山ヶ鼻古墳
山ヶ鼻古墳(やまがはなこふん、古海13号墳)は、鳥取県鳥取市古海(ふるみ)にある古墳。形状は方墳と推定される。古海古墳群を構成する古墳の1つ。鳥取県指定史跡に指定されている。
山ヶ鼻古墳 | |
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横口式石槨開口部 | |
別名 | 古海13号墳 |
所属 | 古海古墳群 |
所在地 | 鳥取県鳥取市古海 |
位置 | 北緯35度29分25.62秒 東経134度11分47.57秒 / 北緯35.4904500度 東経134.1965472度座標: 北緯35度29分25.62秒 東経134度11分47.57秒 / 北緯35.4904500度 東経134.1965472度 |
形状 | (推定)方墳 |
規模 | 一辺11-17m |
埋葬施設 | 横口式石槨 |
築造時期 | 7世紀中葉 |
史跡 | 鳥取県指定史跡「山ヶ鼻古墳」 |
地図 |
概要
編集鳥取県東部、千代川下流西岸の、野坂川に沿って北東に延びる丘陵上の尾根先端部に築造された古墳である。丘陵上には本古墳のほかにも多数の古墳が分布し、古海古墳群を形成する。現在までに墳丘は失われている。
元々の墳形は明らかでないが、一辺11-13メートル程度の方形と推定される[1]。埋葬施設は横口式石槨で、南方向に開口する。凝灰岩を刳り抜いた石槨部の前面に巨石を用いた羨道を付す構造であり、畿内の横口式石槨の特徴を示す。古くから開口するため、石槨内の副葬品は詳らかでない[2]。
築造時期は、古墳時代終末期の7世紀中葉頃と推定される[1]。畿内的な横口式石槨を持つ古墳として、古墳時代最終段階における畿内と因幡地方の関係を考察するうえで重要視される古墳になる[1]。
埋葬施設
編集埋葬施設としては横口式石槨が構築されており、南方向に開口する。石槨部の前面に羨道を付す構造である。石槨の規模は次の通り[2]。
- 石槨全長:約5.1メートル
- 石槨部:長さ2メートル、幅1.08メートル、高さ0.71-0.94メートル
- 羨道:長さ3.1メートル、幅1.4-1.5メートル、高さ1.0-1.6メートル
石槨部は凝灰岩系の石材で、平らな床石の上に内部を刳り抜いた蓋石を被せることで構築される。左側には袖を付し、床石には蓋石を置くための深さ6センチメートルの切り込みが認められる。玄門部は台形で、床面には閉塞板を置くための深さ3センチメートルの切り込みが認められる。羨道では、側壁は一枚石で、天井石は巨石の一枚石である。羨道天井石との組み合せのため、石槨部の蓋石には段が形成されている[2]。
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石槨部(奥壁方向)
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石槨部(開口部方向)
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羨道(開口部方向)
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羨道(石槨部方向)
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開口部
文化財
編集鳥取県指定文化財
編集- 史跡
- 山ヶ鼻古墳 - 1991年(平成3年)3月26日指定[1]。
脚注
編集参考文献
編集- 平川誠「山ケ鼻古墳」『日本古墳大辞典』東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607。
- 「山ヶ鼻古墳」『鳥取県の地名』平凡社〈日本歴史地名大系32〉、1992年。ISBN 4582490328。
外部リンク
編集- 山ヶ鼻古墳 - 鳥取県ホームページ「とっとり文化財ナビ」