日月潭
日月潭(にちげつたん・じつげつたん[1][2])は、台湾南投県魚池郷に位置する湖。台湾で最も大きな湖である(ダム湖を除く)。湖の北側が太陽(日)の形、南側が月の形をしていることからこう呼ばれる。略称は明潭(みんたん、日と月の合字で明)。
日月潭 | |
---|---|
| |
所在地 | 台湾南投県 |
位置 | 北緯23度52分 東経120度55分 / 北緯23.867度 東経120.917度座標: 北緯23度52分 東経120度55分 / 北緯23.867度 東経120.917度 |
面積 | 7.93 km2 |
周囲長 | 37 km |
最大水深 | 27 m |
水面の標高 | 748 m |
淡水・汽水 | 淡水 |
プロジェクト 地形 |
日月潭 | |
---|---|
各種表記 | |
繁体字: | 日月潭 |
簡体字: | 日月潭 |
拼音: | Rìyuètán |
注音符号: | ㄖˋ ㄩㄝˋ ㄊㄢˊ |
発音: |
リーユエタン(北京語) ジッグァッタム(台湾語標準読み) リッグァッタム(台湾語慣用読み) |
台湾語白話字: | Ji̍t-goa̍t-thâm |
日本語漢音読み: | じつげつたん |
日本語慣用読み: | にちげつたん |
英文: | Sun Moon Lake |
地理
編集日本統治時代(1918年)に、当時台湾総督だった明石元二郎と高木友枝率いる台湾電力株式会社が水力発電所を建設するため、台湾で最も長い川である濁水渓から地下導水路で水を引く計画を立案。翌年台湾電力株式会社を設立し建設を開始するが、途中資金不足や関東大震災による影響などで計画は中断[3]。1928年に松木幹一郎が台湾電力社長に就任したことにより計画が再開され、1934年6月にダム湖と発電所が竣工した。結果、湖面の面積は4.55km²から7.73km²に拡大した。
この発電所は、戦後1948年7月に「大観水力発電所」となり、現在、発電量は台湾の水力発電全体の半分以上を占めている。
また日月潭周辺に住む、台湾原住民のサオ族(邵族)は、この湖をズィントゥン(Zintun[ðintun])と呼び、日月潭に浮かぶラル(拉魯)島はサオ族の祖霊が宿る場所(聖地)とされている。
1999年に起きた台湾大地震で島の面積が縮小し、月下老人の像が押し倒されるなど大きな被害が出たため現在復興工事が計画されている。
観光
編集日月潭は国家風景区に指定されており、人気の観光地となっている。日月潭から見る夕日は特に美しいと言われ、また「双潭秋月(日月潭で見る秋の月)」は台湾八景のひとつに数えられている。
湖の周りには8本の遊歩道があり、玄奘寺や文武廟や慈恩塔などのいろいろな名所を回ることができる。また、約39kmある周回道路は、サイクリングや貸しバイクによるツーリングに適している。
湖上には、遊覧船が運航されている。手こぎボートの貸し出しもあり、湖の上からも風景を楽しむことができる。湖岸東側にある中国青年救国団が運営する宿泊・会議施設「日月潭青年活動中心」付近から日月潭ロープウェイがテーマパークの九族文化村との間を結んでいる。
また、台湾ではめずらしい魚が多数生息しているため釣り場としても有名である。食用になるテナガエビ、ウナギ、コイ、コクレンなどの他、コイ科のカワヒラ(Chanodichthys erythropterus、総統魚、曲腰魚、白魚)、ツマリカワヒラ(Culter alburnus 、総統魚、曲腰魚、白魚)、カワイワシ(Hemiculter leucisculus、Sharpbelly、奇力魚、白條)などの日本ではなじみの薄い魚が生息しているが、タイから移入されたナマズ科のトランスルーセントグラスキャットフィッシュ(Kryptopterus bicirrhis、玻璃魚)や南米原産のシクリッド類(Cyclid、紅魔鬼魚)、アフリカ原産のティラピア(呉郭魚、福寿魚)などの外来魚に卵を食われ、その数はすでに激減していると言われる。
イベント
編集万人遠泳大会
編集毎年中秋の名月前後に、1983年より始められた「万人遠泳大会」が行われる。総距離は約3000メートル。世界各国から参加者が集まり、2006年には21942人が参加し、初めて2万人を突破した。
カヌーマラソン
編集毎年、湖上をめぐるカヌーマラソン(輕艇馬拉松賽)が開催されている。
日月潭九族さくら祭り
編集桜の咲く2月~3月に行われる。
日月潭環湖マラソン
編集毎年10月の第二日曜に開催されている、湖を一周するマラソン大会。
交通
編集ギャラリー
編集舞台となった作品
編集※発表年月日順。
- カミカゼ野郎 真昼の決斗(1966年)- 主人公(千葉真一)がヒロイン(白蘭)を連れ、モーターボートで逃走するシーン
- 日月潭 異国で教師をはじめたら(2023年)
脚注
編集- ^ 日本統治時代は「じつげつたん」と読まれるのが一般的だったが、現在は「にちげつたん」と読まれることが多くなっている。
- ^ “日月潭~景勝地と電力開発史、そして原住民族”. 2024年3月25日閲覧。
- ^ 台灣歷史 真正奠定台灣經濟發展的大功臣---日本人松木幹一郎(台灣電力之父)
- ^ 《轻图典》编辑部 (2012-09-01) (中国語). 中国茶轻图典. 江西科学技术出版社. ISBN 978-7-5390-4585-6
関連項目
編集- 日月潭国家風景区
- 九族文化村
- タクラハ - サオ族に伝わる日月潭の人魚。
- 向山ビジターセンター
外部リンク
編集- 日月潭国家風景区
- 日月潭に関連する地理データ - オープンストリートマップ
- ウィキトラベルには、日月潭国家風景区に関する旅行ガイドがあります。