山本大貴 (1995年生の投手)

日本のプロ野球選手 (1995-)

山本 大貴(やまもと だいき、1995年11月10日 - )は、北海道札幌市厚別区出身のプロ野球選手投手)。左投左打。東京ヤクルトスワローズ 所属。

山本 大貴
東京ヤクルトスワローズ #43
2022年8月9日 マツダスタジアム
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 北海道札幌市厚別区
生年月日 (1995-11-10) 1995年11月10日(28歳)
身長
体重
182 cm
90 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2017年 ドラフト3位
初出場 2018年10月10日
年俸 1500万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
派遣歴

経歴

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プロ入り前

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札幌市立信濃小学校3年の時に「信濃スターズ」で野球を始め、札幌市立信濃中学校時代は江別リトルシニアに所属[2]。3年時には全国大会にも出場した[3]

高校は公立高校に進学することを考えていたが、偶然北星学園大学附属高等学校の監督の目に留まったことで、同高に進学[4]。1年夏からベンチ入りし、2年秋からはエースを務めたが[2]、3年夏は全国高等学校野球選手権南北海道大会札幌地区予選3回戦で札幌琴似工業に敗退するなど[5]、3年間で全道大会への出場は果たせなかった[4]。スカウトからの注目も集めていたためプロ志望届を提出したが指名されず、北海道内の大学に進学を予定していた[4]。しかし、三菱自動車岡崎に入社予定であった二木康太ドラフト会議千葉ロッテマリーンズに指名されたことにより、同社の高卒投手枠に1つ空きがでたため、同社の練習に参加することになり、その後入団することになった[4]

三菱自動車岡崎では、2年目までは制球に苦しみ思うような成績が残せなかった[4]。しかし、3年目に三菱自動車の不祥事の影響でチームが活動を自粛した際に、肉体改造に着手[4]。栄養学を学び、ウエイトトレーニングも始めた[3][4]。すると、直球の最速が143km/hから148km/hまで上昇し、4年目にはエースとして都市対抗野球予選に出場[3]。第1代表決定戦2回戦では東海理化を完封するなど活躍し、チーム4年ぶりの都市対抗野球出場に貢献した。

2017年10月26日に行われたドラフト会議では、千葉ロッテマリーンズから3位指名を受け、契約金6000万円、年俸1150万円(金額は推定)で契約した[6]。背番号は27[7]。担当スカウトは小林敦[8]

ロッテ時代

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2018年は、春季キャンプで2月12日に行われた紅白戦で、1回7四死球4失点と制球に苦しみ、一軍メンバー入りを逃した[9]。シーズンでは、イースタン・リーグで20試合に登板し、2勝3敗、防御率6.35だった[10]。イースタン・リーグ終了後の10月10日には、地元の札幌ドームで行われた北海道日本ハムファイターズ戦でプロ初登板・初先発登板を果たしたが、3回5安打4四球4失点(自責2)で敗戦投手となり[11]、この年はこの1登板のみに終わった[4]。シーズンオフの11月24日には、現状維持となる推定年俸1150万円で契約を更改した[12]

2019年は、一軍での登板はなかったが、二軍では47試合に登板し、1勝2敗1セーブ、防御率3.25を記録[13]。この年は主に中継ぎとして登板したが、46試合目に初めて先発として登板し3回無失点に抑えると、最終登板でも5回無失点に抑え[14]フェニックス・リーグでは先発5試合中3試合で無失点に抑えるなど、頭角を表した[15]。その後、10月25日には岡大海安田尚憲とともにプエルトリコ・ウィンターリーグクリオージョス・デ・カグアスに約1か月派遣されることが発表された[16]。帰国後の12月20日には、150万減となる推定年俸1000万円で契約を更改した[13]

