富士の介
概要
編集海に面していない山梨県だが、淡水魚の養殖は古くから盛んである[3]。山梨県の発表ではニジマスの生産量は日本3位、イワナやヤマメなども2位となっている[3]。
キングサーモンのおいしさとニジマスの育てやすさを併せ持つ養殖魚として開発されたのが富士の介である[3]。
2019年10月2日に信玄の湯 湯村温泉(甲府市)のホテルで初めての出荷式が開催され、富士の介の切り身の炙り、昆布締め、マリネなどの料理が振る舞われた[3]。
山梨県立富士湧水の里水族館では2017年12月14日より富士の介の常設展示が行われている[4]。
開発の経緯
編集キングサーモンは味が良いが養殖には適していない[5]。そこで、キングサーモンの味を引き継ぎつつ、養殖しやすくするために2007年より山梨県水産技術センターで交配を始めた[5]。
生産
編集山梨県水産技術センターが生産した卵を県内の養殖業者に供給して、安全な餌の使用や出荷時の肉色といった基準を満たしたものを「富士の介」ブランドで出荷する[3]。
養殖場での飼育は2017年に開始され[3]、3年の養殖期間で全長約70センチメートル、重さ3キログラムほどに成長する[3]。2019年時点では山梨県内7か所の養殖場で富士の介を飼育しており、養殖期間2年で2キログラム以上に育ったものを目安として出荷する[3][5]。
2020年の出荷量は約20トンだった[6]。
出典
編集- ^ “【河口湖】山梨県厳選の「本物のおいしさ」に出会える「旅の駅 kawaguchiko base」”. 楽天トラベル (2022年7月1日). 2024年8月8日閲覧。
- ^ 島文華、浅沼黎、兼安敬久、市村政樹、高橋英佑、山羽悦郎、藤本貴史、荒井克俊「カラフトマスとサクラマス間の正逆雑種における遺伝的性の偏り」『日本水産学会誌』第87巻第5号、2021年、doi:10.2331/suisan.20-00036。
- ^ a b c d e f g h i 吉沢龍彦「山梨)ブランド魚「富士の介」初出荷 さかなクンも感動」『朝日新聞』2019年10月3日。2024年8月8日閲覧。
- ^ 野口憲太「山梨)新ブランド魚「富士の介」を展示 忍野の水族館」『朝日新聞』2017年12月15日。2024年8月8日閲覧。
- ^ a b c d 「山梨県のブランド魚「富士の介」初出荷式」『日本経済新聞』2019年10月2日。2024年8月8日閲覧。
- ^ 「「富士の介」フェア、31施設で 山梨県のブランド魚」『日本経済新聞』2020年11月9日。2024年8月8日閲覧。
外部リンク
編集- 富士の介のご紹介 - 山梨県養殖漁業協同組合
- 富士の介(キングサーモン×ニジマス)について - 山梨県公式ページ