国際海氷パトロール
国際海氷パトロール(こくさいかいひょうパトロール、IIP : International Ice Patrol)は[1][2]、大西洋と北極海での氷山の監視と、海事コミュニティや付近を航行する船舶への情報提供を目的とした活動。主な監視対象が大きな氷山であることから、日本語での名称については「国際氷山監視船隊」、「国際氷山監視機構」、「(国際的な)氷山監視機関」といった語も使用されている[3][4][5]。1912年のタイタニック号沈没事故を受け、大西洋横断航行に関心のある13か国から資金提供を受けたアメリカ沿岸警備隊によって1914年に活動を開始した[6]。2011年現在、アメリカ合衆国の他、ベルギー、カナダ(カナディアン・アイス・サービス (英語版) を参照)、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、日本、オランダ、ノルウェー、パナマ、ポーランド、スペイン、スウェーデン、イギリスの各政府が国際海氷パトロールの活動を支援している[7]。
国際海氷パトロール | |
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(上)アメリカ沿岸警備隊の国際海氷パトロール記章 (下)北極海で国際海氷パトロール任務に就くアメリカ沿岸警備隊のHC-130。1990年代後期。 | |
目的/目標 | 航海の安全確保のための大西洋及び北極海の氷山の監視 |
実行組織 | アメリカ沿岸警備隊 |
年月日 | 1914年 - 現在 |
脚注
編集- ^ Daniel Terdiman (CNET News) / 翻訳校正: 川村インターナショナル (2012年4月14日). “「タイタニック号」沈没から100年--氷山衝突事故を避ける技術の進歩”. CNET Japan (朝日インタラクティブ株式会社) 2024年3月13日閲覧. "同氏は海洋学者であり、米沿岸警備隊の1部門である国際海氷パトロール(IIP)でチーフサイエンティストを務めている。"
- ^ “「氷山通り」に巨大な氷山、見物客が押し寄せ カナダ東部”. CNN.co.jp (朝日インタラクティブ株式会社). (2017年4月20日) 2024年3月13日閲覧. "今年はまさに氷山の「当たり年」で、国際海氷パトロールによれば今週までに欧州と北米大陸を結ぶ航路上で648個の氷山が目撃されたという。"
- ^ 小野延雄 著「氷山」、加藤周一 編『改訂新版 世界大百科事典』株式会社平凡社、2007年9月。ISBN 9784582034004 。2024年3月14日閲覧。「1912年4月14日深夜,新造豪華客船タイタニック号が大西洋横断の処女航海で氷山と衝突して沈没した(中略)。以来,国際氷山監視船隊ができて活動しているが,最近では人工衛星情報が氷山監視に活用されている。」
- ^ 赤川正臣「氷山」『日本大百科全書』株式会社小学館 。2024年3月14日閲覧。「氷山は船舶の航行にとっては危険な障害物で、史上最大の海難は1912年4月15日未明、イギリスの豪華客船タイタニック号の処女航海におけるニューファンドランド沖での氷山衝突による沈没事故である。これを契機に国際氷山監視機構が設けられ、氷山の監視と情報の通報が行われている。」
- ^ “湖に眠る氷山空母 ハバクック計画の秘密に迫る”. CNN.co.jp (朝日インタラクティブ株式会社). (2018年7月4日) 2024年3月14日閲覧. "豪華客船タイタニック号の沈没事故を受けて設立された国際的な氷山監視機関は、魚雷や焼夷(しょうい)弾をもってしても氷山の破壊は容易ではないと報告していた。"
- ^ United States Coast Guard, U.S. Department of Homeland Security. “International Ice Patrol - About Us”. The Coast Guard Navigation Center. 2024年3月14日閲覧。
- ^ “Report of the International Ice Patrol in the North Atlantic”. Department of Homeland Security (2011年). 2022年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月7日閲覧。