安蘇谷 正彦(あそや まさひこ、1940年11月30日 - )は、日本神道学者國學院大學元学長[1]栃木県佐野市出身。

略歴

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栃木県佐野市田沼町(生誕時は単独町制)にある一瓶塚稲荷神社の宮司の家系に生まれ、國學院大學文学部神道学科に進学。同大学大学院の修士課程修了後にフルブライト・プログラムにより渡米し、米国でも修士号を取得。帰国後には國學院大學に戻って博士課程に進み、満期退学後はそのまま専任講師から教授へと進んだ。この間、1990年(平成2年)には学位論文『神道の生死観 : 神道思想と「死」』により同大学より文学博士号を授与されている[2]

2002年(平成14年)、同大学が文学部神道学科を改組し全国初の「神道文化学部」を設置した際には、安蘇谷が初代学部長として選任された。その2年後、2004年(平成16年)には同大学の学長に選任され、7年間務めた後の2011年(平成23年)に退任し、同大学の名誉教授となった。退任後は実家の一瓶塚稲荷神社に戻り、宮司を務めていたが、その後に息子で歯科医の安蘇谷幸治に同職を譲っている。2018年(平成30年)には秋の叙勲で瑞宝中綬章を受章している。

下記の著作目録や学位論文のとおり、日本伝統の神道、特にその死生観についての研究を進めている。

著書

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単著

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  • 『神道思想の形成』 ぺりかん社、1985年6月
  • 『神道の生死観 神道思想と「死」の問題』 ぺりかん社、1989年6月
  • 『天皇の祭りと政教分離』 展転社、1990年10月
  • 『日本の伝統と宗教』 ぺりかん社、1992年4月
  • 『神道とはなにか』 ぺりかん社、1994年4月
  • 『現代社会と神道 神道神学試論』 ぺりかん社、1996年6月
  • 『現代の諸問題と神道』 ぺりかん社、2001年8月
  • 『こんなに身近な日本の神々』 毎日新聞社、2004年10月

編著

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  • 『神葬祭資料集成』 ぺりかん社、1995年3月

脚注

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  1. ^ a b 平成30年秋の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. 2024年9月5日閲覧。
  2. ^ a b 神道の生死観 : 神道思想と「死」”. CiNii. 国立情報学研究所. 2024年9月5日閲覧。

外部リンク

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学職
先代
阿部美哉
國學院大學学長
2004年 - 2011年
次代
赤井益久