingslied), Breitkopf und Härtel, Leipzig, 1903
外部リンク
編集- 春の歌の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- 春の歌の楽譜 - ムジカ・カノルス(2020版) スコア及びパート譜 購入可能
- Johnston, Blair. 春の歌 - オールミュージック