星界の戦旗
『星界の戦旗』(せいかいのせんき)は、森岡浩之による日本のSF(スペースオペラ)ライトノベル。イラスト担当は赤井孝美。ハヤカワ文庫(早川書房)より1996年12月から刊行されており、『星界の紋章』の続編となるシリーズである。メディアミックスとして2度のテレビアニメ化、OVA化、コミカライズ、ゲーム化もされている。
星界の戦旗 | |
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ジャンル | 冒険[1]、SF[1] |
小説 | |
著者 | 森岡浩之 |
イラスト | 赤井孝美 |
出版社 | 早川書房 |
レーベル | ハヤカワ文庫 |
刊行期間 | 1996年12月11日 - |
巻数 | 既刊6巻(2018年9月現在) |
漫画 | |
原作・原案など | 森岡浩之 |
作画 | 小野敏洋(第1巻) 宮越和草(第2巻) |
出版社 | メディアワークス |
レーベル | 電撃コミックス |
巻数 | 全2巻 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画 |
ポータル | 文学・漫画 |
3巻までは各巻完結であるが、4巻から5巻は一続きの話となっており、5巻で「第一部・完」となっている。第6巻から「第二部」が開始している。
作者によれば、「星界の××」と巧くはまるような二字熟語を思いつくまで『戦旗』のタイトルが続くらしい[要出典]。
あらすじ
「アーヴによる人類帝国」と「3ヵ国連合」との戦争は、当初こそ連合側に帝都ラクファカール目前まで攻め込まれたものの、時間をかけて既知人類史上最大の艦隊を整備した帝国側に有利に展開していた。
星界の戦旗I
戦役の発端となった人類統合体の先制攻撃は、双方に甚大な損害を出し、艦隊の再建に3年を必要とした。再編成を終えた星界軍は、人類統合体領打通作戦「幻炎」を発動した。新米艦長として新設の突撃艦「バースロイル」に乗り込んだラフィールは、同じく書記として乗り込んだジント(父の死により爵位を継いだ)と共に、戦いに身を投じて行く。2人の直属の上司アトスリュア百翔長は、3年前にラフィールが殺したフェブダーシュ男爵の妹であった。担当領域のアプティック門は前線を遠く離れ、予備艦隊が駐留していた。
星界の戦旗II
「幻炎」作戦は成功に終わり、引き続き殲滅戦「狩人」作戦が実行された。ただ、制圧星系が多すぎて、領主が足りなくなってしまった。そのため戦いの一方、狩人艦隊司令長官ビボース提督の気まぐれで、征服した惑星ロブナスIIの領主代行および領主副代行として赴いたラフィールとジントの2人であったが、そこは統合体の犯罪者強制収容所であった。ジントたちは、慣れないながら元人類統合体の刑務官たちと交渉するが、彼らの希望は他星系への移住だった。元々囚人たちの動向は不穏だったが、刑務官と女性囚の移送が最終段階に来た矢先、ついに刑務官たちが恐れていた反乱が起こり、ジントは囚われの身となってしまう。
星界の戦旗III
「狩人」作戦終了で戦況は一時膠着し、2人はジントの故郷にして3ヵ国連合から帝国が奪還したハイド伯国(旧:ハイド星系)へと向かうが、待っていたのはとても好意的とは言えぬ歓迎であった。一方、星界軍はいまだ帝国に帰順しないハイド星系における戦略級演習を企画する。そしてついに、ジントは育ての親にして現・ハイド星系首相ティル・コリントと再会する。
星界の戦旗IV
戦争は7年目に突入した。平面宇宙における人類統合体領を孤立させるべく、二方面から打通する「双棘」作戦が発動された。ラフィールたちは襲撃艦「フリーコヴ」に乗り込み、バルケー王国から天川門群中心円まで打通する作戦部隊に所属し、ラフィールの弟ドゥヒールはもう一方の、狩人作戦によって獲得した新領土から天川門群中心円まで打通する作戦部隊に所属して、戦列艦「カイソーフ」に乗り込み快進撃を続けた。一方、アーヴ帝国の皇帝ラマージュは、中立を宣言していたハニア連邦大使ティン・クイハンから密約の話を持ちかけられるが、これは帝国の命運を決しかねない重大なものであった。そして、星界軍が人類統合体のマイラル星系を制圧後、新作戦「雪晶」へ移行して、新領土方面艦隊が再編された。一方、ジントは第一蹂躙戦隊ごと帝都ラクファカールへ呼び戻され、一人帝宮へ召還された。
