増穂浦海岸
増穂浦海岸(ますほがうらかいがん)は石川県羽咋郡志賀町の日本海沿岸部に広がる海岸。延長は3km[1]ないし4km[2]。海岸は海水浴場としても利用され、日本の水浴場55選[3]および日本の水浴場88選[4]に選出されているほか、海岸線に立ち並ぶ松原は日本の白砂青松100選に指定されている[5]。海水の透明度が高く、波打ち際に集まるキスの姿もはっきりと見ることができる[6]。
毎年11月から3月にかけて吹く「貝寄せの風」によって海岸には多種多様な貝が流れつき、和歌浦(和歌山県)、由比ヶ浜(神奈川県)とともに、日本小貝3名所といわれている[2]。採集される貝はサクラガイ、ニシキガイ、ワスレガイ、マクラガイなどの3名所と呼ばれる所以となった「三十六歌仙貝」や、ムラサキイガイ、マシジミ、コメツブガイ、タマツボなどの微小貝と呼ばれる貝など400種に及ぶ[2][7][8]。これを求める観光客も多く、貝細工に利用されている[9][10]。
海岸には長さ460.9mの長大なベンチが設置されている。これは1987年に「日本海に沈む夕日を見てほしい」という地元住民の思いから、延べ830人のボランティアの手によって製作された。最高で1346人が座ったという記録があり、1989年には「世界一長いベンチ」としてギネスブックに掲載された[11][12][注 1]。毎年8月から11月にかけて、ベンチ周辺をイルミネーションで彩る催しが開催されている[13]。2020年7月にはベンチ前に展望デッキが設置された[14]。
海岸背部にはキャンプ場も整備されており、ユニットバスやキッチン、エアコン、布団を備えたケビンやバーベキュー場も設置されている。テントやバーベキュー用品のレンタルも可能[15]。
さくら貝資料館
編集2022年10月7日に道の駅とぎ海街道に「さくら貝資料館」が開館した[16]。「さくら貝資料館」では増穂浦海岸に漂着した300種類の小貝や貝細工アートの展示がある[16]。
アクセス
編集脚注
編集出典
編集- ^ 「増穂浦海岸(PDF)」一般財団法人 日本緑化センター「松再生プロジェクト」(2020年12月11日閲覧)
- ^ a b c d 「増穂浦海岸」公益社団法人石川県観光連盟「ほっと石川旅ネット」(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「「日本の水浴場55選 ~清潔安心楽しい水辺~ 」一覧」環境省(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「平成13年選定「日本の水浴場88選」一覧」環境省(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「白砂青松100選 」林野庁(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「桜貝の浜 増穂浦海岸と能登金剛」海と日本PROJECT in いしかわ(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「微小貝スポット 増穂浦」公益社団法人 大阪自然環境保全協会運営「微小貝さがしサポート図鑑」(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「増穂浦海岸」全国観るなび(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「増穂浦海岸」のとねっと(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「増穂浦、桜の季節 波打ち際に小貝の帯」北國新聞 2020年2月27日(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「世界一長いベンチ」公益社団法人石川県観光連盟「ほっと石川旅ネット」(2020年12月11日閲覧)
- ^ a b 「増穂浦」ニッポン旅マガジン(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「西能登里浜イルミネーション ときめき桜貝廊」公益社団法人石川県観光連盟「ほっと石川旅ネット」(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「「世界一長いベンチ」に展望デッキ 志賀・増穂浦海岸」北國新聞 2020年07月25日「北陸・信越観光ナビ」(2020年12月11日閲覧)
- ^ 「能登リゾートエリア増穂浦」なっぷ(2020年12月11日閲覧)
- ^ a b “広報しか 2023.3”. 志賀町. p. 4. 2023年3月19日閲覧。
- ^ 「増穂浦海岸」いこーよ(2020年12月11日閲覧)
脚注
編集- ^ 現在の世界一は南砺市の瑞泉寺前のベンチ(全長653.02m)[12]。ただしこれはギネス公認の記録であり、実際にはブルガリアやポーランドなどにそれを超える長さのベンチが存在する。詳細はベンチ#ベンチに関する記録を参照。