アメリカ国立補完統合衛生センター

アメリカ国立補完統合衛生センター: National Center for Complementary and Integrative Health、略称: NCCIH)は、アメリカ合衆国メリーランド州ベセスダに研究施設を持つ、アメリカ合衆国保健福祉省公衆衛生局 (PHS)国立衛生研究所に属する、補完的健康アプローチ(補完医療・代替医療)の研究を行う政府機関である[1]

National Center for Complementary and Integrative Health
略称 NCCIH (formerly NCCAM)
設立 1991年 (代替医療局として)
1998年 (NCCAMとして)
種類 政府機関
本部 メリーランド州ベセスダ
理事 Josephine P. Briggs, MD
 上部組織 アメリカ国立衛生研究所
加盟 アメリカ公衆衛生局
ウェブサイト nccih.nih.gov
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旧称は国立補完代替医療センター(National Center for Complementary and Alternative Medicine, 略称:NCCAM)、始まりは国立衛生研究所(National Institute of Health: NIH)の代替医療局(Office of Alternative Medicine, OAM)である。

代替医療局の発足当初、研究対象は「Alternative Medicine」(代替医療)と呼ばれ、通常医療(現代医学、西洋医学)にはない新たな予防法・治療法の開発が期待されていた。組織は拡大し、莫大な研究費が投じられてきた。しかし実施された病気の予防・治療を目的とした臨床試験のほとんどは思わしい結果ではなく、国民やメディアから税金の無駄遣いとして厳しい批判を受けた[2](参考:セラピューティック・タッチ)。

これにより、2010年頃から研究目的は、「代替医療」から通常医療を補う「補完医療」に大きく変更され、各種施術療法の総称として、補完代替医療(complementary and alternative medicine)ではなく、補完的健康アプローチ(complementary health approaches)を使うようになった。2014年12月に国立補完統合衛生センターに名称が変更され、代替医療の「代替」を意味する「Alternative」が除かれた[2][3]。研究の目的が「病気の予防・治療」から「症状[4] のマネジメント」へと変わったことで、近年(2015年時点)では、各種施術療法における「症状のマネジメント」に関する有効性が証明されてきている[2][5]。「症状のマネジメント」(症状の管理、symptom management)とは、重篤な疾患や生命を脅かす疾患のある患者の生活の質(QOL)を改善するために行われるケアであり、疾患の症状や治療による副作用、治療に関係した心理的、社会的、精神的な問題を、予防し治療することを目的とする[6][7]。「緩和ケア(palliative care、comfort care)」、「支持療法(supportive care)」とも呼ばれる[6]

年表

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  • 1991年10月、補完医療・代替医療の科学的調査、研究者の育成、信頼できる情報の提供を目的に、代替医療局(Office of Alternative Medicine, 略称:OAM)として開設[8]
  • 1998年、国立補完代替医療センター(National Center for Complementary and Alternative Medicine, 略称:NCCAM)に改称
  • 2014年12月、国立補完統合衛生センター(National Center for Complementary and Integrative Health, 略称:NCCIH)に改称

現在の研究対象[9]

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補完的健康アプローチ(補完医療)は、大きく天然物(natural products)と心身療法(mind and body practices)という2つのサブグループに分けられるとしている(2015年時点)[10]

天然物
心身療法

他に、催眠療法などの精神療法、ヒーリング・タッチ(手当て療法)などがある。

その他

脚注

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  1. ^ 補完療法について検討していますか? 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  2. ^ a b c これって効きますか? 《111》「代替医療」の功罪 大野智 朝日新聞の医療サイト・アピタル
  3. ^ NIH complementary and integrative health agency gets new name National Center for Complementary and Integrative Health (NCCIH)
  4. ^ 病気そのものによる症状、治療に伴う副作用を指す。
  5. ^ がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】” (PDF). 厚生労働省 (2012年2月20日). 2022年6月24日閲覧。
  6. ^ a b symptom management”. weblio. 2022年6月24日閲覧。
  7. ^ スピリチュアルケア 〜「関係性」にて患者を支える〜”. 亀田総合病院. 2022年6月24日閲覧。
  8. ^ Important Events in NCCAM History
  9. ^ Complementary, Alternative, or Integrative Health: What’s In a Name?”. NCCIH (2014年7月). 2015年3月閲覧。
  10. ^ NCCIH. “Complementary, Alternative, or Integrative Health: What’s In a Name?”. NIH. 2015年3月閲覧。
  11. ^ 抗酸化物質と健康 Antioxidants and Health 海外のサイト「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  12. ^ 経口プロバイオティクス Oral Probiotics 海外のサイト「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  13. ^ 鍼治療 Acupuncture 海外のサイト「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  14. ^ 瞑想 Meditation 海外のサイト「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  15. ^ 健康目的でのマッサージ療法:知っておくべきこと Massage Therapy for Health Purposes: What You Need To Know 海外のサイト 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  16. ^ 健康のためのリラクゼーション法 Relaxation Techniques for Health 海外のサイト「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  17. ^ カイロプラクティック Chiropractic 海外のサイト「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  18. ^ 太極拳 Tai Chi 海外のサイト 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  19. ^ ヨガ Yoga 海外のサイト 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  20. ^ アーユルヴェーダ療法 Ayurvedic Medicine 海外のサイト「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  21. ^ 自然療法 Naturopathy 海外のサイト「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
  22. ^ ナチュロパシーにはNaturopathic Physicians Licensing Examinationsというライセンスがある。
  23. ^ ホメオパシー Homeopathy 海外のサイト「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省

外部リンク

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