新井旅館
静岡県伊豆市にある修善寺温泉の旅館
新井旅館(あらいりょかん)は静岡県伊豆市にある修善寺温泉の老舗旅館。
種類 | 特例有限会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒410-2416 静岡県伊豆市修善寺970 |
設立 | 1872年(明治5年) |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 8080102007944 |
事業内容 | 旅館業 |
外部リンク |
arairyokan |
概要
編集明治から昭和初期にかけて館主を務めた三代目・相原沐芳(あいはらもくほう:本名寛太郎)が、日本画家の安田靫彦や横山大観をはじめとする文人墨客と親交が深く、その縁で日本画や文学など数多くの作品が生まれる舞台となった。
芸術家の感性は建物や庭園にも生かされ、今では貴重な文化遺産となっている。1998年(平成10年)9月には、客室棟や浴場など15件の建物が国の登録有形文化財に登録された[1]。旅館業の傍ら、文化財となった建物を案内する「文化財ガイドツアー」[2]を行うほか、若手女流書家である金澤翔子の美術館「銀座 金澤翔子美術館 修善寺」を開設するなど、文化振興にも力を注いでいる。
沿革
編集- 1872年(明治5年) - 「養気館新井」として創業
- 1881年(明治14年) - 登録有形文化財「青州楼」建築
- 1899年(明治32年) - 登録有形文化財「渡りの橋」、「雪の棟(客室棟)」建築
- 1908年(明治41年) - 登録有形文化財「霞の棟(客室棟)」建築
- 1916年(大正5年) - 登録有形文化財「桐の棟(客室棟)」改築(建築年代不明)
- 1919年(大正8年) - 登録有形文化財「月の棟(客室棟)」建築
- 1924年(大正14年) - 登録有形文化財「甘泉楼」建築
- 1927年(昭和2年) - 登録有形文化財「紅葉(離れ)」建築
- 1928年(昭和3年) - 登録有形文化財「山陽荘(横山大観のアトリエ兼居室。現在は「銀座 金澤翔子美術館 修善寺」として公開)」
- 1932年(昭和7年) - 登録有形文化財「あやめの棟(客室棟)」建築
- 1934年(昭和9年) - 登録有形文化財「花の棟(客室棟)」改築(建築年代不明)、大浴場「天平大浴堂」建築
- 1935年(昭和10年) - 登録有形文化財「吉野の棟(客室棟)」建築
- 1998年(平成10年) - 15件の建物が国の登録有形文化財に登録される
- 2014年(平成26年) - 貸切風呂「琵琶湖風呂」および「家族風呂」を改修し、「睡蓮」「翡翠」完成
- 2016年(平成28年) - 大正5年改築の「桐の棟」を改修
- 2018年(平成30年) - 未使用となっていた「霞の棟」「桂の棟」を改修、31室に。同時に青州楼内に食事処「清渓」を整備
- 2022年(令和4年) - 多目的ホール「祥雲」を全面改修。壁一面をライブラリとした「東裡」として整備
- 2023年(令和5年) - 客室(月棟・桂棟を除く)内のガラスを、防寒性・遮音性を高めるためペアガラス化。花棟の一角に半露天となる「折節の湯 雪花」を整備。
施設
編集- 客室数:和室31室
- 収容人員:150名
- 敷地:3000坪
- 浴場:天平大浴堂・あやめの湯・木洩れ日の湯(野天風呂)・折節の湯 雪花(をりふしのゆ せっか・半露天風呂)・睡蓮(すいれん・貸切風呂)・翡翠(ひすい・貸切風呂)
- 宴会場:中宴会超 東(ひがし・35名収容)・大宴会場 甘泉(かんせん・150名収容)
- 食事処:清渓
- ライブラリ:東裡(とうり)
- 無料駐車場(EV充電器2台)
温泉
編集交通アクセス
編集周辺観光施設
編集脚注
編集- ^ “伊豆市の文化財一覧 > 国指定・登録文化財一覧”. 伊豆市. 2023年10月13日閲覧。
- ^ “新井旅館登録文化財のご見学”. 新井旅館. 2023年10月13日閲覧。
関連項目
編集- 修善寺温泉
- 宿泊施設関連の文化財一覧
- 安田靫彦 - 三代目館主と親交が深く、「天平大浴堂」「吉野の棟」「観音堂」の設計などを手がける
- 横山大観 - 三代目館主と親交が深く、「山陽荘」は専用の居室兼アトリエとして建てられた
- 岡本綺堂 - 代表作「修禅寺物語」を「花三号」で執筆
- 芥川龍之介 - 1924年(大正14年)、「月の棟」に逗留
- 『KAMIKAZE TAXI』 - 1995年公開の映画。ロケ地。
- 『プロミス・シンデレラ』 - 2021年7月放送のTBSドラマの舞台。「旅館かたおか」
外部リンク
編集座標: 北緯34度58分13.4秒 東経138度55分36.1秒 / 北緯34.970389度 東経138.926694度