折戸川 (愛知県)
折戸川(おりどがわ)は、愛知県日進市を流れる天白川水系の普通河川[1]。ホタルの名所として知られる。河川コードは2300520005[2]。
折戸川 | |
---|---|
水系 | 二級水系 天白川 |
種別 | 普通河川 |
流域面積 | 2.63 km2 |
河口・合流先 | 天白川 |
流路 | 愛知県日進市 |
流域 | 愛知県日進市 |
地理
編集天白川の一次支川。愛知県日進市栄の調整池に源を発し、支流を集めながら北上、天白川に合流する。流域面積は約2.63平方キロメートル[3]。一部流路では桜並木や堤防が整備されている[4][5]。
名称の由来
編集『折戸』という地名は、中世末には『下津』と表記され、周辺の地形から崖下(下所)の意ではないかとされている[6]。折戸川の名は少なくとも江戸時代からは存在し、尾張藩の編纂した『愛知郡村邑全図』にもその名が記されている[7]。戦前には野方川とも呼ばれた[4]。
流域の周辺施設
編集史跡
- 旧市川家住宅 - かつての庄屋の住宅[8][9]。支川井田川の付近に存在する。
- 聖人塚(しょうねづか) - 現在でもほぼ原形を保っている[10]。ここには、「その昔、ある僧が『音がしなくなったら入定したと思ってくれ』と言い残して生きながら土の中に入った」という伝説がある[11]。支川井田川の付近に存在する。
- 吹上城 - 現存しない。岩崎丹羽氏の居城で、1471年(文明3年)築城。後に折戸城に移転し、廃城となった[12]。
- 折戸城 - 現存しない。岩崎丹羽氏の居城。後に本郷城に移転し、廃城となった[12]。
その他
- 神明社
- 日進郵便局
- 野方三ツ池公園
- 折戸町公民館
- 折戸平和公園
- 日進栄郵便局
- 日進駅
自然
編集水環境
編集折戸川はその全域でコンクリート護岸が整備されている[13]。現在では『身近に水に親しむことができる場所』としての整備も検討されており[14]、2017年(平成29年)の護岸工事では元の環境に近づけるような配慮がなされた[13]。
折戸川の水質は高度経済成長期には悪化していたが、現在では下水処理が進み、ある程度改善されている[15][16]。ポイ捨てが問題となっており、定期的に清掃活動が行われている[15][16][17]。
生物
編集魚類ではオイカワやコイ[16]、節足動物ではアメリカザリガニ[16]、シオカラトンボ[13]、アオハダトンボ[13]などの生息が確認されている[注釈 1]。また、再導入による野生復帰生物としては、ゲンジボタル[1]や軟体動物のカワニナ[16]などが生息している。
過去には日進市により折戸川の水生生物を調査するイベントも行われている[18]。
ホタル
編集ホタルはかつて日進市の各所で見ることができたが、水質の悪化などにより減少、一時期日進市内では絶滅していた。しかし、「ホタルを再び日進に飛ばしたい」と思う地元住民により2004年(平成16年)に『折戸川にホタルを飛ばそう会[19]』が発足。折戸川に注ぐ藤塚用水と福豊西用水を『ホタルの里(折戸川ホタルの里[20])』として整備、ゲンジボタルの幼虫やヘイケボタルの幼虫、カワニナなどの放流活動[21]や折戸川の清掃活動を行い[16]、2016年(平成28年)にはホタルが自然発生するほどにまでなった[22]。
『折戸川にホタルを飛ばそう会』は現在でも活動が続けられており[22]、日進市の小学校では折戸川のホタルに関する環境学習も行われている[16][17][23][24][25]。
主な支川
編集井田川
編集井田川 | |
---|---|
水系 | 二級水系 天白川 |
種別 | 普通河川 |
河口・合流先 | 折戸川 |
流路 | 愛知県日進市 |
流域 | 愛知県日進市 |
折戸川の支川[1][26]。日進市藤塚に源を発し、北上して野方三ツ池公園、聖人塚の付近を流れ折戸川に合流する。ほとんどの区間は暗渠化されている[26]。普通河川である。
橋梁
編集下流から順に記載する。[26]
- 井田橋
その他
編集いずれも小規模な流れである。
橋梁
編集下流から順に記載する。[26]
- 稲荷橋
- 野方新橋人道橋
- 野方新橋
- 新田橋
- 野方橋
- 折戸西橋
- 新切橋
- 一本橋
- 孫三橋
- 折戸新橋
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c “天白川で遊ぼうマップ”. 日進市浅田区. 2024年1月21日閲覧。
- ^ “折戸川 [2300520005 天白川水系 地図]”. 国土数値情報河川データセット. 2024年1月22日閲覧。
- ^ “第2章 基礎調査”. 日進市. 2015年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月23日閲覧。
- ^ a b 『愛知県令規集 : 参考条文插入加除自在 第3(第10至11類)』現行法規出版社、1931年。
- ^ “折戸川桜並木 - 日進市折戸区” (2023年3月29日). 2024年1月22日閲覧。
- ^ 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1989, p. 346.
- ^ 『愛知郡村邑全図』尾張藩、寛政期。
- ^ “旧市川家住宅”. 日進市. 2024年1月22日閲覧。
- ^ “旧市川家住宅主屋”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2024年1月22日閲覧。
- ^ “聖人塚”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2024年1月22日閲覧。
- ^ “にっしんの文化財”. 日進市. 2024年1月23日閲覧。
- ^ a b “岩崎丹羽氏最初の居城となった吹上城と折戸城”. www.oshiromeguri.com. 2024年1月22日閲覧。
- ^ a b c d “日進 水質調査”. 愛知県. 2024年1月22日閲覧。
- ^ “岩崎川堤防道路基本構想策定業務”. 日進市. 2024年1月22日閲覧。
- ^ a b “2021年11月13日 折戸川ホタルの里ゴミ拾い大会”. 日進市. 2024年1月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 折戸川にホタルを飛ばそう会: “ホタル便り その他”. 日進市浅田区. 2024年1月22日閲覧。
- ^ a b 折戸川にホタルを飛ばそう会: “ホタル便り第18号”. 日進市浅田区. 2024年1月22日閲覧。
- ^ “平成27年度「自然に親しむ運動」実施行事一覧”. 環境省. 2024年1月22日閲覧。
- ^ “折戸川にホタルを飛ばそう会 - 日進市折戸区” (2022年6月1日). 2024年1月23日閲覧。
- ^ “日進でホタルが飛ぶことを ご存知ですか?”. 日進市にぎわい交流館. 2024年1月23日閲覧。
- ^ “愛知)「大きくなってね」 ホタルの幼虫放流会 日進:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2019年3月21日). 2024年1月23日閲覧。
- ^ a b “日進でホタルが飛ぶことをご存知ですか?”. 日進市にぎわい交流館. 2024年1月23日閲覧。
- ^ “出前授業 ~折戸川にホタルを飛ばそうの会の皆様~”. 日進市立南小学校. 2024年1月23日閲覧。
- ^ “ホーム | 日進市立東小学校”. 日進市立東小学校. 2024年1月23日閲覧。
- ^ “身近な川、生き物いっぱい 日進・西小4年が出前講座で環境学習:中日新聞Web”. 中日新聞Web. 2024年1月23日閲覧。
- ^ a b c d “にっしんまっぷ”. www.sonicweb-asp.jp. 日進市. 2024年1月22日閲覧。
- ^ “日進折戸川のホタル・藤塚用水に飛ぶゲンジボタル (尾張旭・日進)”. フォートラベル. 2024年1月23日閲覧。