市村三男三

日本の洋画家

市村 三男三(いちむら みおぞう、1904年明治37年〉1月29日 - 1990年平成2年〉2月16日)は、日本洋画家プロレタリア画家

略歴

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新潟県中蒲原郡横越村大字横越(現 新潟市江南区横越中央)の素封家・市村俊蔵の三男として出生[1][2]

1922年大正11年)3月に新潟中学校を卒業、1925年(大正14年)3月に横浜高等工業学校応用化学科を卒業、画家を志して川端画学校で学ぶ[2][3][4][5]

兄・彦馬の友人で新潟新聞社東京支局長の坂口献吉坂口安吾の兄)に洋画家矢部友衛を紹介され[6][7]1928年昭和3年)9月に造型美術家協会に入会、1929年(昭和4年)4月に日本プロレタリア美術家同盟の結成に参加[4][5][8][9][注 1]

1930年(昭和5年)3月に日本プロレタリア美術家同盟中央委員・組織部長・青年婦人部長に就任、1932年(昭和7年)2月に京都で結婚[12]東京に戻って日本プロレタリア美術家同盟本部組織部長に就任[13][14]

1934年(昭和9年)3月に日本プロレタリア美術家同盟が解散すると矢部友衛の仲よし会に参加[4][5][9][15]、戦時中は故郷や新潟県西蒲原郡間瀬村埼玉県北足立郡与野町大字大戸群馬県利根郡新治村大字布施に疎開[9][16]

1946年(昭和21年)3月に矢部友衛、岡本唐貴らとともに現実会を結成[4][5][9][17]1947年(昭和22年)7月に日本美術会委員に就任[5][9][17]1948年(昭和23年)に日本共産党に入党[18]1959年(昭和34年)に五耀会に参加[5][9][15]

1990年平成2年)2月16日東京都練馬区小竹町の自宅で急性心不全のため死去[19]1991年(平成3年)3月に日本美術会と日本共産党の推薦により第44回解放運動犠牲者合葬追悼者となる[20]

労働運動、下層労働者の姿、農民の生活、風景などを多く描いた[4][5][9][21][22]

友人・知人

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親族・親戚

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画集

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  • 『市村三男三遺作展 信念と不屈のプロレタリア美術作家』横越町、2004年。
  • 『市村三男三 信念と不屈のプロレタリア美術作家』新潟市教育委員会横越教育事務所、2005年。

脚注

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注釈

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  1. ^ 1929年昭和4年)4月に島崎蓊助島崎藤村の三男)とともに東北地方へ移動展覧会を催しに出かけたが、5月に盛岡市のデパートで展覧会の開催中に出版法違反(会場で『無産者新聞』が売られていた)のため検挙され、盛岡警察署に留置されて起訴されたが、罰金30円を支払って釈放された[10][11]

出典

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  1. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』92頁。
  2. ^ a b 横越町史 通史編』710頁。
  3. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』51・92頁。
  4. ^ a b c d e 新潟市美術館 全所蔵作品図録 絵画編』120頁。
  5. ^ a b c d e f g 美術家人名事典』52頁。『新潟県 人物・人材情報リスト 2021 第2巻』753頁。
  6. ^ 新潟日報』2012年12月19日付朝刊、17面。
  7. ^ 新潟日報第二代社長「坂口献吉日記」に見る 地方紙と戦争』54-56頁。
  8. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』51・93頁。
  9. ^ a b c d e f g 横越町史 通史編』711頁。
  10. ^ 島﨑蓊助自伝 父・藤村への抵抗と回帰』59-61・248頁。『島崎藤村全集 別巻』509頁。
  11. ^ 日本プロレタリア美術史』163頁。
  12. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』133・197頁。
  13. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』197頁。
  14. ^ 日本プロレタリア美術史』324頁。
  15. ^ a b 信念と不屈の画家 市村三男三』94頁。
  16. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』51・94・202頁。
  17. ^ a b 信念と不屈の画家 市村三男三』51・94頁。
  18. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』156・175・197頁。
  19. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』31・179・212頁。
  20. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』175頁。
  21. ^ 新潟日報』2004年8月7日付朝刊、10面。
  22. ^ 日本プロレタリア美術史』325頁。
  23. ^ 信念と不屈の画家 市村三男三』78頁。『越後人物志』12頁。
  24. ^ 橫越村誌』316頁。

参考文献

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  • 『信念と不屈の画家 市村三男三』なかむらみのる[著]、光陽出版社[発売]、日本民主主義文学会、2009年。
  • 「市村三男三」『美術家人名事典 古今・日本の物故画家3500人』52頁、日外アソシエーツ[編]、日外アソシエーツ、2009年。
  • 「市村三男三」『新潟県 人物・人材情報リスト 2021 第2巻』753頁、日外アソシエーツ[編]、日外アソシエーツ、2020年。
  • 「市村三男三」『新潟市美術館 全所蔵作品図録 絵画編』120-122頁、新潟市美術館[編]、新潟市美術館、2006年。
  • 「市村三男三」『矢部友衛と現実会の仲間たち展』54頁、新潟市美術館[編]、新潟市美術館、1996年。
  • 「市村三男三」『江南区と南区の隠れた名品選』19頁、新潟市新津美術館[編]、新潟市新津美術館、2014年。
  • 「横越出身・洋画家の故市村三男三 労働者や風景など 52点、故郷で作品展 社会派の神髄 力強く」『新潟日報』2004年8月7日付朝刊、10面、新潟日報社、2004年。
  • 「画家との対話 インテリは解消の運命」「地方紙と戦争 戦前編 坂口献吉日記より 9」『新潟日報』2012年12月19日付朝刊、17面、森沢真理[著]、新潟日報社、2012年。
  • 『新潟日報第二代社長「坂口献吉日記」に見る 地方紙と戦争』森沢真理[著]、新潟日報事業社、2014年。
  • 『島﨑蓊助自伝 父・藤村への抵抗と回帰』島﨑蓊助[著]、加藤哲郎・島﨑爽助[編]、平凡社、2002年。
  • 『島崎藤村全集 別巻』島崎藤村[著]、三好行雄[編]、筑摩書房〈筑摩全集類聚〉、1983年。
  • 『日本プロレタリア美術史』岡本唐貴松山文雄[編著]、造形社、1967年。
  • 越後人物志』吉田楳斎[編]、石雲堂、1845年。
  • 『橫越村誌』横越公民館、1952年。
  • 『横越町史 通史編』横越町史編さん委員会[編]、横越町史編さん委員会、2003年。

外部リンク

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