塩尻大輔
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塩尻 大輔(しおじり だいすけ、1980年6月13日 - )は、アフリカ・ケニアと日本で活動する医師[1]。
学位は医学博士(熊本大学大学院医学教育部博士課程 医学専攻エイズ先端研究者育成コース 2022年)。専門はHIV/AIDSを含む、性感染症。
しおじり だいすけ 塩尻 大輔 | |
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出身校 |
ケニア・ナイロビ大学医学部 熊本大学大学院 |
職業 | 医師 |
団体 | アフリカ児童教育基金の会(ACEF)理事 |
肩書き |
医療法人社団マキマ会理事長 パーソナルヘルスクリニック院長 |
人物
編集来歴
編集出生から幼少期
編集1980年6月13日、北海道の函館市にて誕生。父・塩尻安夫と、母・塩尻美智子の間に次男として誕生する。兄、妹2人、弟1人とともに、9歳まで滋賀県大津市にて、日本の教育を受けて育つ。
ケニアへ移住
編集1990年の9歳頃、両親がアフリカ・ケニアでの支援活動をしていた村上忠雄に声をかけられ、家族でケニアへ移住することになる。
この時に所属した活動団体は、後にNPO法人アフリカ児童教育金の会(ACEF)となる。
妹の死
編集ケニアに移住した約半年後に、妹を蚊が媒介するマラリア感染症で亡くす。両親共に深い悲しみに暮れたが、両親が生涯ケニアで支援活動を続けることを心に決めるきっかけとなった。
塩尻自身もこの時、医学に関心を持ち始めた。
両親の地道な支援活動は、徐々にケニア各地で知られることとなり、ケニアの町エンブの市長から、土地を与えるので地域で支援活動をしてもらえないかと声をかけられる。
以降、エンブを拠点としてケニア国内の8ヶ所の町で現在も継続的な支援活動を展開している。
ケニアにて医師免許取得
編集ナイロビ大学医学部に入学。2009年、卒業と共にケニアで医師免許を取得した。日本と違い、ケニアには妊産婦死亡率、周産期死亡率の高い現状があり、妊婦や子供を1人でも多く助けたいという思いから、産婦人科医師となる。初年度は、キトゥイ県立病院で産婦人科医として働く。水や電気が十分に届かない、極めて劣悪な環境の中で、帝王切開など年に約120件執刀した。
日本へ帰国
編集ケニアが好きな塩尻は、一生ケニアで医師として働くつもりでいた。しかし、ケニア人医師の同級生が同じ英語圏であるイギリスやアメリカに留学に行き始めたことで、自身のキャリアアップも模索するようになる。
ある時、マンガ「最上の命医」の監修(8巻〜9巻)のためにケニアを訪れた岩中督医師に出会う。当時、岩中が小児外科部長をしていた東京大学医学部附属病院に学びにこないかと声をかけられ、帰国を決意。
帝王切開などの手術の創を美しく縫い上げたいと思っていた塩尻は、まず外国人研修生として形成外科に紹介をしてもらい、手術室に出入りするようになる。
2011年3月11日、東日本大震災の日に塩尻は日本に帰国し、関西国際空港から東京に移動する新幹線の中で地震に遭遇した。
福島での被災地ボランティア
編集以前ケニアにボランティアにきていた友人が、東日本大震災で被災した福島で支援活動を行なっており、共に活動することとなった。
東京で集まったたくさんのボランティア志願者と共に、被災地に移動するためにマイクロバスの免許を取得。
震災直後から日本で医師免許を取得するまでの約二年間、ほとんどの週末に被災地支援を行い、その年は100回以上福島に通い続けた。
日本にて医師免許取得
編集2013年、日本にて医師国家試験に合格。初期研修は、岩手県立磐井病院にて行う。
いずれ、日本とケニアの医療を繋げたいと考えた塩尻は、感染症分野に専門を絞り、後期研修を国立国際医療研究センター(東京都新宿区)・総合感染症コースで行うことに決めた。新興・再興感染症、トラベルクリニック、多剤耐性管理など、様々な感染症の分野を学ぶ中で、国立国際医療研究センターの部局である、エイズ治療・研究開発センター(以下ACC)に所属することを決めた。HIV陽性者の外来診療や、HPV(ヒトパピローマウイルス)、梅毒などの臨床研究などを行う。
そこで、HIVを中心とした性感染症の分野について学ぶほど、日本では性に関する情報が若者に十分に提供されていないと感じるようになる。
医学博士取得
編集2022年、熊本大学大学院医学教育部博士課程 医学専攻エイズ先端研究者育成コースを卒業。
「日本におけるHIV陽性MSMとHIV陰性MSMの肛門ヒトパピローマウィルス感染及びヒトパピローマウィルスに起因する肛門異常細胞」をテーマに、医学博士を取得。https://www.nature.com/articles/s41598-021-98720-3
クリニックの開業
編集ACCの非常勤医師として働くかたわら、2019年7月に性感染症専門クリニック(パーソナルヘルスクリニック)を開院。先進国の中で、唯一HIVの新規陽性者が増加し続けている日本の現状を打破するため、HIV予防薬の普及を目指し、日本で初めてHIV予防内服薬、プレップ PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis) をクリニックで処方する取り組みを開始した。ACCでの実践を基に、医療サポートを同時に受けながら、安全にプレップを手に入れられるモデルシステムを構築した。
慈善活動
ACEFの医療部長でもある塩尻は年に1回ケニア、エンブの町でメディカルキャンプを実施している。これにはスタディーツアーとして毎年多くの医師や看護師、医学生・看護学生らがさんかしている。
2017年にACEFの活動でもあるエイズ孤児院に井戸と電気を届けるためにクラウドファンディングを実施し、目標金額を達成した1)
脚注
編集- ^ “ケニア活動歴26年。エイズ孤児たちを支える日本人家族の挑戦。 - クラウドファンディング READYFOR”. readyfor.jp. 2022年4月3日閲覧。