日本再興戦略(にほんさいこうせんりゃく)とは第2次安倍内閣による成長戦略2013年6月14日閣議決定した。2014年、2015年、2016年と改訂されている。

第2次安倍内閣

2020年日本経済再生本部廃止に伴い終了。

日本再興戦略 ―JAPAN is BACK―

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日本再興戦略 ―JAPAN is BACK―は、アベノミクスの「三本の矢」の「第三の矢」として日本経済再生本部によって名付けられた成長戦略[1]。産業競争力の向上を目的とし、以下の3つのアクションプランによって構成されている[1]

  • 日本産業再興プラン
    日本の産業再生と雇用創出を目指す。
    1. 緊急構造改革プログラム(産業の新陳代謝の促進)
    2. 雇用制度改革・人材力の強化
    3. 科学技術イノベーションの推進
    4. 世界最高水準のIT社会の実現
    5. 立地競争力の更なる強化
    6. 中小企業・小規模事業者の革新
  • 戦略市場創造プラン
    未来産業の育成を目指す。
    1. 国民の「健康寿命」の延伸
    2. クリーン・経済的なエネルギー需給の実現
    3. 安全・便利で経済的な次世代インフラの構築
    4. 世界を惹き付ける地域資源で稼ぐ地域社会の実現
  • 国際展開戦略
    日本経済の国際化発展を支援する。
    1. 戦略的な通商関係の構築と経済連携の推進
    2. 海外市場の獲得のための戦略的取組
    3. 我が国の成長を支える資金・人材等に関する基盤の整備

日本再興戦略改訂2014 ―未来への挑戦―

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2014年6月に閣議決定された[1]

2013年版の3つのアクションプランそれぞれのKPIが明示され、施策の進捗確認と新たに講ずべき具体策が提示された[1]

女性活躍推進電力自由化などが生まれ、コーポレート・ガバナンスの強化によって、民間企業に「稼ぐ力」を取り戻させようとう動きは、日本国外の投資家などから高く評価された[2]

日本再興戦略改訂2015 ―未来への投資・生産性革命―

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「未来投資による生産性革命」として以下の3つを目標に、具体的な施策が提言された[3]

  1. 「稼ぐ力」を高める企業行動を引き出す
  2. 新時代への挑戦を加速する
  3. 個人の潜在力の徹底的な磨上げ

施策は、生産性向上と地域活性化(ローカル・アベノミクス)の推進に大別される[4]

生産性の向上のための施策
地域活性化の施策

これまでの成長戦略においては、地域活性化のウェイトは全体の政策に占める割合は小さかったが、2015版では大幅に地域活性化の政策が増えている[4]。地域活性化の基本的な姿勢としては「集約」と「ネットワーク[要曖昧さ回避]」が掲げられているが、列挙された具体策については、限定的な効果しか持たないと思われるものが多いため、効果については疑問の声もある[4]

日本再興戦略改訂2016 ―第4次産業革命に向けて―

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前年までの政策誘導では不十分だったとし、将来像や中期目標から逆算して具体的改革のロードマップを策定した[5]

ニッポン一億総活躍プラン[5]
2016年6月2日に閣議決定された。働き方改革と生産性の向上に取り組むことを柱する。
非正規雇用労働者の待遇改善、最低賃金の引き上げ、高齢者雇用の促進、子育てや介護支援の充実といった政策が含まれ、以下のようなロードマップが策定されている。
  • 2025年度までに希望出生率1.8を達成
  • 2017年度末までに50万人分の保育受け皿整備
  • 2025年度までに介護離職0達成
  • 2020年代初頭までに介護施設50万人分整備
  • 2018年度までに『同一労働同一賃金』実現の指針策定

また、2017年度に予定していた消費増税を2年半先送りにすることも決定されたが、「2020年度に基礎的財政収支黒字化を目指す」目標はそのままであり、増税延期は目標達成の難易度を高めたと考えられる[6]

2018年2月に了承された2017年度報告書によれば、日本再興戦略2016で主要施策に設定された134目標のうち、60は目標年次への積み上げが順調に行われており、「2020年に訪日外国人旅行者を4000万人」にする目標のように2017年推計で2869万人と達成ペースを85万人上回ったようなものもある[7]。しかし、54の施策では目標達成ペースを下回っており、一例として「農業生産者が利用する農地の割合を2023年に8割」とする目標では、2016年度末の時点で54%(達成ペースは58%)、「転職率を2018年に9%」の目標は2016年は8%(達成ペースは8.9%)となっている[7]

関連項目

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出典

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  1. ^ a b c d 蘇顯揚, 魏聰哲 編『東アジア情勢の変動とアベノミクスの影響』國立臺灣大學出版中心、2015年、19-20頁。ISBN 9789863501213 
  2. ^ 磯山友幸 (2015年7月3日). “設備投資も官邸が指示? 安倍政権の成長戦略「改訂2015」”. 日経ビジネスONLINE. 2018年3月23日閲覧。
  3. ^ 伊藤隆敏 (2018年1月7日). “生産性を高められない日本の「盲点」”. フォーブス・ジャパン. 2018年3月23日閲覧。
  4. ^ a b c 溝端幹雄 (2015年8月21日). “「人材力」を活かした生産性向上を目指せ” (PDF). 大和総研. 2018年3月23日閲覧。
  5. ^ a b 安東泰志 (2016年6月3日). “「日本再興戦略2016」政策と潜在成長率向上の相関は?”. 日刊工業新聞. p. 1. 2018年3月28日閲覧。
  6. ^ 安東泰志 (2016年6月3日). “「日本再興戦略2016」政策と潜在成長率向上の相関は?”. 日刊工業新聞. p. 2. 2018年3月28日閲覧。
  7. ^ a b “4割に遅れ 未来投資会議が17年度報告書了承”. 毎日新聞. (2018年2月1日). https://mainichi.jp/articles/20180202/k00/00m/020/089000c 2018年3月28日閲覧。 

外部リンク

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