御子柴 克彦(みこしば かつひこ、1945年3月3日 - )は、日本の脳神経科学者医学博士(慶應義塾大学、1973年)[1]

理化学研究所脳科学総合研究センター研究チームリーダー。東京大学名誉教授[2][3]。現在は上海科技大学免疫化学研究所教授。慶應義塾評議員東京都出身(出生地は長野県[4]。主な業績はIP3受容体の研究。

略歴

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その他の活動

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主な著作

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書籍

  • 野田昌晴(共著)『分子神経生物学』、日本分子生物学会(編)、丸善〈シリーズ分子生物学の進歩〉、1989年。NCID BN03956653ISBN 4621034189
  • 岡田節人 ほか(編)『神経系の形成と統合』、岩波書店〈岩波講座分子生物科学〉、1991年。NCID BN06839157ISBN 4000104101
  • 『脳神経』羊土社〈Bio Science用語 ライブラリー〉、1997年。NCID BN16097663ISBN 4897062594。『実験医学』別冊。
  • 遠藤実、宮本英七(共著)『カルシウムイオンとシグナル伝達』、共立出版、2000年。NCID BA47041581ISBN 4320055500
  • 清水孝雄(共著)『感覚器官と脳内情報処理』、日本生化学会(編)、共立出版〈シリーズ・バイオサイエンスの新世紀〉、2002年。NCID BA58286900ISBN 4320055632
  • 清水孝雄(共著)『脳の発生・分化・可塑性』、日本生化学会(編)、共立出版〈シリーズ・バイオサイエンスの新世紀〉、2002年。NCID BA56536596ISBN 4320055624
  • Bernard, Claude『実験医学の原理』山口知子(訳)御子柴克彦(監訳)、丸善プラネット、2008年。NCID BA86220900ISBN 9784901689885
  • Tritsch, D.、Chesnoy-Marchais, Dominique、Felts, A.、 藤吉好則『ニューロンの生理学』大谷悟、加藤総夫、小島比呂志、持田澄子、京都大学学術出版会、2009年。NCID BA8933028XISBN 9784876987733

論文

  • 『研究年報 (1993)』、理化学研究所、1994年7月。国立国会図書館デジタルコレクション。
    • 「分子神経生物学研究室」338-344頁 (0180.jp2)。
    • 「神経系機能解析研究」441-443頁 (0233.jp2)。
  • 「座長総括」『神経研究の進歩』第38巻第6号(199)、医学書院、1994年12月、968頁(0049.jp2)、国立国会図書館デジタルコレクション、doi: 10.11501/3418758
  • 「脳-今ここが面白い--人類最後のフロンティアを解明する」伊藤正男、山崎幹夫、石山陽事、水谷俊雄、矢野良治『Newton = ニュートン  : graphic science magazine』第16巻第5号、ニュートンプレス、1996年5月、32-51頁(0018.jp2)、doi:10.11501/3211746、国立国会図書館デジタルコレクション。
  • 「哺乳類中枢神経系の発生・分化の分子生物学的解析」『日本医師会雑誌 = The Journal of the Japan Medical Association』第117巻第1号、日本医師会、1997年1月、51-56頁 (0027.jp2)<4108015>、doi:10.11501/3356583、国立国会図書館デジタルコレクション。
  • 「第100回日本小児科学会学術集会」『日本小児科学会雑誌 = The journal of the Japan Pediatric Society』第101巻第2号、日本小児科学会、1997年2月、doi:10.11501/3401309、国立国会図書館デジタルコレクション。平成9年4月18日(金)、19日(土)、20日(日)、開催地:東京都。
    • 「特別講演 6.脳神経系の発生・分化とその障害発生機序の分子生物学的解明」157頁 (0035.jp2)。
    • 島田司巳「シンポジウム 4.神経系の生と死,そして再生」、170-171頁 (0043.jp2)。
  • 林裕子、加藤信介、大浜栄作「オリーブ橋小脳萎縮症におけるプルキンエ細胞 :免疫組織化学的および形態計測的研究」『米子医学雑誌 = The journal of the Yonago Medical Association』第49巻第1号、米子医学会、1998年1月、21-34頁 (0012.jp2)、doi:10.11501/3424532、国立国会図書館デジタルコレクション。
  • 「体細胞機能転換研究」『研究年報 (1)(1997)』、理化学研究所、1998年8月、379頁 (0205.jp2)、doi:10.11501/3200790、国立国会図書館デジタルコレクション。

