教導立志基
小林清親らによるの版画シリーズ
教導立志基(きょうどうりっしのもとい)は、歴史的人物の故事を描いた明治時代の浮世絵の揃物(連作)。明治政府が打ち出した教化方針のもとに制作された教訓絵で、古代から近代までのさまざまな偉業を成した人物が描かれた[1]。刊行は明治16年(1883年)から明治22年(1899年)。絵師は小林清親、水野年方、大蘇芳年(月岡芳年)、楊洲周延、豊原国周、蜂須賀国明(2代目歌川国明)、井上探景(井上安治)。版元は松木平吉。全53図。
作品
編集小林清親
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農夫の弥作。足腰の悪い母の面倒をよくみる孝行息子として徳川光圀から褒美を授かった
大蘇芳年
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藤原在衡。左大臣在衡は暴風雨であろうと朝参を怠らなかった
水野年方
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佐野常世。貧困にあっても、名も知らぬ旅の僧に暖を取らせるために愛玩の植木を薪にしてもてなした。のちにその僧の引き立てで出世した。
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山内一豊の妻。名馬を買う資金がないのを聞き、嫁入り時に隠し持ってきた黄金を夫のために取り出す場面
井上探景
編集楊洲周延
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銭屋五兵衛の孫ちかこ。密貿易の罪で獄中にあった五兵衛の無罪放免を願って川に身を投げた
豊原国周
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秋色女。子供ながら見事な句を詠んだことから貴人に招かれ、雨の帰路、駕篭には父を乗せ、自らは雨の中を歩いた
蜂須賀国明
編集出典
編集- ^ 教導立志基 名和長年刀剣ワールド浮世絵7
- ^ 田中鶴吉結城大佑、三田評論、慶應義塾、2021.6.28