塚本正治
塚本正治(つかもと まさじ、1961年 - )は、日本の社会運動家、詩人。シンガーソングライター。
つかもとまさじ 塚本正治 | |
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生誕 |
1961年 大阪市生野区鶴橋 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 大阪府立阪南高等学校 |
職業 | 社会運動家、詩人、シンガーソングライター |
略歴
編集1993年12月大阪精神障害者連絡会の正式結成大会に参加、精神障害者当事者活動[1]に関わる。特に精神障害者の福祉と人権に関わる課題について精力的に取り組み、1997年病院での患者への人権侵害が明らかになった「大和川病院事件」、2001年多くの小学生が犠牲となった「附属池田小事件」に関わる報道の二次被害問題を社会的に取り組んだ[2]。また「附属池田小事件」をきっかけにはじまった「触法精神障害者対策法」-「心神喪失者等医療観察法[3]」について「精神障害者にだけ再犯のおそれは認められない」という立場で反対論客の一人である。同法は2003年当時の小泉内閣で国会成立し、2005年に施行された。そして2006年「障害者自立支援法」の成立に関して「応益負担」問題や障害者福祉財源削減反対の立場から、2005年参議院大阪地方公聴会において公述人を務めた。[4]
現在は大阪市障害程度区分認定調査審査員等をつとめながら、精神障害者の福祉と人権の確立に取り組んでいる。また大阪市内生野区・東成区・天王寺区を拠点とし、東成区で生活支援センターすいすいを運営するNPO法人精神障害者支援の会ヒットの副理事長を15年務め、現在も理事として地域に根ざした精神障害者支援の活動を継続している。 2013年政府・厚生労働省が打ち出した「病棟転換型居住施設構想」に障害者権利条約違反として反対の立場で活動している。安保法制に反対の立場をとり日本国憲法9条・戦争の放棄、25条・生存権の保障を障害者の立場から具体化する活動を継続している。
同時に精神保健の啓発活動に音楽を取り入れ、1995年、当事者によるフォークバンド「ハルシオン」を結成(2004年解散)。現在は教育現場での精神保健の啓発活動に取り組んでいる。またシンガーソングライターの一面も持ちオリジナルアルバムの制作やライブ活動も行っている。NHK福祉情報番組きらっといきるのエンディング曲として2007年から2012年3月まで自身の楽曲「春夏秋冬-さらしながら-」が採用された。社会的入院の悲しさを歌ったメッセージソング 檻の庵、格差社会の難儀を訴えたトロピカルソング 生活保護の唄にはコアなファンが存在する。2014年6月26日ハルシオンを再結成した。ソロのオリジナルCDは「生命の輝き」「僕らの合言葉はDPI」(DPI日本会議公式応援歌)「瓢箪山の麓にて」「唄にして」「希望の唄」「この町から」をリリースしている。2017年7月ベストアルバム「明日を照らすものは」をリリースした。2010年逝去した歌手のシルヴィアに提供した楽曲である「唄」も収録されている。2018年6月リリー賞受賞記念アルバム「いのちのうたたち」をリリースした。
2012年3月9日朝日放送探偵!ナイトスクープ「夢の中のさっちゃん」に出演する。
2013年第39回部落解放文学賞記録表現部門で「僕の獄中記」で入賞した。 2014年第40回部落解放文学賞詩部門に「おじいちゃんの密談」で入選した。 2015年第41回部落解放文学賞記録表現部門に自身の半生記「ありがとう」で入選した[5]。2016年第12回文芸思潮現代詩賞に「再犯の温床」で入選した。2015年5月17日いわゆる大阪都構想住民投票については「大阪市から政令指定都市としての権限・財源を奪い障害者サービスの低下をもたらす可能性が強い」と反対の立場で活動した。また北朝鮮の度重なるミサイル発射に「大騒ぎするだけ北朝鮮の思いのつぼ。それより北朝鮮の民への人道医療支援等を行って対話を引き出す方が有益」と言明している。2017年10月22日第48回衆議院議員総選挙では枝野幸男が代表を務める立憲民主党を支持した。2018年2月 シンガーソングライターや当事者支援相談として20年以上にわたる精神障害への理解促進むけた活動が認められ、第14回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)を受賞した。同年10月、第29回伊藤静雄賞佳作50篇に「源田湯」が入賞した。2019年5月第44回わたぼうし音楽祭・作詞の部に「春へ向かう」で入選した。同年6月「年金2000万円問題」では「国民の最終兵器は生活保護の受給である」と言明している。2019年10月第30回伊藤静雄賞佳作50篇に「檻の庵」が入賞した。2019年8月の入院を機に主治医・訪問看護師・家族・友人による支援組織「チーム塚本」が作られ、塚本本人の地域生活支援を行っている。2020年新型コロナウイルスの世界的蔓延に関わるマスコミ報道について「コロナ長期戦、がんばろうはもういらない。コロナとよりよくつきあっていける、そんな報道がほしい」と言明した。