主な受賞歴

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栄典 

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脚注

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  1. ^ a b 御子柴克彦『分離神経細胞群及びグリア細胞群の生理化学的研究
  2. ^ 御子柴克彦氏の略歴”. 科学技術振興機構. 2010年1月31日閲覧。
  3. ^ 御子柴克彦グループディレクターが第40回内藤記念科学振興賞を受賞”. 理化学研究所 (2009年2月24日). 2010年1月31日閲覧。
  4. ^ 日本学士院賞授賞の決定について 日本学士院、2009年
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 御子柴克彦名誉教授、瑞宝中綬章を受章”. www.ims.u-tokyo.ac.jp. 東京大学医科学研究所 (2018年11月3日). 2020年11月19日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l 東京大学の御子柴克彦名誉教授がレジオン・ドヌール勲章を受章 - La France au Japon”. web.archive.org. 在日フランス大使館 (2014年12月29日). 2016年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月17日閲覧。
  7. ^ a b ルイ・パスツール生誕190周年記念 チャリティシンポジウム「脳障害からの回復を目指して」~パスツール研究所 ジャン=ピエール・シャンジュー教授来日シンポジウム~(日本学術振興会外国人著名研究者招へい事業)”. kyokai.pasteur.jp. 日本パスツール協会 (2012年9月1日). 2020年11月19日閲覧。
  8. ^ 御子柴細胞制御プロジェクト 総括責任者 御子柴 克彦(東京大学 医科学研究所 教授/理化学研究所 脳科学総合研究センター グループ・ディレクター)”. 戦略的創造研究推進事業 > ERATO > 研究領域の紹介/ 終了領域/ > 御子柴細胞制御プロジェクト. 2020年11月19日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h Katsuhiko Mikoshiba, M.D., Ph.D. "IP3 receptor/Ca2+ signaling: its role in health and disease"), Chief Scientist and Team Leader Laboratory for Developmental Neurobiology RIKEN, Center for Brain Science Wako, Saitama, Japan. Thoracic Oncology Seminar (June 18, 2018). University of Hawaii Cancer Center. 2029年度11月19日閲覧。
  10. ^ 講演会「細胞内シグナル制御分子 IP3 受容体の発見から新しい概念へ 」2019年10月9日(水) 14時40分~ 15時50分”. 学校法人東邦大学. 2020年11月19日閲覧。
  11. ^ KRAS遺伝子”. がん情報サイト「オンコロ」. オンコロ辞典. 株式会社インテリム (2017年12月13日). 2020年11月19日閲覧。
  12. ^ 安定細胞内抗体「STAND」を開発、Krasなどの機能阻害が可能に-東邦大ほか”. QLifePro. 株式会社QLife (2020年1月21日). 2020年11月19日閲覧。 “研究グループは、pH 6.6でも強いネガティブチャージを持つ安定細胞内抗体をSTAND(stable cytoplasmic antibody)と名付けた。”
  13. ^ nature.com 2020, p. 336.
  14. ^ 細胞内で働く安定細胞内抗体「STAND」の開発に成功~従来抗体がアプローチ出来なかった細胞内タンパク質の機能阻害が可能に~”. 学校法人東邦大学. 2020年11月19日閲覧。 “東邦大学、日本獣医生命科学大学、理化学研究所、上海科技大学、自治医科大学、東北大学大学院生命科学研究科の研究グループは、従来の抗体では不可能であった細胞内のタンパク質の機能阻害を可能にする、安定細胞内抗体 (Stable cytoplasmic antibody: STAND) の汎用的作製技術の開発に世界で初めて成功し、神経活動の抑制や、undruggableなヒトがん遺伝子産物として知られる Kras の機能抑制に成功しました。今後は細胞内タンパク分子の機能解析にとどまらず、細胞内タンパク質間相互作用を標的とした疾患治療薬開発への応用が期待されます。 本研究成果は、東邦大学の御子柴克彦理学部特任教授(理化学研究所、上海科技大学)、日本獣医生命科学大学の樺山博之大学院特別研究生(STAND Therapeutics 株式会社 代表取締役CEO、当時 理化学研究所)、自治医科大学の村松慎一特命教授、東北大学 大学院生命科学研究科の福田光則教授らによるもので、英国科学雑誌『Nature Communications』(ネーチャー・コミュニケーションズ)(2020年1月17日)[13]に掲載されます。”
