大津町駅 (愛知県)
大津町駅(おおつまちえき)は、かつて愛知県名古屋市中区にあった名古屋鉄道瀬戸線の駅(廃駅)である。
大津町駅 | |
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![]() 戦時中の大津町駅 | |
おおつまち Otsumachi | |
◄本町 (0.3 km) (1.2 km) 土居下*► | |
所在地 | 名古屋市中区 |
所属事業者 | ■名古屋鉄道 |
所属路線 | 瀬戸線 |
キロ程 | 1.0 km(堀川起点) |
駅構造 | 地上駅(掘割構造) |
ホーム | 相対式 2面2線 |
開業年月日 | 1926年(大正15年)5月26日[1] |
廃止年月日 | 1976年(昭和51年)2月15日 |
備考 |
新線建設に伴う廃止。 *瀬戸方0.9km先にある東大手駅は廃止時休止中 |
栄町駅への延伸工事に伴うお濠区間の廃線とともに、駅も廃止となった。
駅の名称は大津町であるが、市電電停やバス停の名称と混同され、一般には大津橋と呼ばれることがよくあった。
概要
編集近くには、愛知県庁や名古屋市役所などの官庁街があり、また、市電・市バス大津橋停留所や名鉄バス・国鉄バス県庁前バス停などに隣接していたため、栄や名古屋駅方面への乗り換えが可能で、さらに後年には北側に名古屋市営地下鉄名城線の市役所駅(現:名古屋城駅)が開設されるなど、都心北部の交通の要所であった。
当駅が廃止された際に東大手駅が復活した後は、当駅に代わって東大手駅が急行停車駅となり、現在に至っている。
年表
編集駅構造
編集名古屋城の外堀を利用した掘割構造の相対式2面2線のホームで、上下線のホームは構内踏切で連絡されており、下りホームは大津橋の下に半分ほどかかっていた。駅舎は上りホーム側に設置されており、外堀の中とはいえ木造の立派な物で、2階建ての売店などもあり、昭和40年代に増築も行われた。
いわゆる「お濠区間」では最も乗降客が多かったこと、本町駅にあったガントレットの関係で堀川駅までが1つの閉塞区間とされていたこと、同駅までは市電と並行していたことなどから、特急を含め、大曽根以西に運行される電車の多くが当駅発着となっていた。そのため、折り返し用としての渡り線や引き上げ線が設置してあった。尾張瀬戸方面からの大津町行の電車は、到着後一旦堀川駅方向へ移動し、折り返して渡り線を渡って、尾張瀬戸方面ホームに入線していた。
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瀬戸電時代の大津町駅
(1937年)
配線図
編集 ← 大曽根方面 |
→ 堀川方面 |
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凡例 出典:[3] |
現況
編集現在は、駅施設跡として、外堀を渡る大津橋の南詰西側から駅舎跡地に降りる階段や手すりが残されている。夏には緑が草深く生い茂り、駅の跡地を覆う。本町駅との間の外堀はホタル(ヒメボタル)の名所としても知られている。
瀬戸線が敷かれていた名古屋城外堀のうち鉄道用地として不要な部分は、2012年に名鉄から国土交通省(国道22号部分)および名古屋市(その他)に寄付され、当駅跡地は名古屋市の所有となっている[4]。
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大津橋
(画像左奥に愛知県庁西庁舎) -
階段が残る大津町駅跡
(2006年11月)
隣の駅
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 地方鉄道法による鉄道変更直後の『大正10年 愛知県統計書』(1921年)には娯楽園駅の記載がないが、一方で大津町駅開業後であるはずの『昭和2年 鉄道停車場一覧』(1927年)に未だ娯楽園駅として掲載されている。