弦楽四重奏曲第1番 (スメタナ)

弦楽四重奏曲第1番 ホ短調「わが生涯より(チェコ語Z mého života)」は、ベドルジハ・スメタナ1876年の10月から12月にかけて作曲した弦楽四重奏曲[1]

自筆譜

概要

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作曲者自身の生涯を象徴する半自叙伝的な内容をもち、「わが生涯より(チェコ語:Z mého života)」という副題が付けられている。第1楽章の開始においてヴィオラが高音域で主旋律を奏でることや、終楽章において第1ヴァイオリンハーモニクスでホ音の保続音(スメタナに聞こえていたという幻聴象徴。実際にはイ長調の主和音が聞こえていたという)を奏でることで名高い。

聴力を失ったスメタナが、プラハからヤブケニツェチェコ語版へと隠遁して間もない1876年10月頃から作曲が開始され、同年末頃に完成[1]。しかし、第3楽章が技術的に困難であるとされたことや、様式的に欠陥があると指摘され、初演の引き受け手がなかなか見つからなかった[1]。完成から2年が経過した1879年3月26日に、スメタナの友人であるスルブ=デブルノフの家でようやく初演された(試演とも)[1]。このときヴィオラ奏者を務めたのがアントニン・ドヴォルザークであった[1]。公開初演はスルブ=デブルノフ家での試演から3日後の、1879年3月29日にフェルディナント・ラハナーやアロイス・ネルーダ、ヤン・ペリカーン、ヨゼフ・クレハンの4名による演奏でプラハで行われた[1]。初演を引き受けた4名は、スメタナが隠遁する前に指揮者として活動していた仮劇場のオーケストラの中心メンバーであった[1]。また、この曲はフランツ・リストの眼前でも演奏されており、リストはこの作品に熱狂したという。

以下の4つの楽章から成り、上演時間は約30分。

  1. Allegro vivo appassionato
  2. Allegro moderato
  3. Largo sostenuto
  4. Vivace

「わが生涯より」という副題のもとにどのような標題が隠されていたのかは、作曲者自身の1879年7月21日の書簡から明らかになる。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g 佐川吉男スメタナ弦楽四重奏団「スメタナ: 弦楽四重奏曲 第1番 <<わが生涯より>>・第2番」『SMETANA: String Quartets "From My Life" & No.2』、DENON日本東京都港区虎ノ門、pp. 4-6頁、1990年。COCO-6361。 

外部リンク

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