堀田 あけみ(ほった あけみ、1964年5月28日 - )は、日本作家教育心理学者椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授[1]。結婚後の本名は小原朱美。

堀田 あけみ
誕生 堀田 朱美
(1964-05-28) 1964年5月28日(60歳)
愛知県あま市(旧:海部郡七宝町
職業 小説家
国籍 日本の旗 日本
主題 小説
代表作1980アイコ十六歳
主な受賞歴 文藝賞
配偶者 小原玲
子供 マナト(長男)
カイト(次男)
コトコ(長女)
テンプレートを表示

人物

編集

愛知県海部郡七宝町(現在のあま市)出身[2]愛知県立中村高等学校[2]名古屋大学教育学部を経て、同大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。

1981年、中村高校在学中に『1980アイコ十六歳』が文藝賞を受賞[2]。最年少の受賞として話題となるとともに、映画化・コミック化もされた。

デビューが早かったこともあり、堀田の成長とともに作風が変遷したあとが読みとれる。初期の作品には、高校や大学を舞台としたものが多く見られ、登場人物一人一人の性格・心理が細かく描き分けられている。その後、恋愛をテーマにした作品が増えるが、「思い詰めるくらいに深く恋する女性」「どこか頼りない男性」が登場するものが多い。セリフの中によく名古屋弁を使っていたが、最近の作品では少なくなった。[独自研究?]

夫は写真家小原玲。長男マナト・次男カイト・長女コトコの、三児の母。うち、次男カイトは自閉症スペクトラム障害であり、『発達障害だって大丈夫』で紹介されている[2]。この本の内容を中心に、『東海テレビ 社会人フェローの会』で講師として講演活動をしている。

2002年以降、オリジナルの小説は発表しておらず、研究者としての本業である発達心理学や、育児についてのエッセイ、もしくは小説創作指導をメインとするようになった。

2009年、椙山女学園大学の准教授となる。研究テーマは発達障害を持つ児童の言語発達。2015年、同大学の教授となる。

作品

編集

小説

編集

一部の作品は、文庫化の際に改題されている。

  • 『1980アイコ十六歳』河出書房新社、1981(のち文庫)
  • 『さくら日記』河出書房新社、1985(のち文庫)
  • 『転がる石になれ』集英社文庫コバルトシリーズ、1987
  • 『終わらない歌を歌おう』集英社文庫コバルトシリーズ、1988
    • 以上3作は、同じ登場人物による。
  • 『フェアリーガール』河出書房新社、1986(のち文庫)
    • 「アイコ十六歳」の映画化の体験からインスパイアされた作品。
  • 『煙が目にしみる』河出書房新社、1987(のち文庫)
    • 「アイコ十六歳」の主人公が脇役として登場する。
  • 『Shout! 愛するために生まれた魂』集英社文庫コバルトシリーズ、1988.4
  • 『イノセントガール』河出書房新社、1988.10(のち文庫)
    • 堀田自身はこの作品を、一つのターニングポイントと捉えているらしいことが、解説などから読みとれる。また、『Shout! 愛するために生まれた魂』との姉妹作品で、途中までのストーリー展開が非常に似ている。
  • 『フェアリーボーイ』河出書房新社、1989(のち文庫)
  • 『君は優しい心理学(サイコロジ-)』集英社文庫コバルトシリーズ、1989(『やさしさの法則』と改題、角川文庫)
    • 登場人物が1名のみ、下記「想い出にならない」「想い出させてあげよう」とだぶっている。
  • 『愛をする人』角川書店、1990(のち文庫)
  • 『ボクの憂鬱 彼女の思惑』河出書房新社、1990(のち文庫)
  • 『あなたなんか』東京書籍、1990(のち角川文庫)
  • 『想い出にならない』白泉社、1991(のち角川文庫)
  • 『想い出させてあげよう』白泉社, 1995(のち角川文庫)
    • 以上2作は、同じ登場人物による。
  • 『われも恋う』角川書店、1991(のち文庫)
  • 『花のもとにて』角川書店、1992(のち文庫)
  • 『声が聞きたい』青峰社 1993(のち角川文庫)
  • 『やさしい嘘が終わるまで』海越出版社 1993(のち角川文庫)
  • 『イノセントデイズ』河出書房新社、1993
  • 『銀の電車に乗るまでに』海越出版社 1994(『まほうの電車』と改題、角川文庫)
  • 『少女びより』角川書店 1994(「恋愛びより」と改題して文庫)
  • 『黄金の一滴』東京書籍、1994(『golden drop』と改題、角川文庫)
  • 『唇の、することは』河出書房新社、1996
    • この「唇の、することは」は、堀田の作品の中でも、異色な雰囲気を持つ。
  • 『あなたがそこにいるだけで』角川文庫 1996
  • 『あなたの気持ち』角川書店 1996(のち文庫)
  • 『花くらべ』海越出版社 1998 『花くらべ 尾張名古屋に咲く花は』日経文芸文庫 
  • 『もういないあなた』東京書籍 1999
  • 『泣けてくるじゃない』角川文庫 2001
  • 『恋に唄えば』角川文庫 2002

随筆

編集
  • 『あ・た・し天気になあれ』PHP研究所、1985
  • 『とりあえずフツーの女の子講座 少女を知るための男の子の本』教育史料出版会, 1986
  • 『好き!木曜日のワードプロセッサー』河出書房新社、1992
  • 『星の数ほど愛想が尽きても』大和書房 1992
  • 『それは年齢のせいじゃない』大和書房 1994
  • 『親離れを考えたとき読む本』三笠書房 1998
  • 『おかあさんになりたい』七賢出版 2000
  • 『子育てのコツは公園で見つけた』大和出版 2001
  • 『「おとうさん」の作り方 幸せな巣作りの術』海竜社 2002
  • 『職場・恋人・友人・家族に「わかってもらえない」ときに読む本』海竜社 2004
  • 『発達障害だって大丈夫 自閉症の子を育てる幸せ』河出書房新社、2007
  • 『オーディオブックCD] 職場・恋人・友人・家族に「わかってもらえない」ときに読む本』海竜社、2008  
  • 『発達障害の君を信じてる--自閉症児、小学生になる』河出書房新社、2011 

小原玲との共著

編集
  • 『マナティ夢の人魚』七賢出版、1996
  • 『大草原のプレーリードッグ』七賢出版、1997
  • 『氷の上のちっちゃな冒険〜アザラシのあかちゃん』角川文庫、2000
  • 『White smile アザラシ赤ちゃんのひとりごと』ワニブックス 2002
  • 『シマエナガちゃんの日々 ぼくはここにいるよ』ワニ・プラス, 2019.7
    • 以上、小原玲による写真集に、堀田が短い小説を添えたものである。

共著

編集

脚注

編集
  1. ^ 堀田あけみ 椙山女学園大学教員紹介
  2. ^ a b c d <問われるもの>(中)子育て支援、少子高齢化 椙山女学園大教授・堀田あけみさんに聞く”. 中日新聞 CHUNICHI Web. 中日新聞社. 2022年4月28日閲覧。

関連項目

編集