2020年は、春季キャンプで行われた楽天モンキーズとの交流試合に登板するも、1回4四死球2失点と乱調で、その後は一軍での登板が無かった[17]。それでも二軍で結果を残し、7月14日に中継ぎとして2年ぶりに一軍に昇格すると、同19日の日本ハム戦(札幌ドーム)で2年ぶりとなる一軍登板を果たした[17]。この試合で1回無失点に抑えると、同29日から8月27日まで一軍登録を外れたものの[17]、初登板から登録抹消期間を挟んで9試合連続無失点に抑える好投を見せた[18]。その後、9月22日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦(楽天生命パーク宮城)では1回4失点と乱調だったが[17]、それ以外の11試合では全て無失点で抑え、12試合の登板で防御率2.63という成績を残した[19]。しかし、10月6日に新型コロナウイルスに感染した岩下大輝の濃厚接触者として特定され、岩下と最後に接触した同1日から2週間の隔離措置となり[20]、同6日に登録抹消となった[21]。その後は一軍に昇格することなく、シーズンを終えた。シーズンオフの12月4日には、100万円増となる推定年俸1100万円で契約を更改した[22]

2021年は、二軍で34試合に登板し前年の二軍成績(16試合で防御率3.96[23])を上回る防御率2.81を記録し、特に怪我などは無かったものの[24]、一軍登板は果たせなかった[25]。シーズンオフの12月10日には、100万円減となる推定年俸1000万円で契約を更改した[25]

2022年は、7月29日までに二軍で27試合に登板し、2勝1敗6セーブ、防御率2.87の成績を残していた[19]。6月頃からは抑えを任されるようになり、6月19日の東京ヤクルトスワローズ戦から5試合連続でセーブを挙げるなど、特に6月は10試合で10回を投げ防御率0.90、与四球は1つと、これまでの課題であった制球も改善された[19]

ヤクルト時代

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2022年7月29日、坂本光士郎とのトレードで東京ヤクルトスワローズへ移籍することが発表された[19]。背番号は43[26]。ともに中継ぎ左腕だったが、変則フォームの投手を求めたヤクルトと、球威で押すタイプの投手を求めたロッテの思惑が一致した[27]。8月9日の広島東洋カープ戦(マツダスタジアム)で8回途中から移籍後初登板し、連打こそ許したものの無失点に抑えた[28]

2023年は、開幕一軍入りは逃したものの、4月8日に一軍登録される[29]。6月20日の楽天戦(神宮球場)で3番手として登板し、2回を無安打無失点に抑え、プロ入り6年目にしてプロ初勝利を挙げた[30]。6月25日の中日ドラゴンズ戦(バンテリンドーム)では、6回に登板した丸山翔大が打者の村松開人を2ボール2ストライクまで追い込んだところで、山本にバトンタッチし最終的に三振に抑え、奪三振の記録が山本に付くという珍しい継投が行われた[31]

選手としての特徴

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右手を折りたたんで投げる、出どころが見づらくタイミングが合わせにくいフォームが特徴のサウスポーで「猫だまし投法」と命名している[4][32]。元々はしなやかできれいなフォームだったが、制球に苦しんでいた社会人時代に、先輩やコーチと相談していく中でこの投法を身につけた[4]。プロ1年目の春季キャンプ中に、ロッテの公式YouTubeチャンネルに公開された投球フォームの動画は、その年の春季キャンプ中で最も再生された動画となった[9]

社会人時代のストレートの最速は148km/h[3]。変化球はカットボールスライダーカーブチェンジアップを投じる[33]。チェンジアップはプロ2年目を終えたオフに参加したプエルトリコでのウィンターリーグで習得し、3年目から持ち球に加わっている[33]

人物

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愛称は「もっさん[34]

2020年1月6日に一般女性と結婚した[35]

北海道出身であり、小学生の時は地元の北海道日本ハムファイターズのファンクラブに入会していた[36]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2018 ロッテ 1 1 0 0 0 0 1 0 0 .000 17 3.0 5 0 4 0 0 1 0 0 4 2 6.00 3.00
2020 12 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 54 13.2 11 1 6 0 0 7 0 0 4 4 2.63 1.24
2022 ヤクルト 5 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 27 5.2 10 3 1 0 0 4 0 0 5 5 7.94 1.94
2023 42 0 0 0 0 2 0 0 9 1.000 148 35.1 32 4 13 4 3 26 2 0 11 10 2.55 1.27
2024 44 0 0 0 0 3 0 1 12 1.000 126 31.2 18 0 15 3 0 31 2 0 6 5 1.42 1.04
通算:5年 104 1 0 0 0 5 1 1 21 .833 372 89.1 76 8 39 7 3 69 4 0 30 26 2.62 1.29
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

