堀井 巌(ほりい いわお、1965年昭和40年)10月22日 - )は、日本政治家自由民主党所属の参議院議員(2期)。

堀井 巌
ほりい いわお
外務大臣政務官時
生年月日 (1965-10-22) 1965年10月22日(59歳)
出生地 日本の旗 日本 奈良県橿原市
出身校 東京大学経済学部
前職 国家公務員自治省
所属政党 自由民主党安倍派→無派閥)
称号 経済学士(東京大学)
公式サイト 堀井いわおオフィシャルホームページ

選挙区 奈良県選挙区
当選回数 2回
在任期間 2013年7月29日 - 現職
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外務副大臣外務大臣政務官を歴任。

経歴

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奈良県橿原市生まれ。橿原市立八木中学校、東大寺学園高校卒業。1988年東京大学経済学部卒業。自治省に入庁。

1994年、サンフランシスコ総領事館副領事に就任。1995年、サンフランシスコ総領事館領事に就任。1998年静岡県企画部高度情報課長に就任。2005年、総務省大臣官房付兼内閣官房内閣総務官室総理大臣官邸事務所に入る。2007年、岡山県総務部長に就任。2010年、総務省自治行政局公務員部公務員課給与能率推進室長に就任。

2013年第23回参議院議員通常選挙奈良県選挙区から自民党公認で立候補し初当選した[1]

2017年第3次安倍第3次改造内閣外務大臣政務官に就任[2]

2019年、第25回参議院議員通常選挙で再選。

2023年9月13日、第2次岸田第2次改造内閣が発足。9月15日付で外務副大臣に就任。

同年12月10日、岸田文雄首相は、自民党5派閥における政治資金パーティー収入の裏金問題をめぐり、安倍派所属の閣僚4人、副大臣5人、大臣政務官6人の政務三役15人について、全員交代させる意向を固めた(政務官6人については2日後に訂正)[3][注 1]。12月14日、堀井は外務副大臣の辞表を提出し受理された[7]

同年12月25日、安倍派では少なくとも参議院議員選挙があった2019年と2022年に開いたパーティーについて、改選となる参議院議員に販売ノルマを設けず、集めた収入を全額キックバックしていたことが報道により明らかとなった[8][注 2]

2024年9月12日、自民党総裁選挙が告示され、9人が立候補した。堀井は高市早苗の推薦人に名を連ねた[10][11]。9月17日、候補者9人はTBSの報道番組「news23」に出演しテレビ討論を行った。高市は、推薦人20人のうち、13人が党本部が公表した「裏金議員」であること、役職停止や戒告の処分を受けた議員が含まれていること(堀井は両方に該当した[12][13])などを指摘されると、「どの方を20人に入れるかは選対、チームにまかせたので、私は翌日の新聞(を読む)まで知らなかった」と答えた[14][15]。9月27日総裁選執行。高市は麻生太郎世耕弘成の力添えで票を上乗せし[16][17][18]、1回目の投票で1位となり、決選投票で石破に敗れた。堀井は1回目の投票、決選投票、いずれも高市に投じた[19]

政策・主張

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  • 2019年10月に実施された消費税の10%への引き上げについて、税率改正前の同年7月の参議院選挙時に「法律に従い、引き上げるべきだ」と回答している[20]
  • 憲法9条の改正に賛成し、自衛隊の役割や限界を明記すべきとしている。
  • 日本の核武装について、国際情勢によっては検討すべきとしている。
  • 村山談話河野談話はいずれも見直すべきでない[21]
  • 選択的夫婦別姓導入への賛否について「どちらとも言えない」としている[22]

不祥事

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公職選挙法違反の疑い

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2019年参院選公示の約1ヶ月半前、堀井が代表を務める政党支部が、自民党の奈良県議22人の関連政治団体に一律30万円の寄付をしていた。公職選挙法は特定の候補者を当選させる目的で有権者や運動員に金銭などを渡すことを禁じており、選挙買収との見方が強まっている。堀井はメディアの取材に対し、「党勢拡大のための寄付」「たまたま(寄付が)選挙の時になった」と回答している[23]

