小保戸遺跡
小保戸遺跡(こほといせき)は、神奈川県相模原市緑区小倉にある旧石器時代から近世にかけての複合遺跡。発掘調査により、旧石器時代の建物跡と考えられる環状の礫集中が検出された。
概要
編集相模川上流部、串川との合流地点に面した標高132メートルほどの河岸段丘上に立地する[1]。西側の上位段丘面に大保戸遺跡、串川を挟んだ対岸に津久井城跡が存在する。
圏央道(国道468号)の建設に伴い、2007年(平成19年)2月からかながわ考古学財団が発掘調査を開始[1]。その結果、中・近世の耕作地に関連した遺構、縄文時代の竪穴建物、縄文土器のほか、旧石器時代の建物跡と見られる遺構が検出された。旧石器時代の建物跡は、環状(円状)に礫(れき)が並べられ、その中央に炉の跡があった。出土した炭化物を放射性炭素年代測定により年代測定したところ、2万3000年前という年代が測定され、同じ相模原市に存在する田名向原遺跡や大阪府藤井寺市のはさみ山遺跡と並ぶ事例であることが判明した[2][3]。
現在は遺跡範囲のほとんどが発掘調査されたのち、圏央道相模原インターチェンジとなっている。
脚注
編集- ^ a b かながわ考古学財団 2012
- ^ 栗原・御堂島 2011.
- ^ 戸羽ほか 2013.
参考文献
編集- 栗原伸好、御堂島正「小保戸遺跡の環状分布を呈する礫群(速報)」『第17回考古学講座ーかながわの旧石器時代のムラと住まいを探る』2010年3月7日(原著2010年3月7日)。 NCID BB02244572。CRID 1130282270243371264 。
- 鈴木次郎、安蒜政雄、畠中俊明、小池聡、中村喜代重、諏訪間順、伊藤健、吉田政行 ほか『第17回考古学講座ーかながわの旧石器時代のムラと住まいを探る」記録集』2011年3月6日(原著2011年3月6日)。doi:10.24484/sitereports.19116 。
- 戸羽康一、大塚健一、木村吉行、栗原伸好、畠中俊明、宮坂淳一『小保戸遺跡』 288巻神奈川県横浜市南区中村町3丁目191番地1〈かながわ考古学財団調査報告〉、2013年3月15日(原著2013年3月15日)。 NCID BB1211518X 。
関連項目
編集外部リンク
編集座標: 北緯35度34分51.6秒 東経139度17分36.0秒 / 北緯35.581000度 東経139.293333度