星界の戦旗V
4カ国連合軍の侵攻に対して帝都ラクファカール防衛が不可能と判断した皇帝ラマージュは、緊急遷都作戦「不死鳥」作戦を発動する。皇太子ドゥサーニュは不死鳥艦隊を率いて一路、臨時帝都となるバルケー王国のソトリュール鎮守府に向かう。帝都では避難の時間を稼ぐための帝都防衛団が召集され、上皇たちがその指揮官となっていた。ラマージュはラフィールに、帝国宝物・英雄芳名碑を臨時帝都に輸送せよと勅命を与えた後に、敵の侵攻をわずかでも遅らせるため近衛艦隊を率いて死地に赴く。一方、自部隊の孤立を確認したドゥヒールは、コトポニーからの命令書を携え雪晶第5艦隊司令部に出頭するのだった。
星界の戦旗VI
この節の加筆が望まれています。 |
ラクファカール陥落から10年。八王国のうち4王国を奪われた帝国は、ついに反撃に乗り出す。ラフィールは、新皇帝ドゥサーニュから霹靂作戦(クファゼート・ロドルショト)の実行を命じられ、人民主権星系連合体撃滅へ向かう。一方、孤立していた「第二方面艦隊」司令長官ドゥビュースのもと、ドゥヒールは艦隊司令長官として重責を担うこととなる。
登場人物
既刊一覧
小説
- 森岡浩之(著) / 赤井孝美(イラスト) 『星界の戦旗』 早川書房〈ハヤカワ文庫〉、既刊6巻(2018年9月5日現在)
- 「絆のかたち」1996年12月15日発行(12月11日発売[2])、ISBN 4-15-030573-0
- 「守るべきもの」1998年8月19日発売[3]、ISBN 4-15-030603-6
- 「家族の食卓」2001年3月23日発売[4]、ISBN 4-15-030660-5
- 「軋む時空」2004年12月25日発行(12月21日発売[5])、ISBN 4-15-030774-1
- 「宿命の調べ」2013年3月25日発行(3月22日発売[6])、ISBN 978-4-15-031106-3
- 「帝国の雷鳴」2018年9月15日発行(9月5日発売[7])、ISBN 978-4-15-031341-8
漫画
- 森岡浩之(原作) / 小野敏洋(第1巻作画) / 宮越和草(第2巻作画) 『星界の戦旗』 メディアワークス〈電撃コミックス〉、全2巻
- 「絆のかたち」2001年10月27日発売[8]、ISBN 4-8402-1983-4
- 「守るべきもの」2002年7月27日発売[9]、ISBN 4-8402-2168-5
関連書籍
特記のない限り編者は早川書房編集部。
- 『星界の戦旗読本』2001年7月31日初版発行、ISBN 4-15-208359-X
- 『星界の戦旗』に関するエッセイ、各種設定、短編小説(全て『星界の断章』の文庫本に収録された)などが載ったファンブック
アニメ
ラジオドラマ
エフエム大阪で放送後ネット配信され、さらにCDとしてもリリースされている[10]。最新話となる星界の戦旗IVは2006年に放送されたが、CD化はされていない。
キャスト
キャストは基本的にアニメ版と同じ。アニメと違う場合と、映像化されていないIVのオリジナルキャストは以下の通り。
放送リスト
# | タイトル |
---|---|
1 | 星界の戦旗 第I章〜幻炎艦隊〜 第1話 バースロイル |
2 | 星界の戦旗 第I章〜幻炎艦隊〜 第2話 初陣 |
3 | 星界の戦旗 第I章〜幻炎艦隊〜 第3話 弔いの晩餐 |
4 | 星界の戦旗 第II章〜戦場〜 第4話 決戦前夜 |
5 | 星界の戦旗 第II章〜戦場〜 第5話 防衛戦 |
6 | 星界の戦旗 第II章〜戦場〜 第6話 総員退避 |
7 | 星界の戦旗 第III章〜絆のかたち〜 第7話 帰還 |
