天王山古墳(てんのうやまこふん[1]/てんのうざんこふん[2])は、滋賀県野洲市小篠原(こしのはら)にある古墳。形状は前方後円墳大岩山古墳群(国の史跡)を構成する古墳の1つ。

天王山古墳

墳丘(左手前に後円部、右奥に前方部)
所属 大岩山古墳群
所在地 滋賀県野洲市小篠原(字天王山)
(桜生史跡公園内)
位置 北緯35度4分25.10秒 東経136度2分24.37秒 / 北緯35.0736389度 東経136.0401028度 / 35.0736389; 136.0401028座標: 北緯35度4分25.10秒 東経136度2分24.37秒 / 北緯35.0736389度 東経136.0401028度 / 35.0736389; 136.0401028
形状 前方後円墳
規模 墳丘長50m
埋葬施設 後円部:不明
前方部:右片袖式横穴式石室
出土品 土師器須恵器・韓式土器
史跡 国の史跡「大岩山古墳群」に包含
地図
天王山古墳の位置(滋賀県内)
天王山古墳
天王山古墳
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概要

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史跡「大岩山古墳群」8基
地区 古墳名 形状 規模 築造時期
冨波 冨波古墳 前方後方墳 墳丘長42m 3c後半
古冨波山古墳 円墳 直径30m 3c後半
辻町 大塚山古墳 帆立貝形古墳 5c前半
冨波 亀塚古墳 帆立貝形古墳
/ 前方後円墳
墳丘長45m以上 5c後半-末
小篠原 天王山古墳 前方後円墳 墳丘長50m 6c初頭
円山古墳 円墳 直径28m 6c前半
甲山古墳 円墳 直径30m 6c中葉
辻町 宮山2号墳 円墳 直径15m 6c末-7c前半

滋賀県南部、野洲川右岸の大岩山から北に延びる丘陵の先端部に築造された古墳である。これまでに盗掘に遭っているほか、近年に史跡整備に伴う発掘調査が実施されている[2]

墳形は前方後円形で、前方部を北方に向ける[2]。墳丘外表で葺石埴輪は認められていない[2]。埋葬施設は、後円部では明らかでないが、前方部では西方に開口する右片袖式の小型横穴式石室が認められている[2][1]。前方部石室の全長は4.3メートルで、玄室は長さ2.9メートル・幅1.0メートル、羨道は長さ1.4メートルを測るが、盗掘に遭っており天井石は羨道の1石以外を失っている[2][1]。出土品としては盛土内からの土師器須恵器・韓式土器などがある[2]。築造時期は古墳時代後期の6世紀初頭頃と推定される[1]

古墳域は1985年昭和60年)に国の史跡に指定された(史跡「大岩山古墳群」のうち)[3]。現在は史跡整備の上で桜生(さくらばさま)史跡公園として公開されている。

遺跡歴

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  • 1885年明治18年)の文書に、天王山の双墓から遺物出土の記録[2]
  • 1985年昭和60年)2月7日、国の史跡に指定(史跡「大岩山古墳群」のうち)[3]
  • 近年、史跡整備に伴う発掘調査(野洲町教育委員会、2001年に報告書刊行)[2]
  • 2001年(平成13年)11月3日、桜生史跡公園の開園[1]

墳丘

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墳丘の規模は次の通り[2]

  • 墳丘長:50メートル
  • 後円部
    • 直径:26メートル
  • 前方部
    • 長さ:24メートル
    • 高さ:8メートル

関連施設

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  • 桜生史跡公園案内所(野洲市小篠原)
  • 野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)(野洲市辻町)

脚注

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  1. ^ a b c d e 大岩山古墳群パンフレット.
  2. ^ a b c d e f g h i j 天王山古墳(続古墳) 2002.
  3. ^ a b 大岩山古墳群 - 国指定文化財等データベース(文化庁

参考文献

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(記事執筆に使用した文献)

  • 大岩山古墳群パンフレット (PDF) (野洲市教育委員会文化財保護課 桜生史跡公園案内所(リンクは野洲市観光物産協会))
  • 史跡説明板(旧野洲町教育委員会、2001年設置)
  • 「大岩山古墳群」『日本歴史地名大系 25 滋賀県の地名』平凡社、1991年。ISBN 4582490255 
  • 丸山竜平「天王山古墳」『日本古墳大辞典東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607 
  • 杉本源造「天王山古墳」『続 日本古墳大辞典東京堂出版、2002年。ISBN 4490105991 

関連文献

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(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 『史跡大岩山古墳群 天王山古墳・円山古墳・甲山古墳調査整備報告書(野洲町文化財資料集 2001-2)』野洲町教育委員会、2001年。 

関連項目

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