春の戴冠』(はるのたいかん)は、辻邦生歴史小説イタリアルネサンス期を舞台にしている。新潮社の文芸誌『新潮』に1972年(昭和48年)から1976年(昭和51年)まで長期連載され、1977年(昭和52年)に同社から出版された。長らく品切の時期が続いたが、1990年代に入り再刊され、著者没後10年近くを経て文庫化された。

概要

編集

15世紀イタリア・ルネサンス期フィレンツェの栄耀と没落を、メディチ家と画家サンドロ・ボッティチェッリや、人文哲学者マルシリオ・フィチーノ、およびその弟子ピコ・デラ・ミランドラアンジェロ・ポリツィアーノ等の〈プラトン・アカデミー〉との関わりを軸に、パッツィ家との対立サヴォナローラの暗躍などを交えながら描く大作である。

刊行書誌

編集
  • 春の戴冠 (新潮社(上・下)、1977年)
  • 辻邦生歴史小説集成(7~10)(岩波書店、1993年)
  • 春の戴冠 (新潮社、1996年)
  • 辻邦生全集 9・10 春の戴冠 (新潮社、2004年)
  • 春の戴冠 (中公文庫(全4巻、2008年)- 文庫解説は小佐野重利