政治資金規正法違反の疑い

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自民党安倍派(清和政策研究会)のパーティー収入不記載事件で、堀井は2024年1月23日に奈良県庁で記者会見し、政治資金収支報告書に記載していない安倍派からのキックバックが2022年までの5年間で計876万円あったと公表した。堀井によると、政策秘書が安倍派とやりとりをした際、安倍派は「パー券のノルマを超えたキックバック分を支出として収支報告書に記載しない」とした上で、堀井側にも収入として記載しないように求めたという。堀井は、事件を2023年12月の報道で知り、政策秘書に確認したところ、判断に困り金庫に現金を保管していたとの説明を受けたとしている。

堀井は「政治資金は透明性がなければならず、安倍派との金のやりとりも収支報告書に記載するべきだった」と述べ、「政治不信を招き、深くお詫びする」と陳謝した[24]

2024年4月4日、自民党は党紀委員会を開き、堀井を戒告とするなど安倍派と二階派の議員ら計39人の処分を決定した[13][25]

同年5月14日、衆議院政治倫理審査会は、裏金事件に関与しながら同審査会で弁明していない自民党議員44人に出席と説明を求める野党の申立てを全会一致で可決した[26]。同月17日、参議院政治倫理審査会も同様に、弁明していない議員29人に出席と説明を求める申立てを全会一致で可決した[27]。堀井を含む関係議員73人は全員出席を拒否し、6月23日に通常国会は閉会した[28]

所属団体・議員連盟

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支援団体

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脚注

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注釈

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  1. ^ その後、政務官6人の処遇について安倍派内から「当選1回など議員歴が短い政務官が対象となるのはおかしい」などと反発が出たため、当選1回の松本尚塩崎彰久小森卓郎石井拓加藤竜祥の5人については留任とし、当選2回の佐藤啓のみの交代に変更された[4][5][6][7]
  2. ^ 2019年改選時の安倍派所属の参議院議員と2022年改選時の同所属の参議院議員のそれぞれの内訳は下記のとおり(当選回数順)。詳細不詳の井上義行についてはその他とした。2020年8月入会の吉川有美(2019年改選)[9]と2023年4月入会の片山さつき(2022年改選)は含めていない。
    2019年改選
    橋本聖子世耕弘成衛藤晟一北村経夫西田昌司古川俊治丸川珠代宮本周司森まさこ赤池誠章石井正弘石田昌宏太田房江大野泰正酒井庸行滝波宏文長峯誠羽生田俊、堀井巌
    2022年改選
    山崎正昭岡田直樹末松信介野上浩太郎山谷えり子山本順三上野通子江島潔長谷川岳佐藤啓松川るい山田宏
    その他
    井上義行