  15. ^ 日経バイオテクONLINE. “東北大、細胞内で働く安定細胞内抗体「STAND」の開発に成功 ~従来抗体がアプローチ出来なかった細胞内タンパク質の機能阻害が可能に~”. 日経バイオテクONLINE. 2020年11月19日閲覧。
  16. ^ トップ > トピックス > 東北大・東邦大等の研究グループ、世界で初めて安定細胞内抗体の汎用的作製技術開発に成功”. PTJ ONLINE. JIHO,Inc. (2020年1月21日). 2020年11月19日閲覧。
  17. ^ 『日本医師会雑誌 = The Journal of the Japan Medical Association』第116巻第12号、日本医師会、1996年11月、1571-1573頁 (0017.jp2)、doi:10.11501/3356580  国立国会図書館デジタルコレクション。
  18. ^ 上原賞受賞者(詳細)> 平成9年度 > 御子柴克彦教授 御子柴 克彦(ミコシバ カツヒコ)東京大学医科学研究所化学研究部教授”. www.ueharazaidan.or.jp. 公益財団法人 上原記念生命科学財団. 2020年11月19日閲覧。
  19. ^ 2003 : Prof. Dr. Katsuhiko Mikoshiba, Universität Tokio, Japan: IP3 -Rezeptor/Kalzium-Signalling in der Entwicklung und Funktion des Nervensystems” (英語). www.mpg.de. International Prize for Translational Neuroscience. マックス・プランク研究所. 2020年11月17日閲覧。
  20. ^ 理化学研究所、科学技術振興事業団 (2003年(平成15年)9月11日). “御子柴克彦博士がZülch賞受賞”. 科学技術振興事業団. 2020年11月19日閲覧。
  21. ^ Sheila Yong (2013年6月(2013年4月30日)). “Environmental Factor - June 2013: Katsuhiko Mikoshiba delivers 2013 Rodbell Lecture”. factor.niehs.nih.gov. アメリカ国立衛生研究所. 2020年11月17日閲覧。 “In his talk on the “Role of IP3 receptor signaling in development, cell function, and diseases,” Mikoshiba discussed how he discovered the inositol 1,4,5-triphosphate (IP3) receptor, and his ongoing quest in characterizing the protein.(イノシトール1,4,5 三リン酸受容体の信号と発生、細胞機序、病理への関与)”
  22. ^ JSTトピックス > 御子柴克彦博士、フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章を受章 2013年12月16日(月)フランス大使館”. 科学技術振興機構. 2017年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月17日閲覧。
  23. ^ JSTトップ > トピックス > 御子柴克彦博士、フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章を受章 | 2013年12月16日(月)フランス大使館”. JST. 2020年11月19日閲覧。

関連項目

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関連文献

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  • 加藤総夫「BOOK REVIEW/ クロード・ベルナール著『実験医学の原理』山口知子・御子柴克彦訳(丸善プラネット)」『日本生理学雑誌 = The journal of the Physiological Society of Japan』第72巻第10号、東京:日本生理学会、2010年10月、205頁-。doi:10.11501/11229224、(0013.jp2)。
  • 後藤秀機「第IV部 第14章 ネットで文献調査 御子柴克彦」『天才と異才の日本科学史 : 開国からノーベル賞まで、150年の軌跡』、京都:ミネルヴァ書房全国書誌番号:22306893、2013年、301頁。別題『Scientific Prodigies in Japan』。

外部リンク

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