大沼だんご
大沼だんご(おおぬまだんご)は、北海道亀田郡七飯町字大沼町名物の団子[1][2]。串には刺さず、一口サイズの団子をみたらしやあんこと共に駅弁のような折詰スタイルで販売するのが特徴である[1][3]。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/31/Onuma_Dango.jpg/250px-Onuma_Dango.jpg)
「函館四大和菓子」の1つに挙げられる[2]。
概要
編集大沼国定公園の茶店「沼の家」で製造・販売が行われている[3][4]。かつては、函館本線の札幌 - 函館間で車内販売も行われていた[1]。保存料を使用しておらず、賞味期限は製造当日限りである[4][5]。
折箱は2つに仕切られ、1つは大沼、もう1つは小沼を表し、一口サイズの団子は大沼にうかぶ126の島々に見立てられている[4][5]。味には、「餡と醤油」、「胡麻と醤油」の二種があり[4][5]、それぞれ大小2種類のサイズがある(2021年時点)[5]。団子は串団子のように串には刺されておらず、爪楊枝に刺して食する[4]。
歴史
編集1905年(明治38年)に大沼公園が道立公園(後に国定公園)となった。鉄道で公園を訪れる観光客向けに、駅前で茶店「沼の家」(1905年創業)を営んでいた初代・堀口亀吉が大沼公園駅開業にあわせて大沼だんごを創案した[3][4][5]。当時、北海道庁は大沼を観光地として売り出そうと公園開発が活発化し始める時代であり、「観光地には名物が必要」と考えてのことだった[2]。
駅弁スタイルでの販売は販売開始時からで、以降このスタイルでの販売を踏襲している[3]。駅弁スタイルや爪楊枝で食することについて「沼の家」4代目・堀口慎哉は「堀口亀吉は洒落者でほかと一緒にしたくなかった」「駅で立ち売りする際には駅弁型のほうが持ちやすかった」と推測している[2]。
駅での立ち売りは1993年に終了し、1998年からは特急「北斗」での車内販売が行われるようになった[2]。車内販売においても駅弁スタイルの大沼だんごは、ひっくりかえらないと評価が高い[2]。
逸話
編集「花のみか紅葉にもこのダンゴ哉」 |
—上田聴秋[4] |
出典
編集- ^ a b c d 「「大沼だんご」車内販売終了へ 明治38年駅売りからの歴史に幕 JR函館線」『毎日新聞』2019年2月27日。2024年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「大沼だんごものがたり。」『函館をめぐる冒険』CCCメディアハウス、2016年、70-72頁。ISBN 978-4484162096。
- ^ a b c d e 古関千恵子 (2024年3月9日). “旅ライターが『ゴールデンカムイ』の 聖地巡礼! “大沼だんご”をGET できる和菓子店や“金塊の井戸”も…”. CREA. 文藝春秋. p. 4. 2024年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 西野鷹志 (2022年7月31日). “【大沼だんご】ライカ北紀行 ―大沼公園― 第90回”. nippon.com. 2024年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e sato (2021年6月18日). “賞味期限はたったの1日!地元住民もトリコの大沼名物「大沼だんご」”. HOKKAIDO LIKERS. 2024年12月24日閲覧。