在米朝鮮語
在米朝鮮語(ざいべいちょうせんご、朝鮮語: 재미조선어 / 在美朝鮮語)または在米韓国語(ざいべいかんこくご、朝鮮語: 재미한국어 / 在美韓國語)は、アメリカ合衆国に在住する韓国人などが在米韓国学校協議会の民族学校や家庭等で身につける韓国語の変種[1]。
在米朝鮮語 (韓国語) | |
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話される国 | アメリカ合衆国、カナダなど |
地域 | 北アメリカ |
話者数 | 推定300万人程度 |
話者数の順位 | 不明 |
言語系統 | |
公的地位 | |
公用語 | なし |
統制機関 | なし |
言語コード | |
ISO 639-1 |
なし |
ISO 639-2 |
なし |
ISO 639-3 | なし |
SIL | なし |
在米韓国語 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 재미한국어 |
漢字: | 在美韓國語[注 1] |
発音: | チェミハングゴ |
日本語読み: | ざいびかんこくご |
RR式: | Jaemi Hangugeo |
MR式: | Chaemi Han'gugŏ |
在米韓・朝鮮民族は約250万人がいるが、米韓関係の影響でその9割以上ほとんどが大韓民国系(在米韓国人、韓国系アメリカ人)である。米朝関係は1953年から国交などが成立できたことがないため、北朝鮮から来たコリアンは2006年から約0.01%しかいないし、中国からの同胞は中国国籍者で華僑に集計される[2]。そのため、該当方言の規範は全て韓国における韓国語であり、標準語 (大韓民国)の影響だけを受けている。東アジアと異なり、在米コリアンに対して朝鮮語という表現を使うことは無い。特に20世紀のソウル方言の影響が強い在米韓国語は、韓国人や在米韓国人などからは在美韓国語(재미한국어)[注 1]と呼ばれ、華僑からは在美韓語 (Zaimei Hanyu) と呼ばれる。
成立経緯
編集1960年代からアメリカに移民した韓国人は総勢200万人にも及び、彼らとその子孫たちによって北アメリカに韓国語圏が構築された。
言語学的特徴
編集上述の通り、在米韓国人のための韓国資本の民族学校などでは全て大韓民国の標準語 (大韓民国)とされているソウル方言を規範とした韓国語を教えている。日本・中華圏などとは違って、北朝鮮が成立した民族学校は無い。また多くの家庭では、家庭内で韓国語のみを使用させるため、在米韓国人は在日韓国・朝鮮人、韓国系日本人、高麗人に比して韓国語の保持率は高い。しかし根拠地となる特定の地域を持っていないため、必然的に彼等の子弟は英語との二言語併用生活を送ることとなり、その結果英語からの借用語が多く、アメリカ英語の影響を受けた発音の在米韓国語が形成されることとなった。
正書法
編集在米韓国語はあくまで口語であり書記言語ではないので、文章にする際は標準的な標準語 (大韓民国)で書かれる。よって、この言語のハングルでの正書法は存在しない。ただし、在米韓国人の2世以降の世代が互いに私信などをやり取りする際は、ハングルもしくはラテンアルファベットを用いてこれを文字化することもあるが、在日朝鮮語やコリョマルに比して成立してからの時間経過も浅いため、そのような例もあまり多いとはいえない。
他の海外方言及び本国との比較
編集在米韓国語は中国朝鮮語ほどではないにしろ、本国人との意思疎通が容易なもう一つの海外朝鮮語(韓国語)である。在日朝鮮語やコリョマルはそれぞれ日本語、ロシア語からの影響が極めて大きく、本来の朝鮮語(韓国語)から著しくかけ離れた言語と化しているが、在米韓国語は現在までのところそのような現象は起こっていない。
主な話者
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “NAKS_재외동포를 위한 한국어 1-1 - 재미한국학교협의회 (NAKS)”. www.naks.org. 2023年12月5日閲覧。
- ^ “Why The Number of North Korean Refugees in the United States Is So Low” (英語). NKHIDDENGULAG. 2023年12月5日閲覧。