宇津駅
かつて日本の北海道興部町にあった北海道旅客鉄道の駅
宇津駅(うつえき)は、かつて北海道(網走支庁)紋別郡興部町字宇津に設置されていた、北海道旅客鉄道(JR北海道)名寄本線の駅(廃駅)である。事務管理コードは▲122111[3]。
宇津駅 | |
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宇津駅舎模型(道の駅おこっぺ) | |
うつ Utsu | |
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所在地 | 北海道紋別郡興部町字宇津 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | 名寄本線 |
キロ程 | 58.6 km(名寄起点) |
電報略号 | ウツ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
開業年月日 | 1921年(大正10年)10月5日[1] |
廃止年月日 | 1989年(平成元年)5月1日[1] |
備考 | 名寄本線廃線に伴い廃駅 |
歴史
編集- 1921年(大正10年)10月5日 - 鉄道省名寄線の上興部 - 興部間の延伸開通(名寄線全通)に伴い、開業[1][4]。一般駅[1]。
- 1923年(大正12年)11月5日 - 路線名を名寄本線に改称、それに伴い同線の駅となる。
- 1949年(昭和24年)6月1日 - 日本国有鉄道に移管。
- 1978年(昭和53年)12月1日 - 貨物・荷物の取り扱いを廃止[1][5]。駅員無配置駅となり[6]、簡易委託化[7]。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR北海道に継承[1]。
- 1989年(平成元年)5月1日 - 名寄本線の全線廃止に伴い、廃駅となる[1]。
駅名の由来
編集当駅が所在した地名より。アイヌ語の「ウッ[8]」(肋骨、転じて横の川)に由来している[9]。
「ウッ」、あるいは「ウッナイ[10]」(肋骨・川)に由来する地名・駅名は北海道内各地にある(宗谷本線歌内駅など)が、本流の両岸から小さい支流が流れ込む様を、背骨とあばら骨にたとえた地名である[11][12][9]。
駅構造
編集廃止時点で、1面1線の単式ホームを有する地上駅であった。プラットホームは、線路の南西側(遠軽方面に向かって右手側)に存在した[11]。そのほか旧貨物線線である、名寄方から駅舎側に分岐し駅舎西側のホーム切欠き部分への側線を1線有した[11]。かつては2面2線の相対式ホームを有する、列車交換可能な交換駅であった。交換設備運用廃止後は線路は撤去されたが、ホーム前後の線路は転轍機の名残で湾曲していた[11]。
無人駅となっていたが、有人駅時代の駅舎が残っていた。駅舎は構内の南西側に位置し、ホーム中央部分に接していた。開業以来の古い木造駅舎であった[13]。
利用状況
編集乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。
年度 | 乗車人員 | 出典 | 備考 | |
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年間 | 1日平均 | |||
1978年(昭和53年) | 43 | [14] |
駅周辺
編集駅跡
編集2000年(平成12年)時点で空地となっており、駅までの舗装道路のみが残存していた[13]。2010年(平成22年)時点でも同様で[16]、2011年(平成23年)時点でも更地であり何も残っていなかった[17]。
隣の駅
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、910頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 1948年撮影航空写真(国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス)
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、242頁。doi:10.11501/1873236 。2023年3月21日閲覧。
- ^ 『官報』 1921年09月27日 鉄道省告示第129号(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「日本国有鉄道公示第157号」『官報』1978年11月28日。
- ^ 「通報 ●名寄本線中名寄駅ほか11駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1978年11月28日、4面。
- ^ 興部町百年史 平成5年3月発行。
- ^ アイヌ語ラテン翻字: ut
- ^ a b “アイヌ語地名リスト イチャ~エリ P11-20”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
- ^ アイヌ語ラテン翻字: ut-nay
- ^ a b c d 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館、1983年7月発行)209ページより。
- ^ 書籍『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』(監修:太田幸夫、富士コンテム、2004年2月発行)186ページより。
- ^ a b 書籍『鉄道廃線跡を歩くVII』(JTBパブリッシング、2000年1月発行)40ページより。
- ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、904頁。doi:10.11501/12065814 。
- ^ a b c 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)18ページより。
- ^ 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング、2010年4月発行)34ページより。
- ^ 書籍『北海道の鉄道廃線跡』(著:本久公洋、北海道新聞社、2011年9月発行)118ページより。