国道499号

長崎県から鹿児島県に至る一般国道

国道499号(こくどう499ごう)は、長崎県長崎市から鹿児島県阿久根市に至る一般国道である。

一般国道
国道499号標識
国道499号
地図
地図
経路図 海上区間を含む
総延長 111.2 km
実延長 029.2 km
現道 027.1 km
陸上区間 029.2 km
海上区間 082.0 km
制定年 1993年平成5年)
起点 長崎県長崎市
大波止交差点(北緯32度44分44.96秒 東経129度52分19.64秒 / 北緯32.7458222度 東経129.8721222度 / 32.7458222; 129.8721222 (大波止交差点)
終点 鹿児島県阿久根市
阿久根駅前交差点(北緯32度1分22.63秒 東経130度11分44.48秒 / 北緯32.0229528度 東経130.1956889度 / 32.0229528; 130.1956889 (阿久根駅前交差点)
接続する
主な道路
記法
国道202号標識 国道202号
国道3号標識 国道3号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
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概要

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長崎市中心部から長崎半島を縦断して野母崎まで続き、天草灘の海上区間を経て阿久根市国道3号に至る延長111.2 km一般国道の路線である。本国道が海上区間を持つ国道の中で最も番号が大きい国道であり、野母崎 - 阿久根間の海上区間は82 kmあるが、陸上区間でもある実延長は29.2 kmである。陸上区間のほとんどは長崎県内であり、鹿児島県阿久根市内の延長は、わずか62 mである[1][2]

国道499号の海上区間に就航するフェリー路線はなく、長崎市と阿久根市とは、国道251号国道389号口之津 - 鬼池航路および牛深 - 蔵之元航路(三和商船の牛深 - 長島航路)を経由することで行き来が可能である[注釈 1]

路線データ

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一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 2]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

歴史

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1993年平成5年)の一般国道の追加路線指定で、地方自治体の請願をもとに審査を経て決定された[6]。国道昇格の対象となった長崎市街 - 野母崎間の県道長崎野母崎線が国道に昇格できた詳細な経緯はわかっていないが、一説には道路法上の国道指定に必要な起終点の要件で、幹線国道に接続する地点、人口10万人以上の都市、国際観光上重要な場所のいずれの基準も満たさない野母崎に代えて、野母崎に近い脇岬港から海をフェリー航路で鹿児島県阿久根漁港まで結んで阿久根駅前の国道3号までつなげて一本の交通系統機能を保持する計画が行われたことで、法的に国道昇格できる要件を満たしたことになり、国道499号が一般国道に指定することが実現できたと見られている[7]。ただし、このフェリー航路は臨時便の運航のみで、国道指定から7年後の2000年(平成12年)には廃止されている[8]

年表

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  • 1993年平成5年)4月1日 - 一般国道499号(長崎市 - 阿久根市)として指定施行[9]。長崎県内の路線はほとんどが長崎県道13号長崎野母港線から、鹿児島県内の路線は鹿児島県道363号阿久根港線から国道499号に指定された。終点が鹿児島県阿久根市である理由は、1971年昭和46年)に脇岬港と阿久根港を結ぶカーフェリー構想が計画されていたためで、実際に1986年(昭和61年)から2000年(平成12年)まで臨時航路が開設されていたが、定期化には至らなかった[10]

路線状況

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阿久根駅前交差点から望む鹿児島県区間の全景。延長は62 mで、突当りは阿久根漁港。

国道499号は長崎市の中心街を発って、長崎半島を縦貫し、突端の野母崎付近に達するが、直線距離で70 km以上離れた鹿児島県の阿久根漁港で再び現れて、阿久根駅前の国道3号交点(阿久根駅前交差点)まで続いている[11]鹿児島県阿久根市内の陸上区間は、わずか62 mしかなく、大抵の地図にも国道表記は載っていない[12]

別名

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  • 出島海岸通り(長崎市出島町)
  • 大浦海岸通り(長崎市常磐町)

