夢の途中 (来生たかおのアルバム)
『夢の途中』(ゆめのとちゅう)は、1981年にリリースされた来生たかおの7枚目のオリジナルアルバム(LP〈規格品番:28MK-0024〉/CT〈規格品番:28CK-0029〉)である。
『夢の途中』 | ||||
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来生たかお の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
日付記載なし (KRSスタジオ、伊豆スタジオ) | |||
ジャンル | ニューミュージック | |||
時間 | ||||
レーベル | キティレコード | |||
プロデュース | 井上彬 | |||
チャート最高順位 | ||||
来生たかお アルバム 年表 | ||||
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『夢の途中』収録のシングル | ||||
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概要
編集- ※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。
来生にとって最高のセールスを記録したオリジナルアルバムで、オリコンではLPが第2位、CTは第1位、1982年の年間売り上げでは第11位にランクインした。
1976年の歌手デビュー以来、来生は年に1枚のペースでオリジナルアルバムを発表していたが、本アルバムは前作『Sparkle』からわずか5ヵ月後にリリースされている。第10弾オリジナルシングル「Goodbye Day」(5月21日リリース)のスマッシュヒットに続き、第11弾オリジナルシングル「夢の途中」(11月10日リリース)とその競作曲である薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」(11月21日リリース、歌詞の1番が一部異なる)が大ヒットを記録し、その上り調子に合わせて作られたものと思われる。
編曲者の“矢倉銀”は、来生のペンネームである。
復刻盤
編集パッケージの体裁
編集アルバムタイトル
編集※初出のジャケット表記“夢の途中”以外のもの
- 帯
- 1986年版CD:“夢の途中”“YUMENO TOCYU”の併記
ディスクジャケット
編集- 1986年版CD:ジュエルケースにブックレットを挿入
- 1991年版CD:ジュエルケースに1986年版CDのものを基調としたブックレットを挿入
- 1995年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード・既出オリジナルアルバムのディスコグラフィー)を挿入
- 2007年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード)を挿入(及び厚紙製ケース付き)
帯のコピー
編集- LP:こんなにもフレンドリーなポップ・ミュージックに出逢ったことはありますか 優しさや、おだやかさに浸りたいと思っているあなたに。
- 1986年版CD:“CDオリジナル・セレクション”“10th anniversary -since 1976-”との記載あり(帯はシール仕様)
- 1991年版CD:記載なし
- 1995年版CD:「夢の途中(セーラー服と機関銃)」を含む、7thアルバム。 メロディーメーカー来生たかおの真骨頂「美しい女」収録。(“20th anniversary”の記載あり)
収録曲
編集- LP版・CT版(CD版は省略)
※各曲の収録時間はLPの記載に準拠
SIDE 1
編集- Sonaine(1:42)
- Rainy rainy(5:06)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:矢倉銀
- 恋ひとつ(2:55)
- 白い愁い(4:37)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:矢倉銀 / ストリングス編曲:松任谷正隆
- Friendly Pop(4:15)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:矢倉銀
- 美しい女(5:03)
- 作詞:山川啓介 / 作曲:来生たかお / 編曲:星勝
- 第11弾オリジナルシングル「夢の途中-セーラー服と機関銃-」のB面にも収録されている。
- タイトルの“女”は“ひと”と読む。楽曲の詳細は企画アルバム『来生たかお』を参照。
SIDE 2
編集- 夢の途中(セーラー服と機関銃)(4:45)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:星勝
- 薬師丸ひろ子との競作曲(薬師丸版は「セーラー服と機関銃」)となった第11弾オリジナルシングルで、1982年度年間売り上げ第24位を獲得している。
