宮本 又次(みやもと またじ、1907年3月5日 - 1991年3月12日)は、日本歴史学者。専攻は、日本経済史・近世商業史。経済学博士九州大学)。大阪大学名誉教授。日本学士院会員文化功労者

みやもと またじ

宮本 又次
生誕 1907年3月5日
日本の旗 日本大阪府
死没 1991年3月12日
国籍 日本の旗 日本
出身校 京都帝国大学
職業 歴史学者
活動期間 20世紀
著名な実績
  • 「江戸時代問屋の研究」
  • 『関西と関東』
  • 小野組の研究』
活動拠点 日本の旗 日本
彦根高等商業学校
九州帝国大学
大阪大学
関西学院大学
福山大学
肩書き 九州大学経済学博士
日本学士院会員
文化功労者
受賞 日経・経済図書文化賞
日本エッセイスト・クラブ賞
恩賜賞日本学士院賞
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人物

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大阪府大阪市生まれ。旧制大阪府立市岡中学校大阪外国語学校仏語部を経て、1931年(昭和6年)京都帝国大学経済学部卒業[1]同大学院修了。同大学助手、日本経済史研究所を経て[2]、1939年(昭和14年)彦根高等商業学校(現・滋賀大学経済学部)教授。

1942年(昭和17年)九州帝国大学助教授、1945年(昭和20年)同教授。1950年(昭和25年)九州大学より経済学博士学位を取得、学位論文は「江戸時代問屋の研究」。1951年(昭和26年)大阪大学教授、1961年(昭和36年)大学附属図書館長、1963年(昭和38年)経済学部長、1970年(昭和45年)定年退官、名誉教授。退官後は関西学院大学福山大学で教授を務めた。1975年(昭和50年)経営史学会会長[1]

 
淀屋の碑(宮本又次による碑文、淀屋橋南詰西側)

第1回(1958年度)日経・経済図書文化賞を『大阪町人』『大阪商人 : 続大阪町人』で受賞。1967年(昭和42年)『関西と関東』で日本エッセイスト・クラブ賞、1971年(昭和46年)『小野組の研究』で恩賜賞日本学士院賞受賞[3]。1979年(昭和54年)日本学士院会員、1988年(昭和63年)文化功労者。大阪の地誌、風土記、また豪商列伝のような一般書まで、著作の量は厖大であり[4]、著作集全10巻がある。1982年(昭和57年)1月には講書始の儀に招かれ「近世商人の経営理念」を進講する[5]。また同年に放送されたNHK大河ドラマ峠の群像』の監修を務めた。

長男の宮本又郎日本経済史の研究者。

栄典

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著書

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単著

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  • 株仲間の研究』有斐閣(日本経済史研究所研究叢書)1938年
  • 『フランス経済史概説』有斐閣(日本経済史研究所研究叢書)1942年
  • 『あきなひと商人』ダイヤモンド社、1942年
  • 『日本商業史』竜吟社(日本経済史叢書)1943年
  • 『日本経済史講話』ダイヤモンド社、1946年
  • 『経済史上の明治維新』大八洲出版、1947年
  • 『歴史と経済社会』巌松堂書店(経済社会史の研究その1)1947年
  • 『日本封建主義の再出発 近世初頭の経済政策』大八洲出版、1948年
  • 『商業と商人』三省堂出版(社会科文庫)1949年
  • 『日本近世問屋制の研究 近世問屋制の形成』刀江書院、1951年、『続日本近世問屋制の研究 近世問屋制の転形』三和書房、1954年/『日本近世問屋制の研究』刀江書院、1971年
  • 『近代資本主義の生成』松山商科大学消費組合、1952年
  • 『日本商業史概論』世界思想社、1954年
  • 『概説日本経済史』日本評論新社、1956年
  • 『西欧の史的回想 経済と歴史との交錯』日本評論新社、1956年
  • 『大阪』至文堂(日本歴史新書)1957年
  • 『大阪町人』弘文堂(アテネ新書)1957年
  • 『日本ギルドの解放 明治維新と株仲間』有斐閣(大阪大学経済学部社会経済研究室研究叢書)1957年
  • 『大阪商人 続大阪町人』弘文堂(アテネ新書)1958年/『大阪商人』講談社講談社学術文庫) 2010年
  • 鴻池善右衛門吉川弘文館(人物叢書)1958年
  • 『ギリシヤ社会経済史』弘文堂(アテネ新書)1958年
  • 『九州』弘文堂(風土記経済史)1959年
  • 『大阪町人論』ミネルヴァ書房、1959年
  • 『府県史誌の編集について』大阪府史編集資料室、1959年
  • 『大阪人物誌 大阪を築いた人』弘文堂(アテネ新書)1960年
  • 『フランス経済史学史』ミネルヴァ書房、1961年
  • 『大阪今昔 町と人』社会思想社(現代教養文庫)1962年
  • 『金づくり列伝』日本経済新聞社、1962年/『豪商 日本の町人』(日経新書)1970年/『豪商列伝』講談社(講談社学術文庫)2003年
  • 『経済社会史論考』三和書房、1964年
  • 『大阪商人・その土性骨のうつりかわり』中外書房、1968年
  • 小野組の研究』〔全4巻〕新生社、1970年
  • 『近世商人風土記』日本評論社、1971年
  • 『明治前期経済史の研究』清文堂出版、1971年
  • 『関西文明と風土』至誠堂(至誠堂新書)1971年
  • 『企業にしひがし 経営風土と企業家像』日本経済新聞社、1973年
  • 『大阪の風俗』毎日放送、1973年
  • 『大阪繁昌記』新和出版、1973年
  • 『江戸札差と住友家』住友銀行行史編纂委員会、1975年
  • 宮本又次著作集』〔全10巻〕講談社、1977-78年
  • 『私の研究遍歴 経済史・経営史・郷土史』大原新生社、1978年
  • 『近世日本経営史論考』東洋文化社、1979年
  • 『大阪文化史論』文献出版、1979年
  • 『大阪経済文化史談義』文献出版、1980年
  • 五代友厚伝』有斐閣、1981年
  • 『難波潟吹き寄せ』大原新生社、1981年
  • 『町人社会の学芸と懐徳堂』文献出版、1982年
  • 『町人社会の人間群像』ぺりかん社、1982年
  • 『日本町人道の研究 商人心の原点を探る』PHP研究所、1982年
  • 『先学追慕』思文閣出版、1982年
  • 『大阪経済人と文化』実務出版、1983年
  • 『浪速津夕映え』清文堂出版、1984年
  • 『近世大阪の経済と町制』文献出版、1985年
  • 『近代大阪の展開と人物誌』文献出版、1986年
  • 『近世なにわ商人の風習と年中行事』文献出版、1988年
  • 住友家の家訓と金融史の研究』同文館出版、1988年
  • 『随想大阪繁盛録』文献出版、1991年


