専門職大学院

高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とする大学院

専門職大学院(せんもんしょくだいがくいん、: Professional school プロフェッショナル・スクール)とは、「大学院のうち、学術理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするもの」のことである(学校教育法第99条第2項)。アメリカ合衆国のプロフェッショナル・スクールに範をとって導入された。

概説

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大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力、総合的、包括的な技能を培い、文化の進展に寄与することを目的としている(学校教育法第99条第1項)。専門職大学院は、大学院のうち、高度専門職業人の養成などを行うものである。

専門職大学院の課程は、「各大学におかれる大学院」に専門職学位課程(専門職学位課程については大学院の項目を参照のこと)をおくことで設けられる。専門職学位課程(専門職大学院の課程)の標準修業年限は、通例2年であるが、法科大学院は3年であるし、専攻分野の特性により特に必要があると認められる場合は1年以上2年未満である。修了するには、各専門職大学院が定める30単位以上の修得その他の教育課程の履修により課程を修了することとされている。

専門職大学院には、担当する専門分野に関し高度の教育上の指導能力があると認められる専任教員を、専攻ごとに一定数置くものとされている。この専任教員には、博士学位は、法令上は求められていない。しかし、従来の大学設置基準とは異なってファカルティ・ディベロップメントによる教員の能力開発が求められている。

専門職大学院であって、法曹に必要な学識及び能力を培うことを目的とするものは、法科大学院と呼ばれる。法科大学院の課程の標準修業年限は、通常の専門職学位課程(専門職大学院の課程)と異なり、3年である。法科大学院の課程を修了するには、93単位以上の単位を修得しなければならない。

専門職大学院の課程を修了すると授与される学位は専門職学位とされ、法科大学院の課程を修了すると「法務博士(専門職)」の学位が、教職大学院の課程を修了すると「教職修士(専門職)」の学位が、その他の専門職大学院の課程を修了すると「○○修士(専門職)」(○○内は専攻分野)の学位が授与される。法科大学院の課程を修了して授与される専門職学位は、呼称上はアメリカ合衆国ロー・スクールのJuris Doctor (J.D.) をそのまま日本語訳にした用語を採用したため、「博士」の名称を含んだものとなっている。もっとも、法科大学院の課程を修了して博士後期課程に進学する際などでは、修士の水準のものとして扱われることになる。

2014年10月以降に厚生労働大臣の指定を受けた専門職大学院の講座は専門実践教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金の対象となり、一定の要件を満たす場合は学費(入学金や授業料)の一部が雇用保険給付制度から支給されることになった。

主な専門職大学院

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専門職大学院には、次のようなものがみられる[1]。専門職大学院設置基準上に明文あるものについては、授与する専門職学位の種類について学位規則上に明示されている。

専門職大学院設置基準上に明文あるもの

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専門職大学院設置基準上に明文ないもの

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代表分野

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その他

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  • ICT専門職大学院 / 産業技術系専門職大学院 - 修了者には分野に応じた技術系専門職学位が授与されるとともに、技術士試験科目が一部免除される。
  • 社会福祉大学院 - 修了者には、修士 (社会福祉学) (en:Master of Social Work) ・博士 (社会福祉学) (en:Doctor of Social Work) で授与される、近年では学位名称も多様化してきており、例えば立教大学では修士 (コミュニティ福祉学)が、東洋大学では修士 (ソーシャルワーク) ・博士 (ソーシャルワーク) が授与されている。 専門職大学院は、現在、日本社会事業大学のみが設置し、福祉マネジメント修士(専門職) の専門職学位を授与している。なお、国家資格である社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、社会福祉主事、ケースワーカーなどの受験資格と社会福祉大学院は無関係であり、社会福祉大学院を修了しても受験資格を得ることはできない。
  • 東京大学大学院工学系研究科原子力専攻(専門職大学院) - 修了者には原子炉主任技術者口答試験の受験資格が与えられる。規定の科目を修了した者は原子炉主任技術者核燃料取扱主任者の筆記試験において原子力法規以外の科目の受験が免除される。

など

専門大学院

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専門大学院(せんもんだいがくいん)は、専門職大学院の制度を定めるときに母体となった制度である。「高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を専ら養うことを目的とする修士課程」をいった。専門職大学院制度の創設とともに廃止された。

脚注

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関連項目

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外部リンク

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