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投手












2018 ロッテ 1 0 2 0 1 1.000
2020 12 1 3 0 0 1.000
2022 ヤクルト 5 0 1 0 0 1.000
2023 42 2 5 0 0 1.000
2024 44 1 4 0 0 1.000
通算 104 4 15 0 1 1.000
  • 2024年度シーズン終了時

記録

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初記録
投手記録
打撃記録
  • 初打席:2022年9月10日、対広島東洋カープ23回戦(明治神宮野球場)、3回裏に野村祐輔からニゴロ

背番号

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  • 27(2018年 - 2022年7月28日)
  • 43(2022年7月29日 - )

登場曲

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  • 「君に捧げる応援歌」HIPPY(2018年 - )

脚注

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  1. ^ ヤクルト - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年12月11日閲覧。
  2. ^ a b もう一人の「山本大貴」がドラフト上位候補に急浮上―三菱自動車岡崎の148キロ左腕”. スポーツニッポン (2017年10月23日). 2021年9月20日閲覧。
  3. ^ a b c d “三菱自動車岡崎・山本、指名漏れから上位指名候補に”. 日刊スポーツ. (2017年10月26日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/201710260000333_m.html 2022年8月4日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f g h i j 「3年やって会社勤めかな…」“猫だまし投法”ロッテ山本大貴の転機となった出来事”. Full-Count (2021年2月9日). 2022年8月4日閲覧。
  5. ^ 札幌琴似工 4-2 北星大付 全国高校野球選手権南北海道大会(地区大会3回戦)”. バーチャル高校野球. 2022年8月4日閲覧。
  6. ^ ロッテ3位山本契約「プロの世界でも」剛球で奪三振”. 日刊スポーツ (2017年11月26日). 2021年9月20日閲覧。
  7. ^ “ロッテ1位安田「5」2位藤岡は「4」新人背番号発表”. 日刊スポーツ. (2017年12月5日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/201712050000316_m.html 2022年8月6日閲覧。 
  8. ^ ロッテ3位指名の山本にあいさつ「当日朝、なんとなくマリーンズではないかなあと…ビックリしました」”. スポーツニッポン (2017年10月30日). 2021年9月20日閲覧。
  9. ^ a b 不器用な“猫だまし” 千葉ロッテ・山本大貴”. パ・リーグインサイト (2018年4月7日). 2022年8月7日閲覧。
  10. ^ 2018年度 千葉ロッテマリーンズ 個人投手成績(イースタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2022年8月7日閲覧。
  11. ^ a b “ロッテ山本4失点ほろ苦デビュー「課題オフに修正」”. 日刊スポーツ. (2018年10月10日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/201810100000887_m.html 2022年8月7日閲覧。 
  12. ^ “【24日の主な契約更改】中日・小笠原は現状維持2100万円 未勝利の楽天・安楽は400万円減”. スポーツニッポン. (2018年11月24日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/11/24/kiji/20181124s00001173404000c.html 2022年8月7日閲覧。 
  13. ^ a b ロッテ山本150万減「1軍登板目標。体には自信」”. 日刊スポーツ (2019年12月20日). 2021年9月20日閲覧。
  14. ^ 2019年9月26日 (木)”. 日本野球機構. 2022年8月7日閲覧。
  15. ^ ロッテ山本大貴が浦和で見せた光。大隣コーチが教えた「心を整える」。”. Number web (2019年12月12日). 2022年8月7日閲覧。
  16. ^ 岡選手・山本投手・安田選手 プエルトリコのウィンターリーグ派遣のお知らせ”. 千葉ロッテマリーンズ (2019年10月25日). 2020年1月28日閲覧。
  17. ^ a b c d “メンタル”、“修正力”、“思考力”の向上が見えたロッテ・山本大貴”. ベースボールキング (2020年12月7日). 2022年8月7日閲覧。
