日影眩
日影 眩(ひかげ げん、本名:藤尾 正之)は、1936年兵庫県生まれの画家。
神戸市でグラフィックデザイナーとしてスタート、1960年 日宣美入選。1967年 法政大学文学部哲学科卒業。その後、新聞雑誌などにイラストレーションを発表(1972〜87)、1980年代初めアーチストに転身。
真下から見あげる構図と、記号的スタイルで,写真週刊誌「フォーカス」(1983.6.10号、新潮社)が、その初個展を“元祖ローアングル“として取り上げるなど脚光を浴び、また週刊「漫画サンデー」誌(実業之日本社)に巻頭イラストを連載(1983~84)するなど、視覚360°化に先駆けた。その後、東京で絵画個展を続け、グループ展にも繰り返し発表して、仰瞰図の作家として知られた(毎日新聞 夕刊文化欄(1987.7.1、1989.6.12)、「週刊ポスト」ポストコレクション(1987.8.2号、小学館)ほか)。
1994年にアメリカに移住、2004年グリーンカード取得。 ニューヨークで作品制作、発表 (2002年ホワイトボックス・アネックスなど) の傍ら、月刊「ギャラリー」誌に「日影 眩の360°のニューヨーク」(現代美術レポート)を1994年 - 2006年まで12年間連載した。 2009年 東邦画廊(東京・京橋)個展で,美術評論家瀬木慎一は,その極端な下からのアングルを,美術史上初出と認め、フログズ・アイ(Frog’s Eye, 蛙瞰)と命名し,蛙はギリシャ神話では愛と美の女神ヴィーナスの表象であったとした。2011年 池田20世紀美術館(静岡)で日影眩〜フログズ・アイの30年〜長期個展開催。2016年に帰国、以降東京を拠点に、ローアングルを基本とした美術作品を制作、発表し続けている (産経新聞 文化欄 2009.11.25、2014.6.19、2019.10.27)。