  • 『近世商業組織の研究』有斐閣(日本商業史の研究その1)1939年
  • 『近世商人意識の研究 家訓及店則と日本商人道』有斐閣(日本商業史の研究その2)1941年
  • 『近世商業経営の研究』大八洲出版(日本商業史の研究その3)1948年
  • 『経済社会史序説』三和書房(西洋経済社会史第1分冊)1953年
  • 『古典古代の盛衰』三和書房(西洋経済社会史第2分冊)1952年
  • 『大阪商人太平記 明治維新篇』創元社、1960年
  • 『大阪商人太平記 明治中期篇』創元社、1961年
  • 『大阪商人太平記 明治後期篇 上』創元社、1962年
  • 『大阪商人太平記 明治後期篇 下』創元社、1963年
  • 『大阪商人太平記 大正篇 上』創元社、1964年
  • 『船場』ミネルヴァ書房(風土記大阪第1集)1960年
  • 『キタ 中之島・堂島・曽根崎・梅田』ミネルヴァ書房(風土記大阪第2集)1964年
  • 『てんま 界隈』大阪天満宮(風土記大阪第3集)1977年
  • 『関西と関東』青蛙房(青蛙選書)1966年/文藝春秋(文春学藝ライブラリー)2014年
  • 『上方と坂東』青蛙房(青蛙選書)1969年
  • 『京阪と江戸』青蛙房(青蛙選書)1974年

編著

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  • 『九州経済史研究』三和書房(経済史研究第1集)1953年
  • 『農村構造の史的分析』日本評論新社(経済史研究第2集)1955年
  • 『九州経済史論集』〔全3巻〕福岡商工会議所、1954-58年
  • 『藩社会の研究』ミネルヴァ書房、1960年
  • 『大阪の研究』〔全5巻〕清文堂出版、1967-70年
  • 『上方の研究』〔全5巻〕清文堂出版、1972-77年
  • 『日本経済史』青林書院新社(基礎経済学大系5)1977年

共著

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  • 『大阪文化史 経済と法制』石井良助共著、有斐閣、1955年
  • 『経済変動の歴史的研究』合田裕作共著、有斐閣、1965年
  • 『日本的経営とは何か』岡本幸雄共著、雄渾社、1968年
  • 『日本貿易人の系譜 総合商社への道のり』内田勝敏共著、有斐閣(有斐閣選書)1980年

脚注

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  1. ^ a b 『宮本又次著作集』第10巻、pp.417-424、年譜
  2. ^ 『出身県別:現代人物事典 西日本版』サン・データ・システム、1980年、p.1015
  3. ^ 恩賜賞・日本学士院賞・日本学士院エジンバラ公賞授賞一覧 第61回(昭和46年5月27日)
  4. ^ 単著112冊、共著・編著・編集書110冊、※『大阪商人』(講談社学術文庫)2010年、解説/宮本又郎、p.346
  5. ^ 「皇居で恒例の講書始」『朝日新聞』東京本社、1982年(昭和57年)1月8日付、夕刊3版10面
  6. ^ 『官報』号外第34号、1978年(昭和53年)5月2日、p.4
  7. ^ 『官報』第616号、1991年(平成3年)4月15日、p.10