「ありがとう」
編集2015年第41回部落解放文学賞・記録表現部門に入選した「ありがとう」の最終選者はルポライターの鎌田慧、ノンフィクションライターの野村進である。大阪市生野区鶴橋に生まれた自らの生い立ちから新東京国際空港(現・成田国際空港)建設反対闘争への参加、逮捕、投獄、獄中での精神疾患の発病を赤裸々に描く一方、亡き両親や知的障害をもつ娘・家族への愛情を綴っている[6]。
参考文献
編集- 月刊『部落解放』2001年6月487号「今日に向き合うものには明日が見える-施設コンフリクトの体験を通じて」
- 『精神医療』43号2006年7月 「特集・精神障害者のためのアウトリーチサービスの可能性」
- 機関紙DPI vol.21-3「特集・介助/精神障害者のニーズから見た障害者自立支援法-介助を中心に」
- 日刊ベリタ2009年8月5日「Yuo Tubeに静かに流れる生活保護の唄 塚本正治さんの歌声でこの世の難儀を訴える」
- 四国新聞2009年10月24日「広がれ生活保護の唄 大阪発、あっけらかんと」
- 朝日福祉ガイドブック「精神障害者のホームヘルプサービスー障害程度区分に異議あり」(2009年8月3日)
- 月刊『部落解放』2013年680号第39回部落解放文学賞「僕の獄中記」
- NHK教育番組「きらっといきる」・福祉情報番組・ドキュメンタリー番組・金曜日 20:00 - 20:30(30分)・放送期間 1999年4月7日 - 2012年3月30日
- 2012年3月9日朝日放送・探偵!ナイトスクープ「夢の中のさっちゃん」
- 『月刊ノーマライゼーション 障害者の福祉』「列島横断ネットワーキング・大阪」足跡-NPO法人精神障害者支援の会ヒットの歩みと今 2014年4月号
- 解放新聞2014年4月28日号「第40回部落解放文学賞」
- 病棟転換型居住系施設について考える会 賛同人一覧
- STOP!病棟転換型居住系施設2014年6月26日ハルシオンライブ
- 2001年6月20日毎日新聞夕刊一面「仲間の死を乗り越えてCDデビュー」(遠藤記者)
- 月刊『部落解放』2014年696号p11.12 p142.143.144 p198.199.200
- 部落解放文学賞平成26年度 塚本正治 おじいちゃんの密談
- 解放新聞中央版2015年5月1日号
- 「障害者は都構想に反対です」2015年5月8日
- 月刊『部落解放』第41回部落解放文学賞
- 毎日新聞朝刊くらし欄「塚本正治さん 部落解放文学賞記録・表現部門入選 自身の半生つづった<ありがとう>」2015年9月7日
- 月刊『部落解放』増刊号 2015年712号
- 解放新聞 第41回部落解放文学賞
- 文芸思潮65号 2016年12月
- レーベルMJK ベストアルバム「明日を照らすものは」
- COMHBO 地域精神保健福祉機構 第14回リリー賞
- 2018年4月19日毎日新聞朝刊「大阪の塚本さんりりー賞・うつ病体験、歌にのせ」
- 2018年6月リリー賞受賞記念アルバム「いのちのうたたち」レーベルMJK
- 第29回伊藤静雄賞佳作50篇
- 2019年5月5日毎日新聞「思いをこめた8作に曲を わたぼうし音楽祭8月4日・奈良」
- 第30回伊東静雄賞佳作50篇
脚注
編集- ^ 精神障害者当事者活動には精神障害者患者会の活動などがある
- ^ 「精神障害者連絡会声明を発表、殺傷事件報道で差別意識拡大」毎日新聞2001年6月16日
- ^ 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律、通称、医療観察法
- ^ 大阪地方公聴会速記録、平成17年10月7日
- ^ 部落解放文学賞 e-hon 文学賞ページ
- ^ “部落解放文学賞:塚本正治さん、記録・表現部門入選 自身の半生つづった「ありがとう」”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2015年9月7日)