出典

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  1. ^ プロフィール
  2. ^ 改造内閣 副大臣と政務官の顔触れ”. 毎日新聞 (2017年8月7日). 2017年8月7日閲覧。
  3. ^ 安倍派の政務三役、計15人を全員交代へ 鈴木総務相、宮下農水相も”. 朝日新聞 (2023年12月10日). 2023年12月10日閲覧。
  4. ^ 安倍派の閣僚と副大臣の9人全員が交代へ 安倍派の政務官は1人を除いて留任固まる”. 日テレNEWS (2023年12月14日). 2023年12月15日閲覧。
  5. ^ 萩生田氏、辞任の見通し 安倍派一掃は見送り―岸田首相、14日にも人事・裏金疑惑”. 時事ドットコム (2023年12月12日). 2023年12月13日閲覧。
  6. ^ 「安倍派15人除外」を修正、6人は自主判断に 首相、求心力低下も”. 朝日新聞 (2023年12月13日). 2023年12月13日閲覧。
  7. ^ a b 【速報中】政治資金問題で閣僚交代へ 安倍派「5人衆」辞任へ”. NHK NEWS WEB (2023年12月14日). 2023年12月14日閲覧。
  8. ^ 安倍派 参院選の年は改選参院議員に全額キックバックか”. NHK (2023年12月25日). 2023年12月25日閲覧。
  9. ^ 時事通信社 Facebook 2020年8月6日”. 2023年12月28日閲覧。
  10. ^ 高市早苗氏の推薦人一覧 自民党総裁選2024”. 日本経済新聞 (2024年9月12日). 2024年9月30日閲覧。
  11. ^ 佐藤裕介 (2024年9月12日). “高市早苗氏の陣営「右翼だ何だと言われたとしても…」 旧日本海軍ゆかりのフレーズで気勢 自民党総裁選”. 東京新聞. 2024年10月3日閲覧。
  12. ^ 高市早苗氏の推薦人に杉田水脈氏ら「裏金議員」13人 5候補で計21人 自民党総裁選告示”. 東京新聞 (2024年9月12日). 2024年10月3日閲覧。
  13. ^ a b 【処分一覧】自民党 39人処分決定 塩谷氏 世耕氏 離党勧告”. NHK (2024年4月4日). 2024年10月3日閲覧。
  14. ^ 総裁選推薦人に複数の裏金議員 高市氏「新聞見るまで知らなかった」”. 朝日新聞 (2024年9月18日). 2024年10月3日閲覧。
  15. ^ 「知らなかった」高市早苗氏“裏金議員”13人からの推薦への“弁明”に怒り続出も…自民関係者が明かす「お礼軽視」の過去”. Smart FLASH (2024年9月18日). 2024年10月3日閲覧。
  16. ^ <独自>自民・麻生副総裁が高市氏支持へ、麻生派議員にも指示 1回目から”. 産経新聞 (2024年9月26日). 2024年9月30日閲覧。
  17. ^ 遠藤修平、園部仁史、高橋祐貴 (2024年9月27日). “麻生、安倍派は「消極的支持」で広がり欠く 決選投票で敗れた高市氏”. 毎日新聞. 2024年10月1日閲覧。
  18. ^ 「高市、用意しとけ」次の総裁選に向けた麻生氏の助言 高市早苗氏が目指す総理の座 石破政権の次を見据え課題払しょくに動き(4/6ページ)”. TBS NEWS DIG (2024年10月6日). 2024年10月9日閲覧。
  19. ^ 阪田隼人、机美鈴、仙道洸、向井光真 (2024年9月28日). “高市氏「地元票」8割近くに 自民総裁選、支持者らは興奮と落胆”. 朝日新聞. 2024年10月9日閲覧。
  20. ^ “2019参院選 自民 奈良 堀井巌”. 毎日新聞 (毎日新聞社). https://mainichi.jp/senkyo/25san/meikan/?mid=B29000002002 2019年7月18日閲覧。 
  21. ^ 2013参院選 毎日新聞候補者アンケート
  22. ^ 朝日・東大谷口研究室共同調査”. 朝日新聞 (2019年). 2019年7月8日閲覧。
  23. ^ “奈良県議22人の団体に各30万円 自民・堀井氏、19年参院選前”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2022年5月27日). https://mainichi.jp/articles/20220526/k00/00m/010/257000c 2022年5月27日閲覧。 
  24. ^ “堀井巌参院議員、キックバックは5年間で876万円”. 産経新聞. (2024年1月23日). https://www.sankei.com/article/20240123-BB3AFLVAMRJHBEV3EMAY445NWA/ 2024年1月23日閲覧。 
  25. ^ “自民処分者一覧 党役職停止1年には堀井学氏、橋本聖子氏らの名前も 6段階で決定”. 産経新聞. (2024年4月4日). https://www.sankei.com/article/20240404-SKXKGYZC3BM27EZYWTF2OZHGJE/ 2024年4月14日閲覧。 
  26. ^ 鈴木春香 (2024年5月20日). “衆院政倫審での弁明、裏金議員44人全員が拒否 全会一致の議決でも”. 朝日新聞. 2024年9月30日閲覧。
  27. ^ 参院政倫審 政治資金問題 関係議員29人に出席と説明求める決定”. NHK (2024年5月17日). 2024年9月30日閲覧。
  28. ^ 鈴木春香、小木雄太、森岡航平 (2024年6月24日). “裏金議員73人、政倫審に応ぜず閉会 「レッテル貼られるだけ」”. 朝日新聞. 2024年9月30日閲覧。
  29. ^ a b “2019年6月号”. 全国たばこ新聞 (全国たばこ販売協同組合連合会). (2019年5月27日). https://zenkyou.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/06/2019%E5%B9%B46%E6%9C%88%E5%8F%B7.pdf#page=4 2019年6月30日閲覧。 
  30. ^ 自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. 日本禁煙学会 (2017年3月7日). 2018年4月11日閲覧。
  31. ^ a b 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
  32. ^ 最新の護る会|青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road
  33. ^ 応援しています!”. 神道政治連盟. 2019年7月7日閲覧。

外部リンク

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公職
先代
武井俊輔
山田賢司
  外務副大臣
辻清人と共同

2023年
次代
辻清人
柘植芳文
先代
武井俊輔
滝沢求
山田美樹
  外務大臣政務官
岡本三成
堀井学と共同

2017年 - 2018年
次代
山田賢司
辻清人
鈴木憲和