国際インターネット保存コンソーシアム
国際インターネット保存コンソーシアム(こくさいインターネットほぞんコンソーシアム、International Internet Preservation Consortium; IIPC) [3]とは、ウェブアーカイブを主としてインターネット情報を収集・保存・提供し、係る技術・運用課題の解決や取り組みの普及を図る、各国立図書館などの国際協同機関[4][5]である。
略称 | IIPC |
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設立 | 2003年7月 |
目的 | インターネット情報の収集・保存・提供を進めるため、各国の国立図書館ほか公的施設・民間機関が国を超えて連携し、その趣旨を世界に普及させ、さまざまな課題の解決と取り組む[1] |
運営委員長 Steering Committee Chair | Hansueli Locher (スイス国立図書館)[注釈 1] |
運営副委員長 | Mark Phillips (北テキサス大学)[2] |
監査役 | Sylvain Bélanger (カナダ国立図書館・文書館)[2] |
プログラム・ 広報担当役員 | Olga Holownia (大英図書館)[2] |
ウェブサイト | http://netpreserve.org/ |
概要
編集2003年にフランス国立図書館 (BnF)、アメリカ議会図書館 (LC)、インターネットアーカイブ (IA) など欧米言語圏の国立図書館11機関とアーカイブサービスの合計12機関が協同で設立した[6]。当初は新規加盟を認めなかったが2007年以降は各国の図書館、公文書館、博物館など文化財保存機関や研究機関の新規加盟が認められ[6]、加盟機関は2012年が46[6]、2018年が56である[7]。日本の国立国会図書館は2008年4月に加盟した[6]。
組織
編集協定に定める組織[8]は、加盟機関の全代表者による総会 (General Assembly) を年に1回開催する。加盟機関のうち数機関の代表者で構成される運営委員会 (Steering Committee) は運営方針などを決定し、運営委員会が委員互選で選出した議長(Chair:任期1年)は総会、運営委員会を総理する。運営委員会は少なくとも年に2回開催し、1,議長の選出、プログラム担当役員 (Program officer)、連絡担当役員 (Communications officer)、監査役 (Treasure) の任命。2,新規加盟申請の検討と承認。3,戦略的計画、年間計画の策定。などを討議・決定する。プログラム担当役員 (Program officer) は協同プロジェクト、連絡担当役員 (Communications officer) は加盟機関のコミュニケーション、監査役 (Treasure) は組織の財務、それぞれの管理責任を持ち任期は3年である[9]。各加盟機関が参加する、収集 (Harvesting)、提供 (Access)、保存 (Preservation) 、3つのワーキンググループが協同プロジェクトを推進する[10]。
プロジェクトと成果
編集- ウェブアーカイブ技術の開発[11]
- 収集ロボットHeritrix[12]、選択的ウェブアーカイブツールWeb Curator Tool[13]、全文検索エンジンNutchWAX[14]、提供用インターフェースWayback[15]などを開発している。
- 規格の策定
- ウェブアーカイブの保存フォーマットとして国際標準化機構 (ISO) へ提案したWeb ARChive (WARC) は、2009年5月に正式規格として制定された[16][17]。
- その他
- ロスアラモス国立研究所らが開発を推進する、各機関のウェブアーカイブ間の相互運用性を高めるメメント・プロジェクト、に協力[18]など、加盟機関や類縁機関の技術開発に協力している。
参加組織
編集2016年現在[19]。
国立図書館
編集- netarchive.dk (デンマーク王立図書館、オーフス国立・大学図書館) - 創設メンバー
- アイスランド国立・大学図書館 - 創設メンバー
- アメリカ議会図書館 - 創設メンバー
- イスラエル国立図書館
- エストニア国立図書館
- オーストラリア国立図書館 - 創設メンバー
- オーストリア国立図書館
- オランダ国立図書館
- 合衆国政府印刷局(アメリカ)
- カナダ図書館・文書館 - 創設メンバー
- 韓国国立中央図書館
- クロアチア国立・大学図書館
- 国立国会図書館(日本)
- シンガポール国家図書館管理局
- スイス国立図書館
- スウェーデン国立図書館 - 創設メンバー
- スコットランド国立図書館
- スペイン国立図書館
- スロベニア国立・大学図書館
- セルビア国立図書館
- 大英図書館 - 創設メンバー
- チェコ共和国国立図書館
- 中国国家図書館
- チリ国立図書館
- ドイツ国立図書館
- ニュージーランド国立図書館
- ノルウェー国立図書館 - 創設メンバー
- フィンランド国立図書館 - 創設メンバー
- フランス国立視聴覚研究所 - 創設メンバー
- フランス国立図書館
- ポーランド国立図書館
- ラトビア国立図書館
地域図書館
編集非営利財団・図書館
編集- インターネットアーカイブ(アメリカ) - 創設メンバー
- インターネット・メモリー財団(オランダ)
- カナダ国立映画制作庁
- 新アレクサンドリア図書館(エジプト)
- ポルトガル・ウェブアーカイブ
大学・研究所
編集- UCLA研究図書館(アメリカ)
- オールド・ドミニオン大学コンピュータサイエンス学部(アメリカ)
- カリフォルニア電子図書館(アメリカ)
- 北テキサス大学図書館(アメリカ)
- コロンビア大学図書館(アメリカ)
- スタンフォード大学図書館(アメリカ)
- ブラチスラヴァ大学図書館(スロバキア)
- ハーバード図書館(アメリカ)
- ロスアラモス国立研究所図書館(アメリカ)
国立公文書館
編集プロバイダ
編集- Hanzo Archives Limited (イギリス)
- Organisation Information Archivierung (OIA) (ドイツ)
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ Mission and Goal
- ^ a b c d “Leadership> Officers; 2018 Steering Committee Members (2018年改選の役員名簿)” (英語). netpreserve.org. 2019年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月1日閲覧。
- ^ “International Internet Preservation Consortium”. netpreserve.org. 2013年9月23日閲覧。
- ^ “About IIPC”. netpreserve.org. 2012年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月23日閲覧。
- ^ 柴田昌樹「CA1664 - IIPCを中心としたウェブアーカイブに関する動向」『カレントアウェアネス』296(CA 1664)、2008年6月20日、8-9頁、 オリジナルの2013年6月13日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c d インターネット資料収集保存事業(WARP) (2013年1月29日). “International Internet Preservation Consortium (IIPC)”. 国立国会図書館. 2013年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月2日閲覧。
- ^ インターネット資料収集保存事業(WARP). “International Internet Preservation Consortium (IIPC) > 2018年末現在のIIPC参加機関”. 国立国会図書館. 2018年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月31日閲覧。
- ^ membership
- ^ Leadership
- ^ Working group
- ^ Software
- ^ “Heritrix”. 2013年9月23日閲覧。
- ^ “Web Curator Tool”. 2013年9月23日閲覧。
- ^ “NutchWAX”. 2013年9月23日閲覧。
- ^ “Wayback”. 2013年9月23日閲覧。
- ^ “ISO 28500:2009”. International Organization for Standardization. 2013年9月23日閲覧。
- ^ ウェブアーカイブの保存用ファイルフォーマットWARCがISO標準に. カレントアウェアネス-E No.153. (2009年7月8日) .
- ^ Memento
- ^ “IIPC Members”. IIPC. 2016年10月2日閲覧。