庚申外史
『庚申外史』(こうしんがいし)は、明初に権衡により記されたウカアト・カアン(順帝トゴン・テムル)の36年間の治世を対象とする史書。題名はウカアト・カアンが1320年(庚申/延祐7年)生まれで、本書中で「庚申帝」と呼ばれる事による。
概要
編集元末明初の人である権衡によって洪武4年(1371年)以前に編纂したとみられ、正史の『元史』とほぼ同時期かややはやく成立している[1]。『庚申外史』は史料性の点でやや問題のある記述もあるものの、『元史』には見えず本書にのみ見える記述も多く、元末史研究上の重要史料と位置づけられている[2]。特に、元末の農民戦争史(紅巾の乱)を研究する上での基本史料とされる[1]。
内容
編集巻目 | 巻題 | 節目 |
---|---|---|
巻上 | 癸酉/元統元年-甲午/至正十四年 | |
巻下 | 乙未/至正十五年-戊申/至正二十八年 |
脚注
編集参考文献
編集- 赤坂恒明「モンゴル帝国期におけるアス人の移動について」塚田誠之編『中国国境地域の移動と交流』有志舎、2010年
- 山根幸夫「遺山先生文集」『中国史籍解題辞典』燎原書店、1989年