  18. ^ “ロッテ山本大貴100万増サイン「負けない直球を」”. 日刊スポーツ. (2020年12月4日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202012040000485_m.html 2022年8月7日閲覧。 
  19. ^ a b c d 「チャンスを生かすことが出来るように」山本大貴よ、新天地で花を咲かせるんだ!”. ベースボールキング (2022年7月29日). 2022年8月7日閲覧。
  20. ^ “<千葉ロッテ>11人の感染確認 井口監督「仕方ない」 熊谷市長「新たなヒーローを」”. 千葉日報. (2020年10月6日). https://www.chibanippo.co.jp/sports/lotte/729232 2022年8月7日閲覧。 
  21. ^ “【6日の公示】ロッテ・佐々木千、藤原ら11選手「特例2020代替」で登録”. スポーツニッポン. (2020年10月6日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/10/06/kiji/20201006s00001173226000c.html 2022年8月7日閲覧。 
  22. ^ ロッテ・山本 100万円増の1100万円で契約更改「勝ちパターンで投げたい」”. Sponichi Annex (2020年12月4日). 2021年9月19日閲覧。
  23. ^ 2020年度 千葉ロッテマリーンズ 個人投手成績(イースタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2022年8月7日閲覧。
  24. ^ 『プロ野球選手カラー名鑑2022』日刊スポーツマガジン。 
  25. ^ a b ロッテ山本大貴「悔しい」100万円減 2軍で34試合も1軍登板なし”. 日刊スポーツ (2021年12月10日). 2021年12月11日閲覧。
  26. ^ トレード成立のお知らせ”. 東京ヤクルトスワローズ (2022年7月29日). 2022年7月29日閲覧。
  27. ^ “ヤクルト・坂本とロッテ・山本大のトレード発表 ともに中継ぎ左腕も“柔と剛”投球スタイルは対照的”. スポーツニッポン. (2022年7月30日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/07/30/kiji/20220730s00001173068000c.html 2022年8月7日閲覧。 
  28. ^ “【ヤクルト】山本大貴が移籍後初登板、連打許すも無失点で切り抜ける けん制で西川龍馬アウトに”. 日刊スポーツ. (2023年8月9日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202208090001383.html 2023年11月1日閲覧。 
  29. ^ “【セ・リーグ公示】4月8日 ヤクルト、山本大貴を登録”. サンスポ. (2023年4月8日). https://www.sanspo.com/article/20230408-GF5IGQS6VRNCDC5ORNZPVL5ZPI/ 2023年11月1日閲覧。 
  30. ^ “【ヒーロートーク】プロ初勝利のヤクルト・山本大貴、初めてのお立ち台は「立ってみて最高だなと思いました」”. サンスポ. (2023年6月20日). https://www.sanspo.com/article/20230620-AU2LFKNU5JDMHBBV527HOT46LA/ 2023年11月1日閲覧。 
  31. ^ “【ヤクルト】カウント2-2から投手交代の珍継投 後続の山本大貴に奪三振の記録”. 日刊スポーツ. (2023年6月25日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202306250000904.html 2023年11月1日閲覧。 
  32. ^ ロッテ3位山本猫だまし投法、成瀬は招き猫で90勝”. 日刊スポーツ (2018年1月16日). 2018年1月16日閲覧。
  33. ^ a b 札幌ドームで成長した姿を見せたロッテ・山本大貴”. BASEBALL KING (2020年7月21日). 2021年9月19日閲覧。
  34. ^ 27 山本 大貴選手名鑑2021 |千葉ロッテマリーンズ”. 千葉ロッテマリーンズ オフィシャルサイト. 2022年1月10日閲覧。
  35. ^ 【ロッテ】山本、一般女性と結婚”. スポーツ報知 (2020年2月13日). 2020年2月13日閲覧。
  36. ^ ロッテ、ドラ3山本と契約合意 契約金6000万、年俸1150万円 「先発で勝ちたい」”. デイリースポーツ (2017年11月26日). 2021年9月20日閲覧。
  37. ^ “ヤクルト 6年目左腕の山本がプロ初勝利 「ホントにびっくり。自分じゃないとぼーっとしていた」”. スポーツニッポン. (2023年6月20日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2023/06/20/kiji/20230620s00001173623000c.html 2023年6月21日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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