- シングル盤も併せ、“セーラー服と機関銃” のサブタイトルが付けられているが、以降の収録盤には特に明記はない。歌詞中の“遠い約束”というフレーズは夏樹静子の小説タイトルからの引用である[2]。
- 来生えつこによる同名小説が短編集『エピソード』(角川書店/1988年)に収められている。
- 当初は来生が映画『セーラー服と機関銃』の主題歌として歌う予定であった。
- 他歌手によるカヴァーは来生たかお関連作品「被カヴァー曲」を参照。
- おだやかな構図(4:53)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:松井忠重
- 元々、山口百恵のアルバム『A Face in a Vision』(1979年4月1日リリース)に収録された提供曲で、来生えつこによれば、歌詞に登場する男性は棋士の米長邦雄をモデルにしており[3]、眼鏡を掛けた至って普通の男性が描かれているためか、男性に評判が良いという[4]。
- 山口のプロデューサーだった川瀬泰雄によれば、かつて担当していた井上陽水が渋谷“ジァン・ジァン”でピアニストを探していた折り、キティレコードの多賀英典から「来生たかおっていう新人がいて、ピアノが結構上手い奴でさ」と紹介され、来生作品のような温かい世界も「百恵にアリだな」と感じ、依頼に繋がったという[5]。
- 来生えつこによる同名小説が短編集『エピソード』(角川書店/1988年)に収められている。
- 倉橋ルイ子が、来生作品のみで構成したアルバム『THANKS』(1983年12月1日リリース)でカヴァーしている。
- ためいき春秋(5:15)
- Sonatine(1:42)
- 作曲:来生たかお / 編曲:松任谷正隆
- SIDE1-1のインストゥルメンタルで、来生によるハミングが入っている。
- さよならのプロフィール(5:53)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:松任谷正隆
- 来生が自ら歌う曲の中では数少ない、主語が“俺”になっている曲。
参加ミュージシャン
編集- Electric Piano:中西康晴(SIDE1-2,4/SIDE2-1)、石川清澄(SIDE1-5)
- Acoustic Piano:中西康晴(SIDE1-2,4,6/SIDE2-1)、来生たかお(SIDE1-3)、上柴はじめ(SIDE2-2)、松任谷正隆(SIDE2-3,5)
- Hammond Organ:乾裕樹(SIDE1-6)
- Electric Guitar:椎名和夫(SIDE1-2,3,4,5)、青山徹(SIDE2-1)、幾見雅博(SIDE2-2)、鈴木茂(SIDE2-3,5)
- Acoustic Guitar:谷康一(SIDE1-3,5/SIDE2-2)、笛吹利明(SIDE2-3,5)
- Gut Guitar:椎名和夫(SIDE1-3)
- Electric Bass:ミッチ長岡(SIDE1-2,3,4,5/SIDE2-2)、田中章弘(SIDE2-1)、岡沢茂(SIDE2-3,5)
- Drums:菊池丈夫(SIDE1-2,4/SIDE2-2)、田中清司(SIDE1-3,5/SIDE2-1)、村上秀一(SIDE2-3,5)
- Percussions:中村御(SIDE1-2,3,4,5/SIDE2-2)、ペッカー(SIDE2-1)、斉藤ノブ(SIDE2-3,5)
- Strings:トマト(SIDE1-1,3,4/SIDE2-3)、加藤グループ(SIDE1-6/SIDE2-1)、多グループ(SIDE2-2)
- Synthesizer:難波弘之(SIDE1-2,4)、石川清澄(SIDE1-2,4,5)、乾裕樹(SIDE1-6/SIDE2-1)、上柴はじめ(SIDE2-2)、松任谷正隆(SIDE2-3,5)
- Synthesizer Programer:松武秀樹(SIDE2-3,5)
- Horn:山口弘治(SIDE1-1)
- Flute:衛藤幸雄(SIDE1-1,6)
- Harp:山川恵子(SIDE1-1,6)
- Flugel Horn:数原晋(SIDE2-3)
- Chorus:伊集加代子(SIDE1-1/SIDE2-1,3,5)、和田夏代子(SIDE1-1/SIDE2-3,5)、梅垣道子(SIDE1-1/SIDE2-1,3,5)、山川恵津子(SIDE1-2,5)、鳴海寛(SIDE1-2,5)、鈴木宏子(SIDE2-1)
参加スタッフ
編集脚注
編集- ^ Sugi's BLOG
- ^ Kireine★Net 2004.7.14号 Long Interview 美人の玉手箱 第二回
- ^ ファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.28
- ^ 来生えつこ著『いろはにオトコ』(新潮社/1985)
- ^ 三角山放送局『大和秀嗣の歌謡クロニクル』ゴールデン・ウィークスペシャル 山口百恵デビュー30周年企 百恵回帰part2(2004年5月5日)
- ^ 『égalité』vol.6