教鞭
文化
編集日本語の慣用句で、教職に就くことを「教鞭を執る」と言う。小説家の中勘助が1910-1913年に発表した自伝小説『銀の匙』にて教師が体罰に使用した描写が見られる。教師が振るう体罰という指導を愛の鞭という場合もある。
中世のヨーロッパでは、王は王権神授説で保護された存在であったことから、その子供を叩くことができなかった。その代わりとして、親友となった子供 ウィピング・ボーイ を代わりに叩くこととなった。ヨーロッパで伝統的な教育用鞭として、マルティネ (鞭)が知られる。
イギリス、スコットランドでは、Tawse( Tawseの発音 )、taws(紐のような鞭 taw の複数形)という鞭が使用されていた。先が分かれていたり、その長さも決まりはなく、枝むち、杖も使用されることもあった。口語では使われることが無く、スクールストラップやベルトという隠語が使われていた。1982年、2人のスコットランド人の母親が、欧州人権裁判所で子供の体罰反対を訴え認められたことから禁止された[2]。
出典
編集- ^ 字通, 精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,普及版. “教鞭とは”. コトバンク. 2022年3月23日閲覧。
- ^ Linklater, John (26 February 1982). “Victor in belt case set to sue”. The Glasgow Herald: p. 1 28 January 2017閲覧。
関連項目
編集- レーザーポインター
- Welsh Not - ウェールズ語を話す子供の首にぶら下げられる板(レッテル)
- Sjambok - アフリカやインドネシアなどで使用される鞭
- Knout - ロシアで体罰に使用される鞭
- 制裁棒(ストゥ) - アイヌ文化で刑に用いられた棒
- その他、教育で使われた道具について
- Slippering - スリッパで叩くことは、杖や鞭で叩くより軽い体罰として使用されていた。
- 海軍精神注入棒 - 日本海軍の教育で使用された体罰用の棒
- 竹箆(しっぺい) ‐ 仏教の指導で用いられていた竹の棒。体罰が問題になってからは、飾りとなっており、役割の一部は座禅で眠気を取るため叩く警策となっている。ちなみに、子供の遊戯のしっぺや、やられたことの仕返しの竹箆返し(しっぺがえし)などの語源ともなっている。