海上区間

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国道499号は、もっとも大きな路線番号をつける海上国道でもある[13]。長崎県長崎市の野母崎に位置する脇岬港から、鹿児島県阿久根市の阿久根駅前に位置する阿久根漁港までが海上区間になり[13]、路線総延長の7割強を占める。かつて、脇岬港 - 阿久根港とを結ぶ国道フェリーが運航されていたが、2000年にフェリーが廃止されてしまい、両県ともいわゆる盲腸線となっている[2]。2016年現在、海上区間を連絡する交通手段が存在しないため、この道路だけで長崎市と阿久根市を行き来することはできない。

  • 長崎県長崎市脇岬港 - 鹿児島県阿久根市阿久根漁港(交通手段なし)

道路施設

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橋梁

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  • 長崎県
    • 玉江橋(中島川、長崎市元船町 - 同市出島町)

トンネル

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起点から

  • 長崎県
    • 戸町隧道:延長327 m、1933年(昭和8年)竣工、長崎市
    • 黒浜トンネル:延長110 m、1980年(昭和55年)竣工、長崎市

地理

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通過する自治体

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交差する道路

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交差する道路 都道府県名 市町村名 交差する場所
国道202号
長崎県道112号長崎式見港線
長崎県 長崎市 元船町 大波止交差点 / 起点
E34 ながさき出島道路 出島町 市民病院前交差点
長崎県道51号長崎南環状線 / ながさき女神大橋道路 戸町 戸町IC
長崎県道237号小ヶ倉田上線 小ヶ倉町 小ヶ倉交差点
長崎県道29号香焼江川線 江川町 江川交差点
長崎県道300号長崎野母崎自転車道線 江川町
長崎県道224号深堀三和線 重複区間起点 布巻町 栄上交差点
長崎県道224号深堀三和線 重複区間終点 蚊焼町
長崎県道34号野母崎宿線 重複区間起点 野母町 行政センター交差点
長崎県道34号野母崎宿線 重複区間終点 脇岬町
長崎県道251号樺島港脇岬線 脇岬町
海上区間(交通手段なし)
国道3号
鹿児島県道362号阿久根停車場線
鹿児島県 阿久根市 新町 阿久根駅前交差点 / 終点

沿線

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脚注

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注釈

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  1. ^ 国道324号安田産業汽船・茂木 - 富岡航路を経由するルートもあったが、この航路は2013年平成25年)10月31日付で廃止され、安田産業汽船は同時にこの航路から撤退した。
  2. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  3. ^ 2005年1月4日、長崎市に編入。
  4. ^ a b c d e f g h 2022年3月31日現在

出典

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  1. ^ 『平成19年度道路現況調書』 鹿児島県土木部道路維持課、2008年。鹿児島県内の海上区間は41 km。
  2. ^ a b 佐藤健太郎 2014, pp. 48–49、「国道の名所を行く/海に消える国道」より
  3. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2013年8月22日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月20日閲覧。
  5. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2013年8月22日閲覧。
  6. ^ 佐藤健太郎 2015, p. 179.
  7. ^ 佐藤健太郎 2015, pp. 179–181.
  8. ^ 佐藤健太郎 2015, p. 181.
  9. ^ 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(平成4年4月3日政令第104号)”. 法庫. 2013年8月22日閲覧。
  10. ^ 国道499号(海上国道)について”. 長崎県道路建設課. 2013年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月22日閲覧。
  11. ^ 佐藤健太郎 2015, pp. 178–179.
  12. ^ 佐藤健太郎 2015, p. 178.
  13. ^ a b 松波成行 2008, p. 89.

参考文献

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  • 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年。ISBN 978-4-06-288282-8 
  • 佐藤健太郎『国道者』新潮社、2015年11月25日。ISBN 978-4-10-339731-1 
  • 松波成行「国道499号」『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、89頁、ISBN 978-4-86320-025-8 

関連項目

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