建・TAKERU
概要
編集1997年10月10日に新国立劇場のこけら落とし公演として初演された[1]。星出豊指揮、東京交響楽団による。初演時には、天皇・皇后が臨席して鑑賞した(天覧公演)。
この初演は團自身が指揮する予定であったが、9月3日に急性心筋梗塞を起こし、10月9日に退院するまで約1か月間入院した[2]。そのため、初演の指揮は断念した。ただし、公演冒頭の『君が代』の演奏は團が指揮した。
登場人物
編集- 建〈タケル〉(バス):倭の国、忍代別天皇の皇子、小碓
- 弟橘姫〈オトタチバナヒメ〉(ソプラノ):建の妻
- 火焚翁〈ヒタキノオキナ〉(バス):建の従者
- 忍代別天皇〈オシロワケノミカド〉(テノール):倭の王、建の父、倭姫の兄
- 倭姫〈ヤマトヒメ〉:建の叔母、忍代別天皇の妹
- 吉備〈キビ〉:吉備武彦〈キビノタケヒコ〉、忍代別天皇の使者(密偵)
- 大伴〈オオトモ〉:大伴武日連〈オオトモノタケヒノムラジ〉、倭の兵士
- 尾足〈オタリ〉:駿河の国造〈スルガノクニノミヤツコ〉
- 夏乃〈ナツノ〉:尾足の娘、春乃の妹
- 春乃〈ハルノ〉:尾足の娘
あらすじ
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第1幕
編集- 第1場:生駒山麓
- 第2場:伊勢斎宮
第2幕
編集- 第1場:駿河国造館-前庭 - 大和政権に敵対する蛮族の長オタリが登場。ヤマトタケルへの敵対心を語る。
- 第2場:相模の野「火」 - オタリがタケルを火攻めにするが、タケルは草薙の剣をふるって戦い、火の勢いを逆転させる。本作のクライマックス場面。
- 第3場:走水「水」
第3幕
編集- 第1場:碓日坂陣営 - タケルは足が三重に曲がり、歩くことも叶わない。
- 第2場:伊吹山
- 第3場:能煩野へ - 終盤では場面を現代へと移し(初演時の演出)、タケルの遺志が現代まで受け継がれていることを讃えて終わる。
脚注
編集- ^ 昭和音楽大学オペラ研究所 オペラ情報センター
- ^ 團伊玖磨『どっこいパイプのけむり』「失踪」、p252-258、朝日新聞社、1999年、ISBN 4-02-257345-7