8 | 星界の戦旗 第III章〜絆のかたち〜 第8話 降伏の儀式 |
9 | 星界の戦旗 第III章〜絆のかたち〜 第9話 新たな戦場へ |
10 | 星界の戦旗II 第I章〜流刑の星〜 第1話 ロブナス星域 |
11 | 星界の戦旗II 第I章〜流刑の星〜 第2話 移民計画 |
12 | 星界の戦旗II 第I章〜流刑の星〜 第3話 アーヴの地獄 |
13 | 星界の戦旗II 第II章〜守るべきもの〜 第4話 帝国の威信 |
14 | 星界の戦旗II 第II章〜守るべきもの〜 第5話 狩人の弓 |
15 | 星界の戦旗II 第II章〜守るべきもの〜 第6話 アブリアルの涙 |
16 | 星界の戦旗III 第1章〜帰郷〜 第1話 帰郷 |
17 | 星界の戦旗III 第1章〜帰郷〜 第2話 カリーク暴走 |
18 | 星界の戦旗III 第1章〜帰郷〜 第3話 出発の宴 |
19 | 星界の戦旗III 第1章〜帰郷〜 第4話 旧友 |
20 | 星界の戦旗III 第2章〜再会〜 第5話 デルクトゥー再訪 |
21 | 星界の戦旗III 第2章〜再会〜 第6話 紋章授与式 |
22 | 星界の戦旗III 第2章〜再会〜 第7話 ジントの決意 |
23 | 星界の戦旗III 第2章〜再会〜 第8話 軍機の壁 |
24 | 星界の戦旗III 第3章〜家族の食卓〜 第9話 ハイド門沖演習 |
25 | 星界の戦旗III 第3章〜家族の食卓〜 第10話 マーティンの誇り |
26 | 星界の戦旗III 第3章〜家族の食卓〜 第11話 決断 |
27 | 星界の戦旗III 第3章〜家族の食卓〜 第12話 家族の食卓 |
28 | 星界の戦旗IV 第1話 フリーコヴ初陣 |
29 | 星界の戦旗IV 第2話 ケマル門沖の戦い |
30 | 星界の戦旗IV 第3話 誘惑 |
31 | 星界の戦旗IV 第4話 堅陣(ソード・サータ) |
32 | 星界の戦旗IV 第5話 アブリアル |
33 | 星界の戦旗IV 第6話 勅封命令 |
34 | 星界の戦旗IV 第7話 新たなる伝統 |
35 | 星界の戦旗IV 第8話 湖畔にて |
36 | 星界の戦旗IV 第9話 静かなる氾濫 |
37 | 星界の戦旗IV 第10話 鋭き矢 |
38 | 星界の戦旗IV 第11話 マイラルの雪 |
39 | 星界の戦旗IV 第12話 軋む時空 |
ゲーム
脚注
- ^ a b 『このライトノベルがすごい!2006』宝島社、2005年12月10日、101頁。ISBN 4-7966-5012-1。
- ^ “星界の戦旗I 絆のかたち”. 早川書房. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “星界の戦旗II 守るべきもの”. 早川書房. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “星界の戦旗III 家族の食卓”. 早川書房. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “星界の戦旗IV 軋む時空”. 早川書房. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “星界の戦旗V 宿命の調べ”. 早川書房. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “星界の戦旗VI 帝国の雷鳴”. 早川書房. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “星界の戦旗 絆のかたち(漫画)”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “星界の戦旗II 守るべきもの(漫画)”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
- ^ FM大阪:FMサウンドシネマ 星界シリーズ