志引峠
志引峠(しびきとうげ)は、岡山県美作市と兵庫県宍粟市の境にある峠。北の後山(1344.4m)と南の日名倉山(1047.1m)とを結ぶ稜線上にあり、氷ノ山後山那岐山国定公園内にある[1]。国道429号が通る。
志引峠 | |
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所在地 | 兵庫県宍粟市・岡山県美作市 |
座標 | 北緯35度9分32秒 東経134度24分46秒 / 北緯35.15889度 東経134.41278度 |
標高 | 685[1] m |
山系 | 中国山地 |
通過路 | 国道429号 |
プロジェクト 地形 |
概要
編集近隣で兵庫県と岡山県を結ぶ峠としては、志引峠の北側にある「上乢」(739m)が後山と日名倉山のあいだにあり、「奥海越(おねこし)」、「千合地峠」が日名倉山と船越山のあいだにある。このほか、志引峠の西1kmほどの地点には「奥海乢(おねみたわ)」があり、美作市と佐用町を結んでいる。
峠は兵庫県側で千種川の上流域の支流である西山川、岡山県側からは吉井川水系・吉野川の支流である後山川のが迫っている。
志引峠の兵庫県側にあたる日名倉山の北東麓には、風化の進んだ石英閃緑岩の露頭が多い[2]。石英閃緑岩が風化すると砂鉄を多く産出するようになり、このあたりは高品質の砂鉄の産地だった[2]。このあたりで産する鉄は千種鉄(千種鋼とも)と呼ばれ、日本刀の原料として古くから珍重され、明治期まで生産されていた[3][4]。備前の長船勝光・長船宗光らが用いたものも千種鉄である[3]。志引峠は播磨国と美作国を結ぶ峠の中で、この千種鉄の輸送路として重要視されてきた[1]。
現状
編集峠より西側(美作市側)は2車線あり広い道路であるが、それに比べて東側(宍粟市側)はセンターラインのない区間が多く狭い道路である。なお、峠より西側は10月の夜間に鹿がよく出没するので注意が必要である。
脚注
編集出典
編集参考文献
編集- 『角川日本地名大辞典28 兵庫県』,角川日本地名大辞典編纂委員会・竹内理三・編,角川書店,1988,ISBN 4-04-001280-1