川崎昭一郎
日本の物理学者
川崎 昭一郎(かわさき しょういちろう、1932年[1] - 2022年11月3日[2])は、素粒子と場の理論、重力の量子論などを専門とした日本の物理学者、千葉大学名誉教授[1]。平和運動家としても知られ、第五福竜丸の保存運動に深く関わり、財団法人第五福竜丸平和協会会長なども務めた[1]。
経歴
編集東京大学理学部物理学科の3年生だった1954年、第五福竜丸の被曝事件後、湯川秀樹が科学者の平和運動を鼓舞した講演に接し、影響を受ける[4]。学部4年の時には理学部学生自治会委員長となり、原水爆実験反対運動に取り組んだ[4]。
その後、大学院に進み、1961年に「相対論的電子ガスの理論」により理学博士を取得した[5]。
千葉大学の教員となり、1984年に教授へと昇任して(千葉大学素粒子理論研究室初代教授)、1994年8月から1998年3月にかけては理学部長を務めた[2]。
学生時代以来、一貫して「科学者の社会的責任」として、平和や核軍縮を訴える活動に関わり続け、国内外の様々な科学者会議に参加した[1]。特に、第五福竜丸の保存運動には初期から深く関わり、1991年には財団法人第五福竜丸平和協会会長に就任した[1]。
家族
編集おもな著書
編集単著
編集- 第五福竜丸 ビキニ事件を現代に問う、岩波書店(岩波ブックレット NO. 628)、2004年
監修
編集脚注
編集- ^ a b c d e 「第五福竜丸 著者略歴」岩波書店。2024年8月25日閲覧。
- ^ a b c 「川﨑昭一郎 (名誉教授)」千葉大学。2024年8月25日閲覧。
- ^ 「訃報 川崎昭一郎さん 89歳=千葉大名誉教授 /東京」毎日新聞社、2022年11月8日。2024年8月25日閲覧。
- ^ a b 伊藤繭莉「原水爆拒否、68年貫いた科学者人生 ビキニ事件が東大生変えた」『朝日新聞DIGITAL』朝日新聞社、2022年12月20日。2024年8月25日閲覧。
- ^ 「学位論文要旨 No100343 川崎 昭一郎」東京大学。2024年8月25日閲覧。
- ^ 西村奈緒美「核といのちを考える 第10回 ノーベル賞がすべてを変えた 1枚のチラシからの再出発」『朝日新聞DIGITAL』朝日新聞社、2021年2月24日。2024年8月25日閲覧。